侍ジャパン強化試合は13日が最終戦　打線を固める材料は得られるか

野球日本代表「侍ジャパン」は13日にオランダ代表との強化試合に臨む。10、11日はメキシコ代表、そして12日はオランダ代表と戦ってきた強化試合4連戦もこれが最後。しっかり打線を固められるかが大きなテーマとなる。

3試合は全てオーダーを変えた小久保監督率いる侍ジャパン

　野球日本代表「侍ジャパン」は13日にオランダ代表との強化試合に臨む。10、11日はメキシコ代表、そして12日はオランダ代表と戦ってきた強化試合4連戦もこれが最後。しっかり打線を固められるかが大きなテーマとなる。

　この3試合、小久保裕紀監督はすべて違うパターンで打線を組んできた。1番は1試合目から順に坂本勇人（読売）→山田哲人（東京ヤクルト）→秋山翔吾（埼玉西武）とスタメンを変更。3番は山田→大谷翔平（北海道日本ハム）→坂本と変えた。6番も内川聖一（福岡ソフトバンク）→坂本→大谷となっている。対照的に、4番・中田翔（北海道日本ハム）、5番・筒香嘉智（横浜DeNA）は3試合不動。この2人の前後を誰に打たせるかを模索している状態だ。

　まず鍵となりそうなのが、秋山の打順。ここまで2番、9番、1番に入ってきたが、どこでもいい仕事を続けている。小久保監督は9番で4打点を挙げた11日のメキシコ戦後に「いい繋ぎをしてくれた」と評価。本人も「チーム全体をつなごうという意識があった。とにかく上位打線にいい形で回そうと思っていた」と話していた。

　さらに、1番に入った12日のオランダ戦では、5回に大谷のソロ本塁打が飛び出した後、秋山が2死一塁で右前打を放ち、この回一挙6得点の猛攻を演出。この場面についても、指揮官は「秋山のヒットが大きかった」と称えた。上位打線に置いてチャンスメークさせるのか、それとも9番に置いて上位打線へとつなぐ役割を任せるのか。最適な起用法を確認しておきたいところだ。

　また、この強化試合では「打者・大谷」が11日のメキシコ戦で3番、12日のオランダ戦で6番に入り、圧巻の活躍を見せたが、国際大会になればエース右腕として先発マウンドにも上がるだけに、負担を考えると野手としてのフル稼働は難しい。となると、不在時に3番、6番を誰に打たせるのかも重要になってくる。

4番・中田、5番・筒香の2人を入れ替える可能性も？

　特に、小久保監督は「筒香の後を誰に打たせるか」をポイントに挙げており、6番には勝負強い打者を置いておきたい。この3試合でいえば、11日のメキシコ戦で6番として犠飛、そして右中間への二塁打と結果を残した坂本が最適に見える。ただ、坂本は出塁率の高さを生かして1番も打てる。また、盗塁王のスピードを生かすために山田を1番に置いた時には、坂本は所属球団と同じ3番としても機能するだけに、起用法に大きな注目が集まる。

　一方で、13日の試合では4、5番を動かすかもポイントの1つとなる。中田を3試合続けて4番に置いたことについて、稲葉篤紀打撃コーチは「5、6番の方が気持ちは楽ですが、一皮も二皮もむけてほしい。『オレが4番だ』という姿勢を見せてほしい」と期待を明かしていた。

　中田は11、12日とタイムリーを放ったものの、筒香も4番候補であることは確か。昨年11月の「世界野球WBSCプレミア12」では、5番・筒香、6番・中田という並びが機能した。筒香が「中田さんが後ろにいることで楽な気持ちで打席に入れる」と話して結果を出し、意気に感じた中田が実際に打点を量産するなど強い信頼関係で結ばれていただけに、この強化試合でも2人の並びを入れ替えた打順も見ておきたいところ。4番争いという意味でも、球界を代表する強打者コンビから目が離せない。

　稲葉打撃コーチは「いい打線になっていると感じています。オーダーは監督が決めることですけど、どの形が一番効率よく点を取れるかは、監督と一緒に考えていきたい」と話している。打線を機能させるため、どの選手がどの打順に入るべきなのか。残り1試合となったが、確認したいことはまだ山ほどあるはずだ。もちろん、この3試合でスタメン出場がなかった選手にチャンスを与えるため、13日に先発させるという可能性もある。ただ、強化試合の全4試合を振り返った時に、侍打線の骨格がしっかりと見えてきそうだ。

記事提供＝Full-Count
写真提供＝Getty Images