牧田和久×トクサンのWBC特別対談! 侍ジャパンに太鼓判「いつも通りで優勝できる」

2023.3.19

開催中の「2023 WORLD BASEBALL CLASSIC™(以下WBC)」で野球日本代表「侍ジャパン」の快進撃が止まらない。「カーネクスト 2023 WBC™ 1次ラウンド 東京プール」を4戦全勝で通過すると、イタリアと対戦した「同 準々決勝ラウンド 東京プール」も9-3と快勝。準決勝と決勝の舞台となるマイアミ(米国)に旅立った。

写真提供=Full-Count

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“同級生”コンビが侍ジャパンを熱く語るスペシャル企画

 開催中の「2023 WORLD BASEBALL CLASSIC™(以下WBC)」で野球日本代表「侍ジャパン」の快進撃が止まらない。「カーネクスト 2023 WBC™ 1次ラウンド 東京プール」を4戦全勝で通過すると、イタリアと対戦した「同 準々決勝ラウンド 東京プール」も9-3と快勝。準決勝と決勝の舞台となるマイアミ(米国)に旅立った。

 3大会ぶりの世界一まで、あと2勝と迫った侍ジャパンに大きなエールを送る人物がいる。2013年と17年の第3・4回WBCに出場したサブマリン右腕・牧田和久氏(元埼玉西武・東北楽天)と人気YouTubeチャンネル「トクサンTV」のトクサンだ。同い年で大学時代には対戦経験もあるという2人が今回、スペシャル対談に登場。侍ジャパンの東京プールを振り返りながら、悲願の優勝に向けてエールを送った。

◇◇◇◇◇

――東京プールの5戦で印象深かった選手・場面などを教えて下さい。

牧田:僕はやっぱりヌートバー選手ですね。彼が加わり雰囲気がガラッと変わった。打撃だけではなく、守備で見せた2つのファインプレー。特に韓国戦は打球が抜けていたら、どんな展開になっていたか分かりません。

トクサン:打席では中国との初戦、1番打者としてヨーイドンで初球をヒット。あれで一気にファンの心を掴みましたよね。これまで日本にもアグレッシブな選手はいましたが、あそこまでウワ~!と感情を爆発させる選手はいなかった。今の時代には新鮮に映りました。

牧田:日本人は少し内気で、あそこまではなかなかできません(笑)。ただ、準々決勝で大谷選手が、日本では見なかった仕草を見せました。マウンドに上がった時、相手ベンチにも審判にも挨拶するジェスチャーをしたんです。メジャーも6年目となり、米国で学んだリスペクトの心が自然と現れたんでしょうね。

トクサン:僕が印象的だったのは、イタリア戦で8回先頭のロペス選手が一度打席に入ったけれど、ダルビッシュ(有)投手がプレートを外して少し間ができた時です。改めて打席に入ったロペス選手がダルビッシュ投手を見て軽く頷くと、ダルビッシュ投手も頷き返した。この「さあ、いざ勝負!」という潔いやりとりは、日本では見られないもの。勝負だけど互いへのリスペクトがある。あの一瞬に僕はグッときて、野球本来の在り方、日本球界も大切にしたいものじゃないかと感じました。

牧田:印象深い場面は多いですね。今回の大谷選手を見ているとエンターテイナーだなと感じました。僕は米国で2年プレーしただけですが、メジャーでもマイナーでも選手はみんな、とにかく野球が好き。グラウンドにいる選手が野球を楽しんでいるから、見ているファンも楽しめる。大谷選手は東京ドームでその姿を見せてくれました。

トクサン:アニメっぽいというか表情が豊かですよね。三振しても「今のは無理」という顔をしたり、驚いてみせたり。大谷選手のようなコミカルな表情は海外イズムを感じますね。逆に、イチローさんは険しく戦う顔をし続けるのが流儀でしょうし、日本らしさがありますよね。

牧田:確かに。僕は大谷選手のように楽しむスタイルは日本に必要だと思うので、プレーはもちろん大事だけど、彼の姿に日本の選手たちが何かを感じ、採り入れてくれればと思います。そうすれば、ファンももっと野球を楽しめるようになると思うので。


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韓国戦は3回、源田の選んだ四球が逆転の起点に

――打線が機能し、1次ラウンドは4試合で38得点を記録。投げては参加20チーム最少の8失点でした。

牧田:打線のカギは、揃って5割を超える1~3番の出塁率の高さ。そして村上(宗隆)選手の調子が良くなくても、吉田(正尚)選手がちゃんと走者を返す。1番から9番までそれぞれが役割を果たす、チーム力の強さがあります。

