世界一奪回を目指す「小久保ジャパン」の中心選手は? 過去3年間の成績を振り返る
野球日本代表「侍ジャパン」は11月10~13日にメキシコ代表、オランダ代表と2試合ずつの強化試合を行い、2016年の全日程を終えた。小久保裕紀監督が2013年10月9日に就任してから、3年が経過。世界一奪回へ向けて、チームの骨格は固まりつつある。
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これまでの試合結果、中心となってきた選手は?
野球日本代表「侍ジャパン」は11月10~13日にメキシコ代表、オランダ代表と2試合ずつの強化試合を行い、2016年の全日程を終えた。小久保裕紀監督が2013年10月9日に就任してから、3年が経過。世界一奪回へ向けて、チームの骨格は固まりつつある。
小久保ジャパンで結果を残してきた選手は誰なのか。Full-Countは、日本野球機構(NPB)とNPBエンターテイメントが公表している侍ジャパンの公式記録を集計。これまでの試合結果を振り返り、その成績から中心となってきた選手を探ってみた。
まずは、興行試合だった2014年の日米野球を除く全ての試合の結果を振り返ってみよう。
【2013年】
11月8日 VSチャイニーズ・タイペイ代表 4◯2
11月9日 VSチャイニーズ・タイペイ代表 4◯2
11月10日 VSチャイニーズ・タイペイ代表 1◯0
【2015年】
3月10日 VS欧州代表 4◯3
3月11日 VS欧州代表 2●6
11月5日 VSプエルトリコ代表 8◯3
11月6日 VSプエルトリコ代表 3◯2
11月8日 VS韓国代表 5◯0
11月11日 VSメキシコ代表 6◯5
11月12日 VSドミニカ共和国代表 4◯2
11月14日 VS米国代表 10◯2
11月15日 VSベネズエラ代表 6◯5
11月16日 VSプエルトリコ代表 9◯3
11月19日 VS韓国代表 3●4
11月21日 VSメキシコ代表 11◯1
【2016年】
3月5日 VSチャイニーズ・タイペイ代表 5◯0
3月6日 VSチャイニーズ・タイペイ代表 9◯3
11月10日 VSメキシコ代表 3●7
11月11日 VSメキシコ代表 11◯4
11月12日 VSオランダ代表 9◯8
11月13日 VSオランダ代表 12◯10
まず、打者の出場数トップ10、投手の登板数トップ10を振り返ってみよう。
【打者】
中田翔(北海道日本ハム)21試合
秋山翔吾(埼玉西武)19試合
山田哲人(東京ヤクルト)18試合
筒香嘉智(横浜DeNA)18試合
坂本勇人(読売)17試合
松田宣浩(福岡ソフトバンク)17試合
中村晃(福岡ソフトバンク)15試合
平田良介(中日)14試合
嶋基宏(東北楽天)14試合
中島卓也(北海道日本ハム)10試合
【投手】
山崎康晃(横浜DeNA)8登板
増井浩俊(北海道日本ハム)7登板
武田翔太(福岡ソフトバンク)6登板
松井裕樹(東北楽天)6登板
則本昂大(東北楽天)5登板
大野雄大(中日)5登板
大瀬良大地(広島東洋)5登板
菅野智之(読売)4登板
西勇輝(オリックス)4登板
牧田和久(埼玉西武)4登板
小川泰弘(東京ヤクルト)4登板
打者の成績トップ3は?
