第3回WBC戦士・松井稼頭央氏が井端ジャパンにエール 期待する連覇のキーマンとは?
2013年に野球日本代表「侍ジャパン」のメンバーとして「WORLD BASEBALL CLASSIC™」(以下WBC)に出場した松井稼頭央氏。日米通算25年のキャリアを振り返ってみても「あれ以上の緊張感はない」という激闘を一緒に戦ったチームメートの1人が、3月5日に開幕する「2026 WBC」で侍ジャパンの指揮を執る井端弘和監督だ。連覇の期待とプレッシャーを知る松井氏は、井端ジャパンにどんなエールを送るのか。
写真提供=Full-Count
侍ジャパン・井端監督は「イメージが定着」「難しさは計り知れない」
2013年に野球日本代表「侍ジャパン」のメンバーとして「WORLD BASEBALL CLASSIC™」(以下WBC)に出場した松井稼頭央氏。日米通算25年のキャリアを振り返ってみても「あれ以上の緊張感はない」という激闘を一緒に戦ったチームメートの1人が、3月5日に開幕する「2026 WBC」で侍ジャパンの指揮を執る井端弘和監督だ。連覇の期待とプレッシャーを知る松井氏は、井端ジャパンにどんなエールを送るのか。
1975年生まれの同い年で、ともに球界を代表する遊撃手として鳴らした。2023年の前回大会に続く連覇の期待を受けながら侍ジャパンを率いる井端監督について、松井氏は「特別な思いがありますよね。リーグは違えど、ともに戦ってきた仲間が侍ジャパンを背負って指揮を執るわけですから」と感慨深げに話す。
井端監督は現役時代、卓越したバットコントロールで広角に打ち分けながらも三振が少なく、遊撃手としてゴールデン・グラブ賞に輝くこと7度。「本当に嫌なバッターでしたし、守備ではあれだけ堅実なショートはなかなかいない。僕とは全くタイプが違いますが、あの守備力で野手の要として、強いドラゴンズを引っ張っていた」と振り返る。手堅いプレーのイメージが強いが、監督としては「ちょっと攻撃型かなと思います。送りバントかと思いきや、結構打たせるケースがあった。それに対して選手も結果で応えていますから、すごいと思います」と印象を変えたようだ。
侍ジャパンの監督として3年目。「すっかり代表監督としてのイメージが定着しましたよね」と話しながら、埼玉西武の監督を務めた自身の経験と重ねる。「若い選手を抜擢しながら勝ちにいくのは非常に難しいこと。それを代表として強化試合でできるのは、さすがだと思います。日本のトッププレーヤーを集め、やりくりしながら好成績を残すなんて、代表監督を務める難しさは計り知れない。僕には想像もできないですね」と称えるしかない。

期待を寄せる「色々な役割を果たせる」投手、選出に注目の「魅力ある」外野手
WBC出場メンバーは12月26日に第1弾、1月16日に第2弾、同26日に第3弾が発表され、大谷翔平選手(ロサンゼルス・ドジャース)、菊池雄星投手(ロサンゼルス・エンゼルス)、佐藤輝明内野手(阪神)、牧秀悟内野手(横浜DeNA)ら29選手が名を連ねる。その中でも松井氏が期待を寄せるのが、昨季は埼玉西武で守護神を務めた平良海馬投手だ。
平良投手は2018年に入団して以来、中継ぎ投手として活躍。2022年にはリーグ最多34ホールドを記録し、最優秀中継ぎ投手に輝いた。だが、松井氏が監督に就任した2023年には先発に転向し、11勝7敗、防御率2.40の好成績。2024年途中から中継ぎに再転向すると、昨季は最多セーブ投手(31セーブ)のタイトルを手にしている。
「平良は気持ちが強いし、真っ直ぐがいい。欲しいところで三振を獲れるピッチャーですし、コントロールも良く、色々な球種を操れる。先発も中継ぎも抑えも全部経験している投手ですから、ロングリリーフも含め、1人で色々な役割を果たせます。ましてや初見の打者であれば、あのクイックをはじめ、いきなりの対応は非常に難しい投手なのかかと。彼の存在は非常に大きいし、首脳陣は心強いと思います」
これまでに29選手が発表され、最終ロースターは2月6日に発表される予定だ。今回は現在フリーエージェントの菅野智之投手を含め、山本由伸投手(ロサンゼルス・ドジャース)、岡本和真内野手(トロント・ブルージェイズ)、村上宗隆内野手(シカゴ・ホワイトソックス)らMLB組は過去最多8人が選出。残り1枠の行方が気になるところだが、松井氏は西川史礁外野手(千葉ロッテ)の選出に期待する。
「MLB組が選出されると厳しいでしょうが、将来の侍ジャパンを考えると、西川選手が入るのかどうか気になるところです。大学生でトップチームに選ばれた時から、初球からでもしっかりバットを振って結果を出せる選手。魅力はありますよね。昨年11月の韓国戦では右翼へタイムリーを打ちましたが、走者がいる中で右方向に打てるのは技術の高さに加え、周りがしっかり見えているということ。気持ちがすごく強い選手なのかなと思いますし、選ばれたら面白い存在になりそうですね」

WBCと連覇の期待が生む独特の雰囲気「色々なドラマが生まれると思います」
WBC本番まで1か月あまり。井端監督、そして侍ジャパンのメンバーに、松井氏はどんなエールを送るのか。連覇を目指す過程で生まれる高揚感や緊張感を知る松井氏は「難しいですね。簡単に言葉はかけられないですから」と苦笑いしながらも、真っ直ぐな眼差しで続ける。
「目指すところは連覇、それだけ。そして、今回連覇を目指せるのは日本だけですし、それができるメンバーが揃うと思います。ただ、トーナメント制の一発勝負で連覇するのは本当に難しいし、他チームの本気度を見ても、僕らが経験した時以上に勝ち上がっていくのは大変なことでしょう。ただ、そこに挑戦していくわけですから、全力で応援したいと思います」
高校野球では、甲子園で思いも寄らないプレーや大逆転劇が生まれると「甲子園には魔物が棲む」と表現するが、WBCもまた興奮と緊張がない交ぜになった独特の雰囲気が沸き上がってくるという。
「自分の力以上のものが出る選手もいるでしょうし、苦しさを乗り越える選手も出てくるでしょう。1つのプレーでガラッと流れが変わることもある。色々なドラマが生まれると思います。ただ、あの空気感を楽しんで、とは、なかなか選手たちに言えません。前回、あの大谷選手が感情むき出しのジェスチャーを見せたくらいですから、想像もできない世界があると思います」
それぞれの国を代表する誇りを胸に、世界のトップ選手たちが火花を散らすWBCの舞台。果たしてどんなドラマが待ち受けているのか。思いを馳せるだけでも、松井氏の心は高鳴るようだ。
「痺れますよね。ファンの方々も中継映像から、試合の緊張感や興奮が伝わってくると思います。こんな経験は、なかなかないじゃないですか。ましてや球場で試合を体感できるとなったら大変ですよ。誰も冷静には見られない。解説者でさえ心の声がたくさん漏れてきそうで、解説にはならないんじゃないかな(笑)。3月にその瞬間が来ると思うと、本当に楽しみです」
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