11月15、16日に韓国代表と強化試合実施 井端監督「WBCを見据えて大事な2試合に」
2026年3月5日の「2026 WORLD BASEBALL CLASSIC™」(以下WBC)開幕まで1年を切った。第6回を迎える大会に向け、米国代表は日本時間4月14日、稀代のスラッガーとして知られるアーロン・ジャッジ外野手(ニューヨーク・ヤンキース)の出場と主将任命を発表。早くも王座奪還への本気度の高さを伺わせた。

写真提供=Full-Count
来年3月のWBCでは1次ラウンドで対戦、プールCから上位2チームが準々決勝へ
2026年3月5日の「2026 WORLD BASEBALL CLASSIC™」(以下WBC)開幕まで1年を切った。第6回を迎える大会に向け、米国代表は日本時間4月14日、稀代のスラッガーとして知られるアーロン・ジャッジ外野手(ニューヨーク・ヤンキース)の出場と主将任命を発表。早くも王座奪還への本気度の高さを伺わせた。
そしてその3日後の同17日、野球日本代表「侍ジャパン」は11月15、16日に東京ドームで「ラグザス 侍ジャパンシリーズ2025 日本vs韓国」を開催すると発表。長年にわたり熱い火花を散らしてきた好敵手を相手に、大会連覇への最終調整を行う。
激闘を繰り広げながらアジア野球を牽引してきた日本と韓国。来春のWBCでも1次ラウンドで同じプールC(東京プール)に組み分けされ、3月7日に対戦することが決定。その他、プールCにはオーストラリア、チェコ、チャイニーズ・タイペイが名を連ね、5チーム総当たり戦の結果、上位2チームが米国・マイアミのローンデポ・パークが舞台となる準々決勝への切符を手にする。
WBCに準じてピッチクロックも採用見込み「経験できるいい機会」
1次ラウンドでは、日本と韓国、そして昨年11月の「第3回WBSCプレミア12」(以下プレミア12)で優勝したチャイニーズ・タイペイの3チームを軸とする戦いが予想されるが、本番4か月前に対戦できる意味は大きいと言えそうだ。記者会見に出席した侍ジャパンの井端弘和監督は「来年のWBCを見据えて大事な2試合になると思っています」と話すと同時に、「強化試合とはいえ、勝ちにこだわってやっていけたらと思います」と力強く語った。
強化試合はWBCに準じたルールで行う予定で、MLBではおなじみとなったピッチクロックも導入される見込み。昨年のプレミア12でもピッチクロックが採用され、走者がいない場合に限り、投手は20秒以内に投球しなければならなかった。NPBでは採用されていないだけに、井端監督は「ピッチクロックなどのルールを経験できるいい機会になる」と期待を寄せる。
大谷所属のドジャースがWBC出場容認…井端監督「非常にありがたい話」
メンバー選考については「メジャーリーグ以外の選手たちが1シーズンでどれだけ成長しているか、近くで見られるのは非常に大きい」と語り、NPBでプレーする選手たちの最終選考の場となることを示唆した。前回大会では1軍経験の少ない宇田川優希投手(オリックス)や中野拓夢内野手(阪神)ら若手選手の起用が的中。井端監督も就任以降、プロ選手に限らず大学生もトップチームに招集するなど幅広い起用を続けてきただけに、「当然、大会(WBC)を意識した選考になると思う」というメンバーが、どのような顔ぶれになるか、興味深いところだ。
WBC連覇を目指す日本にとっての朗報は、大谷翔平選手、山本由伸投手、佐々木朗希投手が所属するロサンゼルス・ドジャースのデーブ・ロバーツ監督が、所属選手のWBC出場を容認する考えを示したことだろう。井端監督は「非常にありがたい話。当然、入ってきてほしい選手であるのは間違いないので、とにかく怪我なくシーズンを終えて、WBCに来てもらえたら」と話す。
韓国リュ監督「最終エントリーを見極める有意義な時間にしたい」
11月の強化試合はもちろん、来年のWBCにむけて「日本には素晴らしい選手がたくさんいる」と警戒心を強めるのが、今年1月に韓国代表を率いることになったリュ・ジヒョン監督だ。韓国野球機構(KBO)のLGツインズで外野手として11シーズンを戦い、引退後は指導者に転身。2022年から2シーズンはツインズで指揮を執った。WBCには代表コーチとして第1回、第3回大会に参加し、昨年のプレミア12ではベンチコーチを務めた人物でもある。
これまで日韓両チームが繰り広げてきた戦いの歴史を知るリュ監督は「監督就任後、初めての試合が東京ドームでの侍ジャパン戦であることに胸が高鳴る」と楽しみな様子。WBCについて「世界で最高クラスの選手が集まる場。MLBで活躍する韓国選手にも強く(出場を)アピールする選手がいる。怪我さえなければ、新旧の調和を図って最高のチームで試合を戦いたい」と話す。その前哨戦として、11月は若手選手にもチャンスを与えながら「最終エントリーを見極める有意義な時間にしたい」と意気込んだ。
両国にとってWBC前哨戦となる大事な2試合。プールCの舞台でもある東京ドームでの熱戦に期待したい。
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