敗戦の中で光ったエースの投球 米国相手に快投の菅野「野球人生でプラスになっていく」
第4回ワールド・ベースボール・クラシック™(WBC)の準決勝(ドジャースタジアム)が21日(日本時間22日)、ロサンゼルスのドジャースタジアムで行われ、野球日本代表「侍ジャパン」は米国に1-2で敗れた。先発の菅野智之投手(読売)は、米国の強力打線を相手に6回3安打1失点(自責0)6奪三振1四球と快投。守備のミスが出て、打線も4安打と沈黙したが、日本のエースはメジャーの猛者を相手に確かな実力を見せつけた。
写真提供=Getty Images
強力打線に対して6回1失点6奪三振、スター軍団を相手に実力を証
第4回ワールド・ベースボール・クラシック™(WBC)の準決勝(ドジャースタジアム)が21日(日本時間22日)、ロサンゼルスのドジャースタジアムで行われ、野球日本代表「侍ジャパン」は米国に1-2で敗れた。先発の菅野智之投手(読売)は、米国の強力打線を相手に6回3安打1失点(自責0)6奪三振1四球と快投。守備のミスが出て、打線も4安打と沈黙したが、日本のエースはメジャーの猛者を相手に確かな実力を見せつけた。
菅野は初回、キンズラー、ジョーンズ、イエリチをわずか11球で3者凡退に仕留めた。2回もアレナド、ホスマー、マカチェンを3者凡退。3回は先頭ポージーに初ヒットなる左前打を許し、その後、ビデオ判定で併殺が取り消される場面もあったが、1死二塁から冷静に後続を断った。
4回は名手・菊池のエラーでピンチを招き、2死一、二塁となってから、マカチェンにレフト前への先制打を許した。それでも、菅野は5、6回は計17球、打者6人のみで攻撃を終わらせて、菊池の同点弾を呼び込んだ。
「ストライク先行でいけました。(小林)誠司(捕手、読売)が引っ張ってくれたことが一番良かったです。試合前に組み立ての話をして、その通りになりました。これまで図ってきた意思疎通が大一番で出来ました」
降板直後には、投球に確かな手応えを示した菅野。試合前から自身のパフォーマンスよりも勝利にこだわると話していただけに、同点で降板後、8回に日本が勝ち越されるという展開にも、エースとして「まだ、負けた実感がわかない。日本に帰って自分自身を見つめ直して考えたい」と悔やんだ。ただ、メジャーのスター選手を抑え込んだ経験は必ず今後に生きてくる。
「人生をかける」マウンドは「最高の経験になった」
「人生かけるくらいでマウンドに上がった」という大一番で残した、6回1失点6奪三振という確かな結果。右腕は「たった1試合、いいピッチングをしただけ。例えば、米国でシーズン中に何回も0点に抑える、これだけの投球ができるかはまだわからない」と謙遜しつつ、こう続けた。
「ただ、一つ言えるのは、自分の野球に関する全ての中で凄い最高の経験になったと思う」
試合後、敵将のジム・リーランド監督は「日本の今日の先発は大リーグ級投手だね。彼は良い。感銘を受けたよ」と称えた。野球の母国・米国で、鮮烈な印象を残したことは確かだ。
「こういう大一番で、自分の力をしっかり発揮できたということは自分の野球人生でプラスになっていくと思う」
今大会では果たせなかった世界一奪回へ――。菅野が今後も侍ジャパンを力強く牽引していってくれそうだ。
【了】
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