ルーキーも逸材揃い…侍ジャパンへの招集が期待される野手の新戦力候補は?
チーム力を底上げするためには、チーム内での争いも必要となってくる。今季は開幕から若手野手の活躍が目立ち、ペナントレースを盛り上げている。侍ジャパンの候補となってくる選手はいるのだろうか。
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主力選手を脅かす存在は? ショートには楽天のルーキーも
野球日本代表「侍ジャパン」は、3月の「日本通運 presents 侍ジャパン強化試合 チャイニーズ・タイペイvs日本」で2連勝を飾った。2試合連続で5得点以上(5-0、9-3)と打線は上々の出来。1試合目は5番、2試合目は4番に入った筒香嘉智外野手(横浜DeNA)が計3安打4打点、平田良介外野手(中日)も2試合で5打点を挙げるなど、存在感を見せた。
この2人だけでなく、秋山翔吾外野手(埼玉西武)、山田哲人内野手(東京ヤクルト)、中田翔外野手(北海道日本ハム)、松田宣浩内野手(福岡ソフトバンク)らは、チームに欠かせない主力選手となっている。
ただ、チーム力を底上げするためには、チーム内での争いも必要となってくる。今季は開幕から若手野手の活躍が目立ち、ペナントレースを盛り上げている。侍ジャパンの候補となってくる選手はいるのだろうか。
野球解説者の野口寿浩氏は、まずは内野に着目。ショートがポイントになると指摘した。現在、チームで主将を務める坂本勇人(読売)が侍ジャパンでも主力として活躍しており、盤石にも見えるが、若手にも有望な選手が多いという。
「思い切ってカープの田中を使ってみるのも面白いかもしれませんね。あとは、茂木もいい選手です。期待枠で、茂木を使ってみるという手はありだと思います」
広島でリードオフマンに定着し、軽快な守備でも存在感を見せる田中広輔は社会人から入団3年目。昨年からショートの定位置を確保し、主力選手としてチームを牽引している。また、東北楽天の茂木栄五郎は昨年のドラフト3位で入団し、1年目からレギュラーとして活躍。逆方向への強い打球を打つことも出来る貴重な選手だ。
チームでもリードオフマンを任される2人のドラフト1位ルーキー
さらに、阪神の中心選手として第一線で活躍し続ける鳥谷敬の存在も忘れるわけにはいかない。堅実な守備、巧みな打撃、高い走塁技術。今季は開幕から打率が低迷しているものの、未だに日本を代表する遊撃手として高いレベルを維持している。
「普通に成績を残してくれれば、ショートは鳥谷で決まりです。今年は今のところ苦しんでますけど、そのうち上がってくる選手ですから」
今年35歳になるベテランが侍ジャパンのレギュラー争いに割って入ってくる可能性はあるのだろうか。
一方、外野にも有望な人材が多い。チャイニーズ・タイペイ戦では、筒香、平田、秋山に加え、昨年11月の「世界野球WBSCプレミア12」でもメンバー入りした中村晃(福岡ソフトバンク)、1年ぶりの復帰となった丸佳浩(広島)、初の代表入りとなった清田育宏(千葉ロッテ)が選出された。昨季、トリプルスリー(打率3割、30本塁打、30盗塁)を達成した柳田悠岐(福岡ソフトバンク)も、体調さえ万全なら代表入りは確実な選手だ。
ここに割って入れる人材として、野口氏は2人の大卒ルーキーの名前を挙げた。「魅力があるのは髙山と吉田正ですね」。阪神の髙山俊、オリックスの吉田正尚。いずれもドラフト1位で入団し、チームで1番打者を任されている逸材だ。
「髙山は間違いなくいい選手ですね。打撃は、(阪神の)金本監督もこれ以上いじることがないくらいのレベルかなと思います。吉田正については、オープン戦で藤川球児から打ったホームランは凄かった。素晴らしいスイングをしていると思います。柳田、筒香に髙山、吉田正が絡んできたら、すごい外野陣になると思います」
阪神で話題の横田は「金本さんが覚醒させてくれる」?
阪神で、髙山とともに開幕前から話題をさらっていた横田慎太郎はどうか。高卒3年目の20歳は、186センチ、92キロの恵まれた体格で、身体能力を活かした豪快なプレーが魅力。柳田のようなフルスイングで球場を沸かせている。開幕スタメンを掴んだものの、打率が上がらずにスタメン落ちを経験。ただ、大きな可能性を秘めた選手であることは確かだろう。野口氏は言う。
「横田は身体能力は糸井(嘉男、オリックス)、柳田くらいのものを持っていますね。ただ、今はまだガムシャラにやっているだけの数字。これが実力として本物になってくるのはいつかなと。ただ、金本さんがいるから、覚醒させてくれるかなと期待しています」
さらに、プロ野球で実績のある選手も今季の成績次第では代表入りを狙えると、野口氏は指摘する。
「梶谷に長谷川もいいし、角中、岡島もいい。あとは、絶対に使いたいのが亀井ですね。ジャイアンツの外野手でナンバーワンなので」
梶谷隆幸(横浜DeNA)、長谷川勇也(福岡ソフトバンク)、角中勝也(千葉ロッテ)、岡島豪郎(東北楽天)、亀井善行(読売)らも候補となってきそうだ。
「髙山、吉田正、横田。彼らの名前が侍ジャパンの候補として挙がってくるくらい活躍してくれると、今年のプロ野球は面白い」
期待の若手は、このまま結果を残し続けることは出来るのか。そして、「侍ジャパン」盤石と見られているポジションの選手を脅かすことはあるのだろうか。小久保裕紀監督を悩ませるような活躍に期待したい。
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