女子代表が「磨いて輝く」野球で大会35連勝 2024年ワールドカップで7連覇に挑戦

2023.9.25

9月13日から5日間の日程で「カーネクストpresents 第9回WBSC女子野球ワールドカップ・グループB」が開催され、野球日本代表「侍ジャパン」女子代表は5戦全勝でファイナルステージへの進出を決めた。5試合のうち3試合が2点差以内の接戦となるなど世界のレベルアップを体感しながらも、2024年にカナダ・サンダーベイで開催されるファイナルステージでの大会7連覇達成に向け、一歩近づいた。

写真提供=Getty Images

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広島・三次で第9回WBSC女子野球ワールドカップ・グループBを開催

 9月13日から5日間の日程で「カーネクストpresents 第9回WBSC女子野球ワールドカップ・グループB」が開催され、野球日本代表「侍ジャパン」女子代表は5戦全勝でファイナルステージへの進出を決めた。5試合のうち3試合が2点差以内の接戦となるなど世界のレベルアップを体感しながらも、2024年にカナダ・サンダーベイで開催されるファイナルステージでの大会7連覇達成に向け、一歩近づいた。

 2014年の第6回大会以来となる日本開催となった本大会。舞台となった広島・三次きんさいスタジアムには連日、数多くの観客が集まった。グループBに組み分けられたのは、日本、チャイニーズ・タイペイ、ベネズエラ、プエルトリコ、キューバ、フランスの6チーム。総当たり戦の結果、上位3チームがファイナルステージへの出場権を得られる。

 日本はまず初戦でプエルトリコと対戦。先発マウンドを任された小野寺佳奈投手(読売ジャイアンツ)は2回まで走者を出しながらも無失点に抑えたが、3回に連続四球とタイムリーなどで2点の先制を許してしまった。打線も3回まで無安打に抑えられたが、4回にベテランの川端友紀内野手(九州ハニーズ)が流れを変えた。1死からライト前にチーム初安打を放つと、ここから4連打。さらに岩見香枝内野手がスクイズを決めるなど、一気に4点を挙げて逆転に成功した。小野寺投手は5回から9者連続凡退を好投し、初戦を白星で飾った。

 第2戦はグループBで唯一欧州からの参加となったフランスと対戦。初回に6点を先制して流れを引き寄せると、毎回得点を重ねて20-1(5回コールド)と圧勝した。

第3戦のベネズエラ戦では3点差を返して劇的サヨナラ勝利

 日本にとって最大のヤマ場となったのは、第3戦のベネズエラ戦だった。2回に出口彩香内野手(埼玉西武ライオンズ・レディース)のタイムリーで1点を先制したが、直後の3回に先発・田中露朝投手(ZENKO BEAMS)が1死から崩れた。2四死球からセンターへ同点タイムリーを許すと、2死後に2連打で4点を献上し、3点を追う形となった。3回裏に1点を返した日本は、5回に川端選手の一塁強襲タイムリーと楢岡美和外野手(九州ハニーズ)のスクイズで同点に追いついた。

 マウンド上では田中投手が4回と5回を無失点に抑えると、6回からは3大会連続MVPのベテラン・里綾実投手(埼玉西武ライオンズ・レディース)が登板。打者6人を連続凡退に仕留めると、打線が呼応した。7回に先頭打者の三浦伊織外野手(阪神タイガースWomen)が内野安打で出塁すると、四球と安打などで2死満塁のサヨナラ機が生まれる。ここで打席に立った途中出場の英菜々子捕手(埼玉西武ライオンズ・レディース)が2ストライクからセンター前へサヨナラ打。日本は苦しみながらも勝ち星を挙げ、本大会での連勝記録を33に伸ばした。

5戦全勝でグループB1位通過、2024年ファイナルステージはカナダで開催

 第4戦のチャイニーズ・タイペイ戦は3勝同士の無敗対決となった。初戦に続いて先発した小野寺投手が快投を披露し、4安打無四球6奪三振で7回を無失点に抑えると、打っては好調が続く川端選手のタイムリーなどで2点を挙げて完封勝利。これで3位以上が確定した日本は最終戦を待たずして、2024年に開催されるファイナルステージへの進出を決めた。

 キューバと対戦した最終戦は、日本が初回に3点を先制。3回にも4点を挙げるなど、6回までに大量10得点を重ねた。投げては、先発の田中投手が3回を1安打無失点に抑えて、ベネズエラ戦での悔しさを晴らす好投を見せると、5回からは再び里投手が2イニングを打者6人で終わらせる好救援。10-0で6回コールド勝ちとし、5戦全勝でグループ1位通過を決めた。

 今大会、中島梨紗監督がテーマとして掲げていたのが「磨いて輝く」という言葉だ。コロナ禍の影響により2018年以来国際大会が開催されていなかったこと、世界で女子野球の競技人口が増えて他チームのレベルが上がってきたことなどもあり、日本は苦戦を強いられる場面もあったが、試合を重ねるに連れてプレーの質が高まり、チームとして輝きを増した。大会での連勝記録を35に伸ばして出場権を掴んだファイナルステージでは、大会7連覇に挑む。

 グループBからは日本に加え、ベネズエラとチャイニーズ・タイペイがファイナルステージに進出。グループAでは米国、カナダ、メキシコが突破を決めた。2024年7月28日からカナダ・サンダーベイで開催されるファイナルステージ。今大会を通じて得た収穫と課題と向き合いながら、7連覇という大きな目標の達成に向けた準備を進めていく。

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