侍ジャパン、オランダとの強化試合に2連勝 連覇に向けて見えた“明るい未来”
野球日本代表「侍ジャパン」は5、6日に京セラドーム大阪で行われた強化試合「ラグザス 侍ジャパンシリーズ2025 日本vsオランダ」に臨み、2試合連続で完封勝利を収めた。第1戦は5-0、第2戦は9-0と完勝。投手陣が圧倒的な力を見せ、2試合連続で1安打投球を披露した。

写真提供=Getty Images
2戦連続で完封勝利、投手陣が見せた圧倒的な力量
野球日本代表「侍ジャパン」は5、6日に京セラドーム大阪で行われた強化試合「ラグザス 侍ジャパンシリーズ2025 日本vsオランダ」に臨み、2試合連続で完封勝利を収めた。第1戦は5-0、第2戦は9-0と完勝。投手陣が圧倒的な力を見せ、2試合連続で1安打投球を披露した。
5日に行われた第1戦では、先発した宮城大弥投手(オリックス)が3回40球無安打無失点投球を披露すると、2番手の塹江敦哉投手(広島東洋)は1死球ながら1回を13球で無安打無失点とした。3番手の橋本侑樹投手(中日)が1安打を許すも、4番手の今井達也投手(埼玉西武)が2回を無失点。その後は石井大智投手(阪神)、常廣羽也斗投手(広島東洋)がそれぞれ3者凡退とし、オランダ打線を封じた。
井端監督「日本のレベルの高さが改めて分かった」
6日の第2戦は先発した種市篤暉投手(千葉ロッテ)が2回を23球で無安打無失点。2番手の大津亮介投手(福岡ソフトバンク)も2回を、そして3番手の齋藤友貴哉投手(北海道日本ハム)、4番手の河野竜生投手(北海道日本ハム)、5番手の杉山一樹投手(福岡ソフトバンク)はそれぞれ1回を無安打無失点。6番手の曽谷龍平投手(オリックス)が8回2死から内野安打を許して“完全継投”とはならなかったが、2戦連続での完封リレーを決めた。
井端弘和監督は「全員が素晴らしい投球だった。日本の投手のレベルの高さが改めて分かった。1年後、大きな大会が待っています。日本の選手はどんどんレベルを上げてきてくれると思いますので、楽しみに1年後、待っていてもらえたらいい」と絶賛。強化ポイントに掲げていた「中継ぎ左腕」についても、確かな手応えを感じている様子だった。
計14得点の中に見えた克服すべき課題とは…
打線も2戦で計14得点と着実に得点を重ねた。初選出の選手が多い中でも、流れを逃さない試合運びを見せたが、同時に解決すべき課題も見えた。指揮官は「毎回投手が変わった時の対応ですね。コロコロ変わる中でも対応していかないと」と指摘する。
課題が顕著だったのは第2戦だ。日本は初回の攻撃から毎回走者を出しながらも、オランダの頻繁な投手交代に困惑。チャンスを生かし切れずに、ようやく得点できたのは5回だった。
短期決戦の国際大会で対戦するのは初見の投手ばかり。そこで井端監督が有効と考えるのが、強化ポイントにも掲げる「長打力」だ。単打を繋いで得点することも大事だが、「本塁打を打てば点は入る。二塁打、三塁打が出ると得点に繋がりやすい。本塁打を含めて長打は大事」と指揮官。試合の流れを変えるインパクトにも期待する。
第1戦では水谷、第2戦では大山が代表初アーチ
今大会は、第1戦では1番起用した水谷瞬外野手(北海道日本ハム)が侍ジャパン初打席で先頭打者弾を記録。第2戦では大山悠輔内野手(阪神)が5回に左翼席へ弾丸ソロを放ち、打者11人の猛攻を繋いだ。この2本塁打を含め、日本が2試合で放った長打は5本(18安打のうち)。長打の割合を増やすことができれば、さらに効率よく得点を重ねることができそうだ。
さらには、第2戦で1番起用した太田椋内野手(オリックス)も2安打と気を吐いた。指揮官は「太田選手は内容のあるバッティングをしてくれた。こういう選手が増えてくれるとうれしい」と深く頷く。
2026年3月6日の「WORLD BASEBALL CLASSIC™」(WBC)開幕まで、あと1年。歓喜の瞬間を迎えるために最高のメンバーを選ぶことになる井端監督だが、与えられた選択肢は豊富だ。最後の最後まで頭を悩ませ、うれしい悲鳴を挙げることになりそうだ。
記事提供=Full-Count
写真提供=Getty Images