ドラフト指名された17人の侍ジャパン経験者たち トップチームを知る大学生4人は1位指名

2024.11.11

横浜DeNAが26年ぶり3度目の日本一となった「SMBC 日本シリーズ2024」の開幕直前、123人の若者がプロ野球入りの切符を手にした。10月24日に行われた「プロ野球ドラフト会議 supported by リポビタンD」で指名を受けたのは、支配下選手として69人、育成選手として54人。その中には、これまで野球日本代表「侍ジャパン」として戦った経験を持つ17人も含まれていた。

写真提供=Getty Images

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支配下選手69人、育成選手54人がプロ入りの切符を掴む

 横浜DeNAが26年ぶり3度目の日本一となった「SMBC 日本シリーズ2024」の開幕直前、123人の若者がプロ野球入りの切符を手にした。10月24日に行われた「プロ野球ドラフト会議 supported by リポビタンD」で指名を受けたのは、支配下選手として69人、育成選手として54人。その中には、これまで野球日本代表「侍ジャパン」として戦った経験を持つ17人も含まれていた。

 今年大きな注目を集めたのが、大学生ながら侍ジャパンのトップチーム入りを果たした4人だった。今年3月の「カーネクスト 侍ジャパンシリーズ2024 日本vs欧州代表」に臨んだ井端弘和監督は、若手中心のチームを結成。選出された28人の中には、金丸夢斗投手(関西大)、中村優斗投手(愛知工業大)、宗山塁内野手(明治大)、西川史礁外野手(青山学院大)も名を連ねた。

 残念ながら宗山選手は怪我で出場は叶わなかったが、3人はいずれもプロに負けず劣らずの大活躍。井端監督の抜擢に応えてみせた。その中でも鮮烈なデビューを果たしたのが西川選手だった。第1戦では途中出場ながら適時二塁打を含む2打数2安打と打撃で魅せ、先発した第2戦には華麗なダイビングキャッチを披露。大学代表でも「第43回プラハベースボールウィーク」と「第31回ハーレムベースボールウィーク」全11試合でヒットを放ち、全勝優勝に大きく貢献した。

最多5球団が指名した宗山は東北楽天が交渉権獲得

 西川選手は千葉ロッテとオリックスの2球団が1位指名したが、抽選の結果、千葉ロッテが交渉権を獲得。それを上回る5球団から1位指名を受けたのが、宗山選手だった。福岡ソフトバンク、北海道日本ハム、広島東洋、東北楽天、埼玉西武から1位指名されるも、東北楽天が交渉権を獲得。2年生から大学代表に選ばれてきた内野手は、指名直後の会見で「3月にトップチームでプロの選手たちのプレーを感じられたことは、非常に自分としては大きな経験だった」と話し、プロでの活躍を誓った。

 宗山選手に続く、4球団から1位指名を受けたのが金丸投手だ。読売、阪神、横浜DeNA、中日とセ・リーグに高く評価された左腕は、欧州戦では第2戦に先発して2イニングを無安打4奪三振無失点。堂々たるマウンド捌きで、交渉権を引き当てた中日の井上一樹新監督が渾身のガッツボーズを見せたのも無理はない。

 欧州戦では第2戦に金丸投手からバトンを継いだ中村投手は、東京ヤクルトが単独1位指名した。1イニングを3者凡退で締めた右腕は今夏、大学代表にも選ばれ、欧州遠征では中継ぎ、先発と獅子奮迅の働きをした。

 その他、広島東洋に1位指名された佐々木泰内野手(青山学院大)も3年生だった2023年に大学代表入り。横浜DeNA2位の篠木健太郎投手(法政大)、オリックス2位の寺西成騎投手(日本体育大)、埼玉西武2位の渡部聖弥外野手(大阪商業大)、東北楽天5位の吉納翼外野手(早稲田大)、北海道日本ハム5位の山縣秀内野手(早稲田大)も大学代表として侍ジャパンのユニホームに袖を通した。


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読売1位の石塚はU18アジア選手権の全6戦で4番打者

 今年のU-18代表メンバーで最も高い評価を受けたのが、読売1位の石塚裕惺内野手(花咲徳栄高)だ。高校通算26本塁打を記録する走攻守の3拍子が揃った遊撃手。今夏の「第13回 BFA U18アジア選手権」では全6試合で4番打者を任され、通算打率.294を記録した。

 準優勝した同大会で投手陣を支えたのが、阪神2位の今朝丸裕喜投手(報徳学園高)、北海道日本ハム2位の藤田琉生投手(東海大相模高)、千葉ロッテ4位の坂井遼投手(関東第一高)だ。

 藤田投手はスーパーラウンド初戦のチャイニーズ・タイペイ戦に先発し、4回2/3を無失点。2番手としてマウンドに上がった坂井投手は味方が挙げた貴重な1点を守り抜き、1-0の勝利をたぐり寄せた。今朝丸投手は連投で先発マウンドに上がった決勝戦で、韓国打線に2失点を喫したものの、150キロを超える直球と制球の良さで存在感を示した。

宇野、山城、寺西らU-12、U-15代表経験者もプロの道へ

 福岡ソフトバンク4位の宇野真仁朗内野手(早稲田実業高)も同じく準優勝メンバーで、一塁手として全6戦に先発フル出場。7打点を挙げて国際大会での勝負強さを発揮したが、2018年にはU-12代表として同じく台湾で開催された「第10回 BFA U12アジア選手権」に出場している。

 その他、オリックス6位の片山楽生投手(NTT東日本)は社会人代表として2023年「第19回アジア競技大会」に出場。北海道日本ハム6位の山城航太郎投手(法政大)は2017年にU-15代表に選ばれ、オリックス2位の寺西投手と一緒に「第9回 BFA U15アジア選手権」に出場した経験を持つ。

 この17選手が侍ジャパンとして味わった国際大会独特の緊張感や高揚感、そして代表としての誇りは、ここに至るまでの大きな原動力になったことだろう。このかけがえない財産を生かしながらプロの世界でも活躍し、いつの日かトップチームのメンバーとして日本球界を牽引する存在となることを期待しよう。

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