「現役引退まで必要とされる選手でいたい」 秋山翔吾が抱く侍ジャパンへの熱い思い

2020.12.7

日本中を熱狂させた昨年の「第2回 WBSC プレミア12」(以下、プレミア12)。稲葉篤紀監督率いる野球日本代表「侍ジャパン」は、決勝で宿敵の韓国など並み居る強豪を破り、世界一に立った。この「プレミア12」でベンチ裏、スタンドから熱い視線を送っていたのが、今季から米シンシナティ・レッズでプレーする秋山翔吾外野手(当時・埼玉西武)だった。

写真提供=Full-Count

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昨秋の「プレミア12」は出場辞退も球場で応援「チームのためにできることは何でもやりたい」

 日本中を熱狂させた昨年の「第2回 WBSC プレミア12」(以下、プレミア12)。稲葉篤紀監督率いる野球日本代表「侍ジャパン」は、決勝で宿敵の韓国など並み居る強豪を破り、世界一に立った。

 この「プレミア12」でベンチ裏、スタンドから熱い視線を送っていたのが、今季から米シンシナティ・レッズでプレーする秋山翔吾外野手(当時・埼玉西武)だった。2次合宿中だった昨年10月31日の「ENEOS 侍ジャパンシリーズ2019」カナダ戦で死球を受け、右足薬指を骨折して出場を辞退。それでも「チームのためにできることは何でもやりたい」と、試合会場となったZOZOマリンスタジアム、東京ドームへ。代表メンバーが着用する背番号入りのパーカー姿で連日応援した。

「チームの選手として選んでもらった以上、チームの一員であり続けたかったというところです。自己満足ですけど、テレビ越し(の応援)では何も伝わらない。やれるだけのことはしたかったので」

日本でたった1つの代表チーム「本当に一流選手が集まる場所」

 2010年ドラフト3位で埼玉西武入り。1年目から着実にプロのキャリアを積んだ。2012年に侍ジャパンが常設化されると、代表メンバーに入ることが目標となった。

「僕自身、オールスターでもワクワクしていた記憶があります。それが真の実力で、(各リーグから)1チーム(分)しか選ばれない。テレビゲームや世間話の中で、自分の中で球界のベストナインを想像するじゃないですか? 今もそういうのがあると思うんですけど、本当に一流選手が集まるチームだと思っていましたね」

 プロ2年目の2012年11月に行われたキューバ代表との国際親善試合「侍ジャパンマッチ2012」で初めて代表入り。2015年には216安打を放ってシーズン最多安打記録を樹立し、球界を代表する選手となった。気が付けば、毎年のように代表選手に選ばれることがプロ野球選手としてのモチベーションとなった。

「(メンバー選考で)自分の位置を把握するというか、周りからこういう風に見られてるんだな、というのが分かる。(メンバーから外れたら)他の選手より劣っていると思われることに悔しさを覚えると思います。もちろん、侍ジャパンに入った喜びもありますが、それ以上に外れた時は喪失感や力のなさを感じるだろうな、と想像しています。そうならないようにプレーしようという思いが強くなりましたね」

米レッズ入り後も変わらぬ思い「どんな状況でも声のかかる成績、人間でいたい」

 2015年の「第1回 WBSC プレミア12」で3位に入り、2017年の「第4回ワールド・ベースボール・クラシック™」ではベスト4に進出。いずれも主力選手として貢献した。「レギュラーシーズンとは違います。1つの負けで取り返しがつかなくなる。そういうのが(日の丸の)重みかなと思います」という侍ジャパンへの思いは、レッズ入りした今も変わらない。

「何人かは必ず入っている選手がいる。いつもメンバーに入ることに喜びと責任を感じるようになりました。現役引退するまでトップチームで必要とされる選手でいたいモチベーションは、ここ何年かあります。どんな状況でも声のかかる成績、人間ではいたいな、と思っています」

 日本野球のトップ、侍ジャパンのメンバーであり続けたい。その思いが、プロ野球選手・秋山翔吾を支えている。

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