日本通運野球部を2大大会で優勝へ 25歳・新主将が誓う常勝チームへの道

2021.5.10

日本通運野球部で2021年から主将を務めるのは、入社4年目の25歳、諸見里匠内野手だ。これまで6年間主将を務めた浦部剛史内野手から引き継いだ。強豪チームを率いるプレッシャーもあったが「先輩の力を借りながら、若いチームを引っ張っていきたい」と決意を新たにする。

写真提供=日本通運野球部

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入社4年目の諸見里匠選手、主将就任の打診に不安も「とにかく頑張ろうと」

 日本通運野球部で2021年から主将を務めるのは、入社4年目の25歳、諸見里匠内野手だ。これまで6年間主将を務めた浦部剛史内野手から引き継いだ。強豪チームを率いるプレッシャーもあったが「先輩の力を借りながら、若いチームを引っ張っていきたい」と決意を新たにする。

「監督にキャプテンの話をいただいた時は、まだ早いんじゃないかなと思って『自分で大丈夫なんですか?』と確認しました。日本通運は、都市対抗野球、社会人野球日本選手権の2大大会に出場することが当たり前のようなチーム。そんなチームのキャプテンを務めることは、最初は不安でした。でも、自分を指名してくれた嬉しさも大きく、チームを勝たせたいという気持ちになりました。とにかく頑張ろうと思いました」

部員の約半数が年下という若いチーム「グラウンドに立てば上下関係はない」

 チームの約半数が自身よりも年下の若いチームだ。自らは「勝ちたい」という気持ちが大きく、入部以来ミーティングでなるべく発言をしてきた。その経験も踏まえ、若い選手が意見しやすく、のびのびプレーして力を発揮できる環境があれば、チームはいい方向へ進むと考えている。

「野球をやっている以上、グラウンドに立てば上下関係はない、と伝えています。若手が思ったことを発言していけば、チームはもっとフレッシュになる。それぞれの選手のポテンシャルは高い。試合前には『気負うことはないから、自分の思うようにやれよ』と声を掛けています。若い選手がミスを恐れずにプレーして、中堅、ベテランの選手がフォローしていけば、もっと勝てるチームになると思います」

チームに浸透させたい勝利へのこだわり「大切なのは、全員が勝ちたいという欲を出すこと」

 昨年は、新型コロナウイルス感染拡大の影響で社会人野球日本選手権(以下、日本選手権)が中止、都市対抗野球は1回戦で敗退と悔しいシーズンを送った。主将として臨む今シーズンも、コロナ禍により例年2月に行われる沖縄・宮古島キャンプの舞台を浦和グラウンドに移すなど、異例のスタートになった。それでも、チームスタッフと相談しながら夜間練習を取り入れるなどして、内容の濃い練習ができたと振り返る。その力が試された4月の第43回JABA日立市長杯選抜野球大会では11大会ぶりに優勝。6月に開催される日本選手権の出場権を獲得した。

「優勝できたことは嬉しかったですが、気が抜けてしまうとチームは簡単に弱くなる。もう1回、気を引き締めて練習をやっていこうと話をしました。去年の都市対抗予選、第1代表決定戦のHonda戦は試合後半で逆転負け。都市対抗には第2代表で出場できましたが、初戦のHonda熊本戦でサヨナラ負けを喫しました。社会人野球の主な大会はトーナメント制なので、負けたら終わり。なので、試合の内容にはこだわりません。大切なのは、全員が勝ちたいという欲を出すこと。そして、ゲームセットがかかるまで1球を大事にすることだと思います」

目指す2大大会での優勝「チーム一丸となって優勝を目指したい」

 日本選手権の出場権を獲得し、少しほっとしたと話すが、そこがゴールではない。目標は1994年以来の日本選手権、そして1964年以来の都市対抗野球の優勝だ。

「キャプテンになってからは、結果が出るとすごく嬉しいです。勝利を重ねていけば『日通は強いぞ』と思ってもらえる。スタッフも若いので、選手との会話も増えています。チーム一丸となって優勝を目指したいと思っています」

 25歳の新主将は「勝ち続けられるチームが、強いチームだと思う」と話す。先行きの見えない状況が続くが、試行錯誤しながらベテランと若い選手の力を融合させ、常勝チームを作り上げていく。

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写真提供=日本通運野球部

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