侍6投手が“完全試合”リレー、関西大・金丸が口火切る好投…大学生が連日の活躍

野球日本代表「侍ジャパン」は6日、京セラドーム大阪で行われた「カーネクスト 侍ジャパンシリーズ2024 日本vs欧州代表」に臨み、2-0で勝利。投げては先発の金丸夢斗投手（関西大）から種市篤暉投手（千葉ロッテ）まで6人の投手が1人の走者も出さない、継投による“完全試合”を達成した。

先発した関西大・金丸は151キロ計測など2回を4奪三振

　野球日本代表「侍ジャパン」は6日、京セラドーム大阪で行われた「カーネクスト 侍ジャパンシリーズ2024 日本vs欧州代表」に臨み、2-0で勝利。投げては先発の金丸夢斗投手（関西大）から種市篤暉投手（千葉ロッテ）まで6人の投手が1人の走者も出さない、継投による“完全試合”を達成した。

「どのピッチャーもすごく成功できた。自分に有利なカウントに持ち込んで、決め球を投げられるところは素晴らしい。ストレートに強い打者があれだけいる中で、しっかり投げ込めたというところでは、こちらが思っていた以上の仕事をしてくれたと思います」　

　試合後の井端弘和監督は盤石の投球を披露した投手陣に敬意を示した。大記録への口火を切ったのは大学生の金丸投手だった。初回、先頭打者のデラノ・セラサ外野手への第1球でいきなり150キロをマークし、場内をどよめかせるなど空振り三振でスタートした。

　次打者も連続三振に仕留めると3番アレックス・リディ内野手の打席では151キロを計測するなど、三ゴロで3者凡退と文句なしの立ち上がりを見せた。2回も打者3人を封じ「たくさんの人に見られながら、自分の投球ができてよかったです。ストレートの制球力と変化球も全体的によかったので抑えることができました」と語った。

もう1人の大学生、愛知工業大・中村は自己最速タイの157キロ

　金丸投手の好投に刺激されたのか、もう1人の大学生・中村優斗投手（愛知工業大）は3回のマウンドを引き継ぐと先頭打者を155キロ、156キロの2球で二ゴロに。次打者の初球では157キロを表示させ、スタンドをざわつかせるなど、1回を1奪三振の無失点で切り抜けると「後ろで守っている方々がいつもテレビで見ている選手たちだったので思いっきり投げることができました」と笑顔を見せた。

　4回は松山晋也投手（中日）が「金丸君と中村君がすごいピッチングをしたので、僕も負けないようにと思ってマウンドに立ちました」と11球で3アウト。5回を任された渡辺翔太投手（東北楽天）は「スリーボールになった瞬間にやばいと思いましたが、とにかく真っ直ぐで押すことができてよかったです」とお立ち台から笑った。

写真提供＝Getty Images

埼玉西武・隅田は3者連続3球三振の離れ技も…完全リレーには「全く気づかなくて」

　6回から5番手の隅田知一郎投手（埼玉西武）も圧巻の投球だった。得意の鋭く落ちるチェンジアップが相手打者を翻弄。7番から3者連続3球三振という離れ技を披露すると、7回も3者凡退で投げ終えた。

「全く気付かなくて、投げ終わってベンチに戻ったらみんなが騒いでいたので、完全試合なんだっていう感じになりました。自分の思ったところに制球できたのがよかったです」。まさかの“完全リレー”に気付いていなかった中でのマウンドだった。

　最後は種市投手が8、9回を締めた。特に重圧がかかったであろう最終回は3者連続三振斬り。大記録が達成されると京セラドーム大阪は大歓声に包まれ、選手らもハイタッチで喜びを分かち合った。全6投手で計15三振を奪う無双ぶりだった

11月「プレミア12」の選手選考に井端監督「悩ませてくれるとありがたい」

　侍デビューを果たした金丸選手を援護したのは、同じく侍デビューとなった山本祐大捕手（横浜DeNA）だった。2回に相手の失策などで作った1死一、三塁の好機で、中犠飛を放って先制点をもぎ取り、「ゲッツーで終わらないように考えて打席に立ちました。まずは仕事ができてホッとしました」と胸を撫で下ろした。

　6日の試合で2打数2安打1打点と活躍し、この日は「1番・中堅」でフル出場を果たした西川史礁（みしょう）外野手（青山学院大）は、7回の守備でファンを魅了した。先頭打者の左中間への当たりをダイビングキャッチ。「先頭打者を絶対に出したくなかったので思い切り前に突っ込みました。アウトになってよかったです」。超美技で完全試合を演出した。

　8回にも好機から相手の失策で2点目を奪った侍ジャパンは2連勝で今シリーズを終えた。次なる目標は今年11月に開催される「ラグザス presents 第3回WBSCプレミア12」となる。

「実績のある選手もいますし、若い選手もどんどん出てきている。この1年間、まずは怪我なくレギュラーシーズンを乗り切ってもらって、こちらを非常に悩ませてくれるとありがたいと思います」

　井端監督にとっても秋へ向けた収穫の多い2試合となった。

記事提供＝Full-Count
写真提供＝Getty Images