現役ドラフトで開けた道 侍ジャパンの“新星”水谷瞬「2年前は考えられなかった」

2025.3.6

井端弘和監督が率いる野球日本代表「侍ジャパン」は5日、「ラグザス 侍ジャパンシリーズ2025 日本vsオランダ」に5-0で勝利した。初選出となった水谷瞬外野手(北海道日本ハム)が初回に先頭打者アーチを描き、舞台となった京セラドーム大阪は大興奮。“新星”の華々しい登場で、侍ジャパンが勢いづいた。

写真提供=Getty Images

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第1打席で井端監督の要望に応える長打力を披露

 井端弘和監督が率いる野球日本代表「侍ジャパン」は5日、「ラグザス 侍ジャパンシリーズ2025 日本vsオランダ」に5-0で勝利した。初選出となった水谷瞬外野手(北海道日本ハム)が初回に先頭打者アーチを描き、舞台となった京セラドーム大阪は大興奮。“新星”の華々しい登場で、侍ジャパンが勢いづいた。

 衝撃のデビューとなった。今回が代表デビューとなった水谷選手は「1番・DH」でスタメン起用されると、いきなり第1打席で快音を響かせた。

「1番で使っていただいた。チームに勢いを持ってこられる打席にしようと思っていました」

 一瞬の静寂が歓声に変わる頃、水谷選手は右拳を高々と突き上げた。1ストライクからの2球目148キロのストレートを強振すると、白球はバックスクリーン左に飛び込んだ。代表初舞台にも「シンプルな考えで。チャンスのボールを1球で捉えようと準備していました」と頬を緩めた。

 指揮官が“注文通り”の一撃だった。井端監督は前日4日の記者会見で「スピードのある選手もいますし、長打が打てるバッターも半分以上、揃えたつもりでいます。その辺を見ていただければいいかなと思います」と長打力への注目を促していた。


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井端監督が侍ジャパンに長打力を求める理由とは…

 試合後、指揮官は「いきなり『よーいどん』で1点取れた。そうなると試合展開は楽になる。次の得点(6回)も(万波中正外野手の)二塁打から。(長打は)非常に有効。1本でも多く出てくれたら」と笑顔を見せた。

「長打力」を重視する、明確な理由がある。

「前回大会を見ても勝ち上がっていくにつれて、なかなか連打は望めない状況があった。準決勝、決勝はホームランでの得点しかほとんどなかったという点では、優勝する上でホームランは必要不可欠。1人でも多く、長打を期待できる選手が出てくればうれしいです」

 今大会は選出28人中20人が初めての代表入り。真新しい顔ぶれとなったのは、来年3月に行われる「WORLD BASEBALL CLASSIC™」(WBC)での2大会連続世界一を見据えたものだ。井端監督は「1年後にWBCがあります。この強化試合、11月の強化試合の2回しかない。選手にはいいパフォーマンスを見せてもらえれば」と奮起を促す。

 好アピールに成功した水谷選手は「まだまだ力不足な選手なので。しっかり結果を出せたのはよかった。さらにレベルアップ、成長して、(WBCメンバー選出時に)『どうだ!』というところに到達していればいいのかなと思います」と気を引き締める。

現役ドラフトを経験 侍ジャパンは「2年前だったら考えられなかった舞台」

 水谷選手は2018年ドラフト5位で福岡ソフトバンクに入団。ファームでの下積みが長く1軍出場がないまま、2023年12月の現役ドラフトで北海道日本ハムに移籍した。昨季は97試合で打率.287、9本塁打、39打点をマークし、交流戦では歴代最高打率の.438でMVPを受賞するなど大ブレイクした。

 お立ち台に上がり、フラッシュライトを浴びた水谷選手は言う。

「2年前だったら考えられなかった舞台。ここまで支えていただいた方々に感謝しつつ、頑張っていけたらなと思っています」

 どんな時も、夢を諦めない。

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