侍ジャパンU-12代表、苦難のオープニングラウンドを首位突破 仁志監督「選手がよくやってくれた」

2017.8.3

台湾・台南市で行われている「第4回 WBSC U-12ワールドカップ」は3日、オープニングラウンドの全試合が終了した。悲願の世界一を目指す侍ジャパンU-12代表はこの日午前、1日に降雨サスペンディッドゲームとなっていたブラジル戦の続きを戦い、15-0の4回コールドで大勝し、4勝1敗のグループA首位でスーパーラウンド進出を決めた。

写真提供=Getty Images

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天候不順の影響受けるも4勝1敗、雨に泣かされた後に素晴らしい戦い

 台湾・台南市で行われている「第4回 WBSC U-12ワールドカップ」は3日、オープニングラウンドの全試合が終了した。悲願の世界一を目指す侍ジャパンU-12代表はこの日午前、1日に降雨サスペンディッドゲームとなっていたブラジル戦の続きを戦い、15-0の4回コールドで大勝し、4勝1敗のグループA首位でスーパーラウンド進出を決めた。

 大混乱のオープニングラウンドだった。開催地の台南市付近を台風10号が直撃。大会3日目の7月30日に行われる予定だったチャイニーズ・タイペイ戦の試合開始2時間ほど前から風雨が強まり、同戦は中止に。雨はその後2日間降り続き、同31日の南アフリカ戦も中止。プレーボールまで漕ぎ着けた1日のブラジル戦も試合途中に雨足が強まり、1時間半の中断の末に、サスペンディッドゲームとなった。

 大会史上でも例を見ない天候不順に、運営サイドも大あらわとなった。試合の開催可否もなかなか決まらず、順延となった試合の開始時間や会場も二転三転。出場12か国で唯一、3試合を消化できていなかった侍ジャパンU-12代表は、この影響を強く受けた。予備日として設定されていた2日にダブルヘッダーが組まれ、スーパーラウンドが始まる3日も2日連続のダブルヘッダーとなった。

 その苦難を、若き侍たちは乗り越えた。初戦のチェコ戦に圧勝、2戦目のメキシコ戦で接戦の末に敗れる不覚をとった侍ジャパンU-12代表だったが、雨に泣かされた後の戦いぶりが素晴らしかった。2日の午前へと順延となった南アフリカ戦は、控えメンバー中心の構成で31-0と圧勝。そして、オープニングラウンドのハイライトは、この日ダブルヘッダーの2試合目となった開催国チャニーズ・タイペイ戦だった。

最大の敵のチャイニーズ・タイペイに大逆転勝利

 4回までに4点差をつけられる苦しい展開だったが、終盤に大逆転。5回に山口滉起(大阪東リトル)が1点差へと詰め寄る3ランを放ち、逆転への流れを掴むと、6回1死満塁で戸井零士(松原ボーイズ)が右前適時打を放って同点。相手の暴投でついに勝ち越すと、山口も右前適時打を放つなど、土壇場で4点を奪って試合をひっくり返した。2大会連続準優勝、グループで最大の敵のチャイニーズ・タイペイから掴んだ大きな1勝だった。

 これにより、スーパーラウンドへの進出を決めた侍ジャパンU-12代表は、3日午前に再開されたブラジル戦を戦い、ここも15-0の4回コールドで大勝。チャイニーズ・タイペイ、メキシコと4勝1敗で並び、大会規定により、グループ1位での突破が決まった。仁志敏久監督は「いろいろとスケジュールの部分で難しかったですね。それが1番です。その中で選手たちがよくやってくれたと思います」と苦難の末に、首位通過を掴んだ選手たちを称えた。

 メキシコ戦での敗戦は痛かったものの、4勝1敗での首位通過は、スーパーラウンド突破の可能性を十二分に残すものとなった。スーパーラウンドはグループBを突破してきたアメリカ、ニカラグア、韓国とのみ対戦し、チャイニーズ・タイペイ、メキシコとの対戦はそのまま引き継がれる。5戦全勝のアメリカは実力的に頭1つ抜けているが、ニカラグア、韓国はともにオープニングラウンドで2敗を喫している。4勝1敗で首位通過した侍ジャパンU-12代表は、スーパーラウンド開始時点で優位な立場にいる。

 そのスーパーラウンド。まず、侍ジャパンU-12代表は、3日の午後2時(日本時間同3時)から、この日のダブルヘッダー2試合目でニカラグアと対戦する。

 ニカラグアは、オープニングラウンド3勝2敗の3位通過。アメリカと韓国に黒星を喫している。アメリカやチャイニーズ・タイペイに比べれば、実力は落ちると見られるだけに、何としても1勝を掴んでおきたいところ。前回大会のオープニングラウンドでは黒星を喫している相手だけに、2大会連続で指揮を執る仁志監督にとってはリベンジの場となる。

 上々の形でスーパーラウンドに駒を進めた侍ジャパンU-12代表。悲願の世界一に向け、より一層厳しさが増す戦いがスタートする。
 
【了】

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