トクサン:韓国戦では、3回の源田(壮亮)選手の四球がカギだったと思います。みんなが先発キム・グァンヒョン投手の巧みな外角の制球に手こずっていたところ、源田選手はことごとく見極めて8球目で四球。続く中村(悠平)選手も四球で無死一、二塁の得点機を作った。この後、ヌートバー選手、近藤選手、吉田選手のタイムリーで一気に4点を返して逆転。下位打線から上位へ繋ぐあの展開が「日本いけるな」と思わせてくれました。

牧田:投手陣も素晴らしい。今回はとにかく奪三振率の高い投手が揃っています。球が強くて、スプリットやフォーク系の落ちる球でバットを振らせる。僕が2019年にパドレスのマイナーにいた時、ミーティングで「メジャーで活躍する投手に共通するデータ」として教えられたのが、奪三振率・空振り率の高さでした。ボールがバットに当たると凡打以外にも安打、長打、エラーなど何かが起こるけれど、空振りは基本的に何も起きませんから。

トクサン:バットにボールが当たらなければ、打者はノーチャンスです(笑)。

牧田:ですよね。だから、ピンチの時は三振でアウトを獲れた方がいいわけです。奪三振率の高さに関係してか、今回は変則投手や技巧派がいないのも特徴。唯一、大勢投手がやや変則ですが、それでも球が強くて空振りが奪える投手です。

トクサン:東京プールは全5試合で5四球と、チーム四球数も少ないですね。

牧田:こうやって投打で日本の強さが光ったのは、少なからず東京ドームというホームの雰囲気に盛り立てられた部分はあると思います。これがマイアミで完全アウェーの中でどうなるか。

トクサン:マイアミでは鳴り物を使った応援がない分、目の肥えた観客が拍手で盛り上がってくる。あの客席からジワジワ迫る感じは日本にはないので、どう対応するのか注目したいですね。


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牧田「日本は殻を破れたら、もっと強くなれる」

牧田:WBCの面白さの1つは、イタリアが口ヒゲを生やしたり、プエルトリコが金髪にしたり、国の結束力や愛国心の強さが見えるところでもあると思います。特に中米の国はアウト1つ取るだけで、ものすごい喜び方をするんですよ。

トクサン:喜びすぎてユニホームを両手で掴んだら、ボタンが半分くらい飛んでいたベネズエラの選手がいました(笑)。ファンより選手の方が熱い印象がありますね。

牧田:どれだけ国を背負って戦っているのか。母国愛を全面に押し出しますよね。日本人は謙虚さや生真面目さ、恥ずかしさが勝ってしまうけど、その殻を破れたら、もっと強くなれるんじゃないかと思うんですよね。

トクサン:マイアミで殻を破るところが見たいですね! 準々決勝で村上選手がタイムリーを打った時、もっと盛り上がれって両手でジェスチャーをしましたが、ああいう風にどんどん気持ちを出してほしいですね。WBCはある意味お祭りですから。

牧田:その通り! 誰かが熱く感情を出すようになれば、ベンチが盛り上がって勝てる雰囲気になるし、ファンもさらに熱く盛り上がれると思います。

トクサン:僕も草野球で殻を破ってみます(笑)。


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決勝ラウンドは接戦予想、圧勝続きの日本がどう戦うか

――準決勝のキーポイントは?

トクサン:僕は少しニッチな視点ですが、いかに内野手が天然芝に対応できるか。おそらく海外の選手はバットを強振してくるので、バットの芯を外した強い打球がスライス気味にセンターに抜けたり、変な転がり方をすると思います。さらに天然芝で打球が失速したりイレギュラーしたり。人工芝と同じようにきっちり守れたら、東京ラウンドと同じムードのまま、攻撃に転じていけるんじゃないかと見ています。

牧田:大谷選手ではあると思いますが、その前を打つ近藤選手の存在は大きい。特にロースコアが予想されるので、ヌートバー選手と近藤選手、1・2番コンビの出塁率がカギになりそうです。僕が出場した2013年も17年も準決勝は接戦だったので、今回も接戦になるでしょう。ここまで圧勝続きだった日本が接戦をどう戦うか。

トクサン:圧勝と接戦では打者のアプローチや配球をいった戦術が変わりますね。

牧田:イタリア戦で守備シフトの裏を掻いた大谷選手のセーフティバントのように積極的に攻めたり、開き直って強気で投げたりした方がいいと思います。大谷選手、ダルビッシュ投手、ヌートバー選手らメジャー組のアドバイスも重要でしょう。いつも通り戦えば優勝できるメンバーですから、凱旋フィーバーを楽しみに待っていましょう。

トクサン:ぜひマイアミで殻を破って、優勝してもらいましょう!

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