侍ジャパンU-12代表、2連覇中の米国のパワーに苦しみ敗戦 仁志監督「完全に力負け」
台湾・台南市で行われている「第4回 WBSC U-12ワールドカップ」は4日、大会8日目が行われ、スーパーラウンド第2戦が行われた。悲願の世界一を目指す侍ジャパンU-12代表は、優勝候補筆頭のアメリカと対戦。投手陣が2本の本塁打を浴びるなど、アメリカのパワーに屈して3-6で敗戦。仁志敏久監督は「こちらとしては出来ることはやりましたし、負け方としては完全に力負けなので、これはもうしょうがないですね」と肩を落とした。
写真提供=Getty Images
2本塁打を浴びるなど6失点、「こちらとしては出来ることはやりました」
台湾・台南市で行われている「第4回 WBSC U-12ワールドカップ」は4日、大会8日目が行われ、スーパーラウンド第2戦が行われた。悲願の世界一を目指す侍ジャパンU-12代表は、優勝候補筆頭のアメリカと対戦。投手陣が2本の本塁打を浴びるなど、アメリカのパワーに屈して3-6で敗戦。仁志敏久監督は「こちらとしては出来ることはやりましたし、負け方としては完全に力負けなので、これはもうしょうがないですね」と肩を落とした。
2大会連続優勝中の王者アメリカ戦。先発のマウンドを任されたのは、山田脩也(荒町タイガース)だった。「さすがにまだ6年生で体も小さく、これだけ連戦で、大事なところで先発させたり、サードをずっとやらせていて、今日は疲れがあった」と指揮官。チェコ戦、チャイニーズ・タイペイ戦で先発し、それ以外にも内野手で出場を続けていた右腕。疲労の色は明らかで、初回につかまった。先頭のレイランドの左翼線へ二塁打を浴びると、4番のベラスグエスに右前適時打。いきなり先制点を奪われてしまった。
「初回のピッチングを見ていると、コントロールも、自分のコントロールも出来る子なので、気をつけながら投げてくれていたんですけど、相手の力からすると、ボールの力が(なかった)。ちょっとこっちも見てて、恐々になってしまった」
仁志監督は早々と、2回から大山陽生(広島安佐ボーイズ)にスイッチした。
だが、大山もアメリカの打者のパワーにやられた。3回。1死からレイランドに左前安打を浴びると、アトマンチェクに中越えの2ランを浴び、2回2失点。4回からは、2日のチャイニーズ・タイペイ戦で好投した山口滉起(大阪東リトル)が登板したが、5回に連続四球から1死二、三塁とされ、再びアトマンチェクに右中間スタンドを越える3ランを浴びた。今大会最速126キロを誇る右腕でさえも、力に跳ね返された。
ファイナル進出の可能性も残る日本、5日の韓国戦は「絶対に負けられない」
「打たれたのは、何も子供を責めるつもりもないし、責めようもない。他に何かやりようがあったかと言うと、今日のゲームに関しては、こちらも反省点がなかなか思いつかないくらい力負けだったかなと思います」と仁志監督。アメリカの強打を食い止めることができなかった。
打線も、2本塁打を放ったアメリカ先発のアトマンチェクに苦戦した。120キロ前後のストレートに、チェンジアップ、スライダーを駆使してきた右腕。3点ビハインドの3回に森大輔(中百舌鳥ボーイズ)が左越えのソロ本塁打を放って1点を返し、ビハインドが5点に広がった5回には岡田光平(ナガセボーイズ)の左前適時打などで2点を奪ったが、反撃も及ばず。6回途中86球を投げたアトマンチェクの前に4安打。失った6点が重くのしかかった。
チーム平均で身長164.5センチ、体重54.3キロのアメリカ。その中でもアトマンチェクは12歳にして168センチ、63キロと大人顔負けの体格を誇る。その体から繰り出されるボールは見た目以上に力強い。平均159.2センチ、51.7キロと体格で劣る侍ジャパンU-12代表の選手たちは球の力に押された。「なかなか跳ね返せないですね。3点を先に取られちゃうと、ですね、下位打線は連打にならないと、なかなか点は入らない」と仁志監督。まさに、パワーに屈した一戦だった。
オープニングラウンドで同グループだったメキシコ、チャイニーズ・タイペイとの対戦成績は引き継がれるスーパーラウンド。これで成績は2勝2敗となった侍ジャパンU-12代表。5日はスーパーラウンド最終戦の韓国戦を戦う。勝てば、無条件で3位決定戦に進む4位以上は決定。アメリカ、チャイニーズ・タイペイ、メキシコの結果次第ではあるが、まだ、上位2か国のファイナル進出の望みも残されている。
「今日も負けられない試合だったんですが、明日は本当に最後の最後、負けられない試合。投手の頭数とかはありますが、出来ることは最大限やります。あとは他力ですけど。明日は絶対に負けられない」と仁志監督。希望は捨てない。まず、韓国を倒さない限り、その先はない。
【了】
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