2年目で大抜擢、廣瀬隆太が経験した侍の重圧 大学ジャパンと異なる立ち位置…得た自信

2025.5.12

まさに大抜擢。選ばれた時の気持ちを問うと、開口一番「いや、本当にびっくりしました」と、当時の驚きを率直に明かした。福岡ソフトバンクの廣瀬隆太内野手は、今年3月に行われた「ラグザス 侍ジャパンシリーズ2025 日本vsオランダ」で、野球日本代表「侍ジャパン」トップチーム初選出を果たした。

写真提供=Full-Count

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「本当にびっくりした」 …ソフトバンク内野手に届いた予期せぬ吉報

 まさに大抜擢。選ばれた時の気持ちを問うと、開口一番「いや、本当にびっくりしました」と、当時の驚きを率直に明かした。福岡ソフトバンクの廣瀬隆太内野手は、今年3月に行われた「ラグザス 侍ジャパンシリーズ2025 日本vsオランダ」で、野球日本代表「侍ジャパン」トップチーム初選出を果たした。

 慶應義塾大学から2023年のドラフト3位で入団し、プロ1年目の昨季は1軍で35試合に出場。打率.233、2本塁打、9打点の成績だった。2年目にして初選出。慣れないトップチームの雰囲気、そして大きな期待の中で迎えたオランダ戦は、プレッシャーの中で結果を残そうと必死だった。「なんとか1本打ちたかったんで、ほっとしました」。途中出場した第1戦の第1打席。左翼へ放った侍初ヒットは、安堵感とともに、確かな自信をもたらした。

大学代表も経験…同じユニホーム着用もまったく違った重圧

 大学時代にも袖を通した日の丸のユニホーム。国際大会も経験した。しかし、トップチームのそれは、まったくの別物だったという。違いを最も感じたのは、やはり“注目度”だ。

「注目度が違いますもんね。大学のジャパンはあまり知られていなかったので、そのプレッシャーが違います。日本代表としてのクオリティを求められるじゃないですか。だから、そこにプレッシャーがありました」

 NPBのスター選手が集うトップチームへの関心は桁違いだ。メディアの報道量、ファンの視線、そのすべてが大学時代とは比較にならないほど大きく、重い。トップチームの一員である以上、プレーのひとつひとつに高いレベルが求められる。その重圧は、想像以上だった。


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廣瀬が感じたプレッシャーの変化とは…

 さらに廣瀬選手らしく続ける。

「プレッシャーの種類が違いますね。大学の時はプロに入るために、国際大会でも結果を残したい思いがあったんですけど。今はファンの人たちの期待に応えたい、というプレッシャーなので、種類が違います」

 大学時代に感じていたプレッシャーは、自身の将来の道を切り拓くためのものだった。しかし、トップチームでは、個人のためだけでなく、日本中の野球ファンの期待、応援を一身に背負ってプレーする。その責任感や使命感が、大学時代とは質の異なるプレッシャーだと感じたという。

侍ジャパン入りしたものの、自チームでは“B組”スタート

 侍ジャパンに選出されていたものの、自チームで迎えた春季キャンプでは2軍にあたる“B組”で過ごした。当時は「侍とかじゃなくて、A組に上がれないことがモヤモヤしています……」と心境を吐露。トップチームに選ばれたことは自信にはなったが、球団内での評価にもどかしさを抱えていた。

 それでも今回の侍ジャパンでの経験は、24歳にとって大きな刺激と学びの機会となった。自チームではB組だった理由も今は分かる。「自分の経験がまだ少ないし、ああいうプレッシャーの中でいつも通りのプレーをするのがやっぱり大変だなと思いました」。大舞台での経験不足、そして極度のプレッシャーの中で平常心を保ち、自身のパフォーマンスを発揮することの難しさを痛感した。

「万波(中正・北海道日本ハム)さんとか、ずっと主力で戦っているし、めっちゃ楽しそうにプレーしていたので。そこは余裕の違いを感じました。もちろん万波さんだけではないですけど」

 トップレベルの選手たちと共にプレーし、日の丸の重みを肌で感じた数日間は、さらなる成長を追い求めるための大きなモチベーションとなる。驚きの大抜擢から得た学びと課題を胸に、自チームでの激しいレギュラー争いに挑み続ける。

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