大学代表は候補止まり…横浜DeNA・梶原昂希がたどり着いた侍ジャパン「自信になった」
横浜DeNAの梶原昂希外野手は、今年3月に行われた「ラグザス 侍ジャパンシリーズ2025 日本vsオランダ」で初めて日の丸のユニホームに袖を通した。神奈川大時代は届かなかった野球日本代表「侍ジャパン」では、積極果敢な走塁で持ち前の足をアピール。国を代表して戦う誇りを胸に、野球への取り組みの大切さを再認識する貴重な経験を得た。

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昨季大ブレークで日本一貢献→今年3月の強化試合で侍ジャパン初招集
横浜DeNAの梶原昂希外野手は、今年3月に行われた「ラグザス 侍ジャパンシリーズ2025 日本vsオランダ」で初めて日の丸のユニホームに袖を通した。神奈川大時代は届かなかった野球日本代表「侍ジャパン」では、積極果敢な走塁で持ち前の足をアピール。国を代表して戦う誇りを胸に、野球への取り組みの大切さを再認識する貴重な経験を得た。
初めての吉報にも実感は沸かなかった。招集を告げる電話に思わず、「本当ですか?」。とはいえ、プロ3年目だった2024年、91試合で打率.292、4本塁打、30打点、16盗塁とブレーク。夏場以降は1番打者に定着してポストシーズンでも存在感を放ち、26年ぶりの日本一を味わった。代表入りは“必然”だった。
元々、ポテンシャルの高さは誰もが認めるところ。打撃練習では外国人選手より打球を飛ばし、スピードもトップクラスだ。昨季、殻を破れた要因を「いい意味で環境に慣れることができて、1軍に上がって力んだり気負いすぎたりせずに、ファームでやってきたことを出せたのが一番良かったと思います」と振り返る。勢いそのままに、侍ジャパンでも“らしさ”を発揮した。
初安打、初打点、初盗塁をマーク…打撃映像を参考にした選手と会話も
第1戦は途中出場だった。1-0の6回、万波中正外野手(北海道日本ハム)が左翼線二塁打で出塁すると、代走で出番がやってきた。大山悠輔内野手(阪神)が四球を選び、一、二塁となると、細川成也外野手(中日)が空振り三振する間に重盗を成功させた。
「足を中心にしたところをアピールできればと思っていたので、一発目に初見の投手で走れたのは自信になりました。映像を見てゲームになったらどうするかを事前に準備して考えたり、できる限りの状況を頭に入れた上でプレーに臨むようにしました」
第2戦は「6番・中堅」でフル出場し、3打数1安打1打点2四球1盗塁。8回2死一、二塁から中前適時打でようやく“初安打”もマークした。「井端(弘和)監督に『やっと打ったんか』って言われて『やっとです』って(笑)。コーチ陣も気さくに話しかけてくれましたし、やりやすかったです」とはにかんだ。
強化試合とあって期間は短かったが、普段は対戦相手の選手や、接点の少ないパ・リーグの選手とも交流できたことは大きな刺激となった。長岡秀樹内野手(東京ヤクルト)は2学年下ながら昨年から打撃映像を参考にしていたとあって、準備の仕方やどんなイメージを持って打席に立っているかなどを積極的に質問。「同じ左打者ですごくいいヒットを打つ。試合前に安打集を見る時に長岡の映像でイメージを作ったりしていたので気になっていて、話をすることができました」と収穫を得た。
神奈川大時代は2度候補合宿に参加も「代表入りを目指すというよりは…」
梶原選手は神奈川大時代、1年冬と2年夏に大学日本代表の候補合宿に参加した。「当時は合宿に行けただけで(満足)って感じでした。自分が行けると思っていなかったし、代表入りを目指すというよりはいい刺激になる時間という感じで……」と話すように、大学代表に選ばれることはなかった。トップチームへの思いももちろん「全然頭になかったです」というのが本音。時を経て、プロの舞台で結果を残して、あのとき届かなかった場所にたどり着いた。
「日本を代表して戦うのはありがたいことですし、光栄なこと。そこに自信を持っていかないといけない。また、日本中が応援してくれる中で、それにふさわしい取り組みやプレーの表現をしっかりやっていかないといけないと感じました」
野球の難しさを味わう今季「なかなか思うようにいかないところも多い」
今季は47試合で打率.218、1本塁打、8打点、4盗塁と苦しみ、7月7日に2度目の出場選手登録抹消となった。「経験を踏まえての今年だったので、自分の中で『ちょっと変化をさせたいな』という思いがあり、取り組んできました。データもあって相手に警戒されたり、なかなか思うようにいかないところも多いです。技術も考え方も野球に対しての向き合い方もです」と口を真一文字に結んだ。
本来の力を発揮すれば、きっとまた日の丸のユニホームに袖を通す日も来るだろう。「参加してみたいなという気持ちは強まりました。そこが目標ではないですけど、結果的にシーズンで好成績を残せばそういう機会が得られるんだということで、そこに向かって取り組んでいければなと思います」。再び輝くために、ひたむきな努力を続けていく。
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