栗山ジャパン、村上特大ソロなど3本塁打で初陣勝利　守備では牧の好判断で三重殺完成

野球日本代表「侍ジャパン」は5日、東京ドームで「侍ジャパン強化試合2022」侍ジャパンvs北海道日本ハムファイターズに臨み、5-4で逆転勝ちした。初回に牧秀悟内野手（横浜DeNA）が代表初打席初本塁打をマーク。さらに、1点を追う4回に森友哉捕手（埼玉西武）が逆転2ランを放つと、6回には4番・村上宗隆内野手（東京ヤクルト）のソロ本塁打が飛び出した。3本塁打を含む6安打5得点で、栗山英樹監督の初陣を白星で飾った。

初回に近本が俊足生かして先制ホーム「足を絡めた野球ができた」

　野球日本代表「侍ジャパン」は5日、東京ドームで「侍ジャパン強化試合2022」侍ジャパンvs北海道日本ハムファイターズに臨み、5-4で逆転勝ちした。初回に牧秀悟内野手（横浜DeNA）が代表初打席初本塁打をマーク。さらに、1点を追う4回に森友哉捕手（埼玉西武）が逆転2ランを放つと、6回には4番・村上宗隆内野手（東京ヤクルト）のソロ本塁打が飛び出した。3本塁打を含む6安打5得点で、栗山英樹監督の初陣を白星で飾った。

　派手な一発攻勢で勝ち切った。試合後の場内インタビュー。栗山監督はホッとした言葉とともに、今後への課題を口にした。「1つのチームの監督をやる時とは違って、打線を組む時も『点を取ってくれそうだな』と。やっぱり素晴らしい選手たちと一緒に野球をやれるのは嬉しい。ただ、大事なゲームになるほど、チームが力を出し切るのは難しいし、接戦になるというのが分かった。色々考えながらチームを作っていきたいと思います」と話し、表情を引き締めた。

　初回から積極的な攻撃を見せた。初回、先頭の近本光司外野手（阪神）が右前打で出塁。続く2番・近藤健介外野手（北海道日本ハム）の初球だった。果敢に二塁へスタートを切り、盗塁成功。さらに、相手捕手の送球エラーを誘って三塁へ進むと、このチャンスを逃さずに近藤外野手が左犠飛を放って先制点を挙げた。

　1番打者に抜擢された近本外野手は「スタートは良くなかったんですけど、（二塁へ）行けると思いました。足を絡めた野球ができた。大事な場面や難しい場面で、いかに走れるか（がカギ）」と振り返る。続く3番・牧内野手がソロ本塁打を左中間へ運び、初回に2得点と試合の主導権を掴んだ。

逆転許した直後に森の2ランで再逆転、6回には村上が右翼席へ特大ソロ

　先発の石川柊太投手（福岡ソフトバンク）は3回まで1安打無失点と好投。しかし、4回に4安打の集中打で一挙3点を奪われて逆転を許し、たちまち1点を追いかける展開となった。

　ここで奮起したのが、先発マスクを被った森捕手だった。4回1死一塁で迎えた第2打席、初球を叩いて右翼席上段へ逆転2ラン。同じポジションとして甲斐拓也捕手（福岡ソフトバンク）、中村悠平捕手（東京ヤクルト）が選出される中で、持ち味の打撃力を見せつけた。「めちゃくちゃ嬉しいですし、5番の岡本選手がいい形で繋いでくれました。いい雰囲気で打席に立つことができた。一発で仕留められたのは自信になりました」と頷いた。

　この流れに4番打者も続いた。村上内野手の本塁打が飛び出したのは6回先頭の第3打席だ。下手投げの鈴木健矢投手の4球目を振り抜くと、打球は大きな弧を描いて右翼席中段へ。昨夏の侍ジャパンでは打線下位を担ったが、今季は日本人選手最多56本塁打を放って史上最年少で3冠王を獲得。新生・栗山ジャパンの4番打者として仕事を果たした。

守りでは1点リードの8回に牧の好判断で三重殺を完成

　守りでも収穫の多い試合となった。1点差に迫られた8回無死一、二塁。バントを試みた上川畑大悟内野手の打球がフライになると、一塁を守る牧内野手が猛チャージをかけてスライディングキャッチ。飛び出していた二塁走者、一塁走者をアウトとして三重殺を完成された。牧内野手の本職は二塁で、今季は1試合も一塁を守ったことがない。咄嗟に見せた素晴らしい反応に「栗山監督から一塁でもやってほしいと言われていました。一塁では昨年やっていたので、早く実戦感覚を戻していけたら」と胸を張った。

　投げては2番手の高橋宏斗投手（中日）が3回3安打無失点。滑りやすいとされるWBC公式球へも対応した。1点リードで迎えた9回は大勢投手（読売）が最速157キロのストレートを武器に3者凡退に抑えた。クローザーを託された新人投手は「シーズンよりもちょっと緊張しました。栗山監督からは『緊張すると思うけど、いつも通り思い切ってプレーしてほしい』と言われました。期待に応える投球がしたいと思っていました」と、代表初セーブを振り返った。

　6日は東京ドームで読売と強化試合を行い、9、10日には「侍ジャパンシリーズ2022」オーストラリア第1戦、第2戦に臨む。栗山監督は「効果的な本塁打もあったが、勝ったことよりも課題が試合の中でいっぱいありました。例えば、投手はボールが滑る、緊張する中でどうコントロールしていくか。勝ち切りながら、チーム、個人の持っている課題をできる限り潰していくしかない。しっかりやります」と、6日以降の勝利を誓った。

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