打者については、小久保監督が主力と考えている選手が誰なのか、はっきりと分かる結果となった。上位に並ぶ中田、山田、筒香は現在の日本球界を代表する強打者。指揮官も主軸と考えているようだ。さらに、秋山、坂本、松田らも小久保ジャパンには欠かせない戦力。今後も中心選手としての活躍が期待される。
また、投手陣は救援陣が上位に来るため、山崎が1位となった。増井とともにブルペンで存在感を見せている。武田は先発投手ながら3位タイにランクイン。大きな役割を果たしており、世界一へ向けても必要な戦力と言える。松井、則本、菅野らも常連として重宝されている。
次に、打者の打率(10打数以上)、本塁打、打点のトップ5を見てみたい。
【打率】
大谷翔平(北海道日本ハム).455 11打数5安打
今宮健太(福岡ソフトバンク).455 11打数5安打
中村晃(福岡ソフトバンク).429 35打数15安打
平田良介(中日).410 39打数16安打
筒香嘉智(横浜DeNA).345 58打数20安打
【本塁打】
山田哲人(東京ヤクルト)3本
中田翔(北海道日本ハム)3本
松田宣浩(福岡ソフトバンク)3本
筒香嘉智(横浜DeNA)2本
秋山翔吾(埼玉西武)2本
【打点】
中田翔(北海道日本ハム)18点
筒香嘉智(横浜DeNA)16点
秋山翔吾(埼玉西武)15点
平田良介(中日)14点
坂本勇人(読売)10点
松田宣浩(福岡ソフトバンク)10点
打率は今年11月の強化試合で“打者デビュー”を果たした大谷と今宮がトップタイ。常識を覆し続ける二刀流の大谷は、特大のホームランや東京ドームの天井裏に消える二塁打など、衝撃的な打撃を見せた。3位は好打者・中村晃。昨年11月の「世界野球WBSCプレミア12」でもサヨナラ安打を放つなど、存在感を見せていた。4位の平田は打点でも4位に入った。負傷の影響で今年11月の強化試合にはメンバー入りしなかっただけに、これまで際立つ働きを見せていたことが分かる。
また、筒香は全3部門でベスト5に入った。日本を代表するスラッガーに成長した左打者は、チーム2位の20安打(1位は秋山の21安打)も記録しており、侍ジャパンでも実力をいかんなく発揮している。その筒香を本塁打で上回ったのは、山田と中田の2人。山田は「世界野球WBSCプレミア12」の3位決定戦・メキシコ戦で1試合2本塁打を放つなど、存在感を見せた。4番争いが注目される中田は、本塁打だけでなく打点でも“ライバル”筒香を抑えてトップ。日本の主砲にふさわしい成績を残している。
投手の成績トップ3は?
次に、投手陣の勝利数(5回以上)、防御率(5回以上)、奪三振数のトップ5を振り返ってみたい。
【勝利数】
前田健太(ドジャース)2勝
菅野智之(読売)2勝
大谷翔平(北海道日本ハム)1勝
小川泰弘(東京ヤクルト)1勝
野村祐輔(広島東洋)1勝 ほか7選手
【防御率】
大谷翔平(北海道日本ハム)0.00
武田翔太(福岡ソフトバンク)1.00
前田健太(ドジャース)1.20
藤浪晋太郎(阪神)1.80
大野雄大(中日)1.88
【奪三振】
大谷翔平(北海道日本ハム)25
前田健太(広島東洋)22
武田翔太(福岡ソフトバンク)21
小川泰弘(東京ヤクルト)12
菅野智之(読売)11
則本昂大(東北楽天)11
今季からドジャースに移籍した前田は、小久保ジャパンでエースに君臨。渡米後は日本代表に選出されていないものの、全3部門でベスト5に入っており、絶対的な存在だったことが分かる。そして、その前田を凌ぐ数字を残しているのが大谷だ。打者部門でもトップ5入りを果たしていた二刀流だが、投手での防御率はなんと0.00。いまだに自責は0となっている。また、15イニングで25奪三振と圧巻の数字を残している。
先発投手として最多6試合に登板している武田の数字も光る。防御率1.00で21イニングを投げて21奪三振を記録。先発投手の柱の一人と言える数字だ。菅野、則本、大野といった常連組、そして代表定着を狙う藤浪もしっかりと結果を残してきたことが分かる。
「小久保ジャパン」の常連たちは、確かな成績を記録し、現在の地位を確立してきた。世界一奪回へ向けて、中心選手の活躍は欠かせない。さらなる飛躍に期待したいところだ。
記事提供=Full-Count
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