稲葉監督と井端コーチが小学生103人に熱血指導 「日本通運×侍ジャパン 野球教室」開催

2019.11.29

野球日本代表「侍ジャパン」トップチームの稲葉篤紀監督、井端弘和内野守備・走塁コーチが23日、NITTSU浦和ボールパークで行われた「日本通運×侍ジャパン 野球教室」に参加し、集まった小学生103人に打撃、守備などの指導をした。当日は、今年の社会人野球日本選手権でベスト8入りした日本通運野球部の選手・コーチングスタッフ33名もコーチとして参加。あいにくの雨天により室内練習場での開催となったが、子供たちの熱気と元気な声に沸いた約3時間となった。

写真提供=Full-Count

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稲葉監督「プレミア12で世界一になれたのは、皆さんの応援のおかげ」

 野球日本代表「侍ジャパン」トップチームの稲葉篤紀監督、井端弘和内野守備・走塁コーチが23日、NITTSU浦和ボールパークで行われた「日本通運×侍ジャパン 野球教室」に参加し、集まった小学生103人に打撃、守備などの指導をした。当日は、今年の社会人野球日本選手権でベスト8入りした日本通運野球部の選手・コーチングスタッフ33名もコーチとして参加。あいにくの雨天により室内練習場での開催となったが、子供たちの熱気と元気な声に沸いた約3時間となった。

 稲葉監督率いる侍ジャパンは、わずか6日前に「第2回 WBSC プレミア12」で大会初優勝を飾り、10年ぶりに世界の頂点に立ったばかり。優勝の興奮と感動が冷めやらぬうちの野球教室開催とあって、参加した子供たちは開会前から待ちきれない様子だった。ストライプのユニホームに身を包んだ稲葉監督と井端コーチが登場すると、子供たちは拍手で歓迎。「プレミア12で世界一になれたのは、皆さんの応援のおかげ。感謝の気持ちを込めて、今日は頑張りたいと思います」という稲葉監督の挨拶と共に、待ちに待った野球教室がスタートした。

 前日から降り続く雨のため、この日の舞台となったのは室内練習場。子供たちは4つのグループに分かれ、稲葉監督が担当するティー打撃、井端コーチが担当する守備、そして日本通運野球部の選手たちが担当するピッチングの各ポジションを20分毎に回る形式で進められた。子供たちのパフォーマンスを見る稲葉監督と井端コーチの目は真剣そのもの。稲葉監督は「いいね、ナイス!」と声を掛けながら、時には身振り手振りを交えてスイングを指導。井端コーチは捕球した後のステップや捕球体勢などを自ら実演しながら、子供たちに分かりやすく伝えた。アドバイスを受けた子供たちは、一言も聞き逃さないように熱心に耳を傾けていた。

 日本通運野球部のメンバーも、ティー打撃や守備、ピッチングの指導を行った。ティー打撃では「こうしてみたら?」と、バットを振り出す前のトップの位置や体重の掛け方などのアドバイスを送る場面も。言葉通りに実践し、打球が今までと違う弾道を描くと、子供たちはうれしそうに目を輝かせた。守備では日本通運の選手たちが投げてくれるボールを、子供たちがダイビングジャンプで果敢に捕球に挑む姿も見られた。楽しそうにボールを追いかける子供たちに刺激を受けたのか、日本通運のメンバーの顔にも生き生きとした表情が浮かんだ。

子供の頃の井端コーチは「毎日ボールとバットは手に握っていました」

 野球教室の後に行われたトークショーでは、まずは稲葉監督が「今日、子供たちは非常に上手でした。プレミア12が終わったばかりで野球熱がある中、真剣に取り組んでくれました」と笑顔を見せると、続いて井端コーチは「アドバイスを伝えた時の反応が良かった。素直に取り入れてくれました。今日のように素直に実践してくれたら上達すると思います」とエールを送った。司会者から「子供の頃はどんな野球少年でしたか?」と問われると、稲葉監督は「自宅から3キロほど離れた場所にあるバッティングセンターに父と通って、そこで打った後は家まで走って帰っていました。父が仕事の日は家で素振りをして、近所を走っていました。毎日継続するのは難しかったですが、プロ野球選手になりたいという思いの強さが支えてくれました」とエピソードを披露。井端コーチは「毎日ボールとバットは手に握っていました。365日、毎日これを積み重ねていました」と、継続する力の大切さを伝えた。

 プレミア12決勝戦で山田哲人内野手(東京ヤクルト)が2回に逆転ホームランを打った時の心境を聞かれると、大きな笑顔を浮かべながら「大至急、抱きしめてあげたくなりました。早い段階での逆転というだけではなく、哲人も慣れない一塁を守ったり、チームのためにやってくれていた。思わずガッツポーズが出るような打球でした」と、当時の興奮が甦ったかのよう。2020年に控える大一番に向けても「金メダルが取れるように頑張ります」と健闘を誓った。

稲葉監督が子供たちにエール「各世代の侍ジャパンを目指して」

 また、日本通運野球部でキャプテンを務める浦部剛史内野手に、参加した少女から「自分に甘くならないコツは何ですか?」という質問が飛ぶシーンも。「難しいですね」と苦笑いの浦部内野手だったが、「自分の好きなことだったら一生懸命やることは当たり前。甘くなるとかならないではなく、まずは自分がどうしたいか目標を立てて、強い気持ちを持って目指すことが大事だと思います」と的確なアドバイス。侍ジャパン社会人代表経験も持つ木南了捕手は、日本通運野球部の良さについて聞かれると、「試合前はチーム内で競い合いをしながらお互いを高め合い、試合になると全員で1つになれるところだと思います」とチームワークの良さを披露した。

 最初はやや緊張の表情を浮かべていた子供たちだが、閉会する頃には全員が大きな笑みを浮かべ、別れを告げるのが名残惜しい様子だった。最後に、稲葉監督から「侍ジャパンには各世代、いろいろなカテゴリーがあります。是非、各世代の侍ジャパンを目指して野球を続けてほしいと思います。また、今日集まったみんなの中からプロ野球選手が生まれ、トップチームで代表のユニホームを着てほしいと思います」と熱いメッセージ。あっという間に過ぎてしまったが、「日本通運×侍ジャパン 野球教室」で稲葉監督、井端コーチと共有したかけがえのない時間は、将来に向かって羽ばたく子供たちにとって大きな財産となるだろう。

記事提供=Full-Count
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