7年越しに生んだ代表初安打 大山悠輔が貫いた信念の豪快弾でWBC出場へ猛アピール

2025.3.7

井端弘和監督が率いる野球日本代表「侍ジャパン」は6日、「ラグザス 侍ジャパンシリーズ2025 日本vsオランダ」に9-0で勝利した。投手陣が奮闘し、連日の完封勝利。打撃陣では、3点リードの5回2死から大山悠輔内野手(阪神)が左翼スタンドへ追加点となるソロを放ち、侍ジャパン打線に火をつけた。

写真提供=Getty Images

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5回猛攻のハイライトとなった大山の豪快弾「いい流れで回してくれた」

 井端弘和監督が率いる野球日本代表「侍ジャパン」は6日、「ラグザス 侍ジャパンシリーズ2025 日本vsオランダ」に9-0で勝利した。投手陣が奮闘し、連日の完封勝利。打撃陣では、3点リードの5回2死から大山悠輔内野手(阪神)が左翼スタンドへ追加点となるソロを放ち、侍ジャパン打線に火をつけた。

 0-0の5回1死三塁から佐藤輝明内野手(阪神)の犠飛が相手失策となる間に先制すると、3番の水谷瞬外野手(北海道日本ハム)がレフトへの適時三塁打で続いた。さらに、4番・万波中正外野手(日本ハム)がセンターへ犠飛を放ち、3点目を奪った。

 球場の雰囲気を変えたのは、鋭い眼光で甘い球を狙った大山選手の一振りだった。カウント3-2から真ん中高めに入った直球を強振すると、ライナー性の打球はグングンと飛距離を伸ばして左翼ポール付近へ飛び込むソロ弾に。大きな拍手を全身に浴びながら、ゆっくりダイヤモンドを周った。

 本塁に生還すると井端監督らとハイタッチ。「前のバッターがいい流れで回してくれたので。自分のスイングをするだけでした」。普段は冷静な表情を貫くが、この時ばかりは笑顔が弾けた。

第2打席まで計12打席無安打… 5四死球で出塁も遠かった代表初安打

 大山選手の弾丸アーチ以降も打線は繋がり、5回は打者11人で7点を奪う猛攻を見せつけた。指揮官も「当然ホームランを打てば点が入ります。一振りで仕留めるのが大事かと思います」と30歳の大砲候補を称えた。

 待ちに待った一発だった。前回の代表選出は2019年「ENEOS 侍ジャパンシリーズ2019 日本vsメキシコ」。1試合に出場し、2打席で2四死球という結果だった。2018年にも「ENEOS 侍ジャパンシリーズ2018 オーストラリアvs日本」で2試合に出場したが、計5打席で1四球ノーヒット。6年ぶりに袖を通した日の丸のユニホームでは、なんとしても「H(ヒット)」を点灯させたかった。

 だが、スタメン出場した第1戦は2打数無安打1四球で、7回守備からベンチに退いた。前日に続き「5番・一塁」で先発したこの日も、第2打席まで無安打。ここまで侍ジャパンでは12打席に立ち、5四死球で出塁していたものの、1本が遠かった。

「すごくいい1本」と自賛、来春のWBCへの出場も意欲的

 第2戦を前に「残り1試合、時間を無駄にしないようにいい時間にしたい」と静かに闘志を燃やしていた大山選手。そして生まれた第3打席の豪快ソロ。インパクト十分の“代表初安打”を放ち、代表に再選出された阪神の4番が存在感を発揮した。

「緊張感のある中で打てたので、すごくいい1本。これをシーズンに繋げていきたい。他球団の選手といっぱい会話できたし、いい2日間だったと思います」

 ちょうど1年後に開催される「WORLD BASEBALL CLASSIC™」(WBC)への出場にも意欲的な和製大砲。プロ通算137本のアーチを描いてきた30歳が、積極的に代表入りのチャンスをうかがう。

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