ついに2021年シーズンがスタート 栄えあるNPB開幕スタメンを飾った侍戦士たち
本州では桜が見頃だった3月26日、日本プロ野球(NPB)の2021年シーズンが開幕した。前年は新型コロナウイルス感染症の影響により開幕が約3か月遅れ、シーズンは120試合に短縮。当初は無観客で試合が実施されるなど、異例ずくめのシーズンとなった。それだけに、例年通り3月に行われた今季開幕を待ちわびたファンも多かったことだろう。
写真提供=Full-Count
「侍ジャパン」が正式発足以来、トップチーム経験者は46選手
本州では桜が見頃だった3月26日、日本プロ野球(NPB)の2021年シーズンが開幕した。前年は新型コロナウイルス感染症の影響により開幕が約3か月遅れ、シーズンは120試合に短縮。当初は無観客で試合が実施されるなど、異例ずくめのシーズンとなった。それだけに、例年通り3月に行われた今季開幕を待ちわびたファンも多かったことだろう。
もちろん、選手にとっても、半年以上の長い戦いの始まりを告げる開幕は特別だ。若手選手にとって「開幕1軍入り」は大きな目標となり、「開幕スタメン」「開幕投手」に名を連ねることは、1軍で実力を認められた証とも言える。セ・パ両リーグあわせて114人しか体験できない「開幕スタメン」は、言い換えれば、NPBで今をときめくトップ選手の紳士録でもある。
トップ選手が集う場所がもう一つある。それが野球日本代表「侍ジャパン」だ。トップチームを筆頭に、社会人、U-23/21、大学、U-18、U-15、U-12、女子の各カテゴリーの代表チームが同じユニホームを着用し、「侍ジャパン」として統轄されたのが2013年7月のこと。以来、トップチームを常設したり、カテゴリーの壁を越えた普及・育成に努めたり、“野球大国”日本にふさわしい活動を続けてきた。
日本シリーズ4連覇中の福岡ソフトバンクは開幕スタメン全てが代表経験者
それでは華々しくNPBの今季スタメンを飾った選手の中に、侍ジャパン経験者はどのくらいいるのだろうか。
両リーグの開幕スタメン、計114選手を見てみると、「侍ジャパン」が正式スタートした2013年7月以降、トップチームの一員として国際舞台で戦った選手が46名含まれている。
特筆すべきは、日本シリーズ4連覇中の福岡ソフトバンクだろう。開幕戦に先発した野手9人のうち、松田宣浩内野手、今宮健太内野手、周東佑京内野手、柳田悠岐外野手、中村晃外野手、甲斐拓也捕手の6選手がトップチームを経験。残る3選手も、ジュリスベル・グラシアル内野手とアルフレド・デスパイネ外野手はキューバ代表で、栗原陵矢捕手はU-18代表で主将を務めるなど、9人の野手すべてが代表経験を持つ。
セ・リーグでトップチーム経験者が多いのは、6選手ずつを擁する広島東洋と東京ヤクルトだ。広島東洋では、田中広輔内野手、菊池涼介内野手、西川龍馬外野手、鈴木誠也外野手、會澤翼捕手、大瀬良大地投手といったリーグ3連覇に貢献した中堅選手がズラリ。東京ヤクルトは、内川聖一内野手、青木宣親外野手の両ベテランに加え、山田哲人内野手、中村悠平捕手、小川泰弘投手、さらには若き主砲・村上宗隆内野手と幅広い年齢層がトップチームで世界を味わった。
セ・リーグでは開幕投手6人のうち5人が侍ジャパンのマウンドを経験
また、セ・リーグ6球団の開幕投手を見てみると、菅野智之投手(読売)、藤浪晋太郎投手(阪神)、浜口遥大投手(横浜DeNA)、大瀬良投手、小川投手の5投手が「侍ジャパン」のマウンドを経験。一方のパ・リーグは上沢直之投手(北海道日本ハム)と山本由伸投手(オリックス)の2人だが、涌井秀章投手(東北楽天)も「侍ジャパン」創設直前の2013年に日本代表として「第2回ワールド・ベースボール・クラシック™」を戦っている。
その他、2013年7月以降の各カテゴリー代表経験者を見てみると、社会人代表は6人、U-21代表は6人、大学代表は9人、U-18代表は5人が開幕スタメン入り。「侍ジャパン」が正式発足する前に代表経験を持つ、鳥谷敬内野手(千葉ロッテ)らベテランも名を連ねた。
日本球界の“顔”とも言える「侍ジャパン」経験者が、今季のNPB開幕スタメンで約半数を占めたのは、決して偶然の一致ではないだろう。また、社会人、大学、U-18とアマチュア時代に代表入りした選手たちも、プロ入り後に存在感を光らせている。各カテゴリーのトップに位置する「侍ジャパン」で視野を広げ、経験を深めた選手たちが、NPBをよりエキサイティングで見応えのある野球へと進化させている。
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