侍ジャパンがメキシコ代表に快勝　「ターニングポイント」は大谷翔平の内野安打

野球日本代表「侍ジャパン」は11日、メキシコ代表と2試合目の強化試合（東京ドーム）に臨み、11-4で快勝。1勝1敗のタイとした。勝利をもたらしたのは、日本球界を席巻する二刀流・大谷翔平（北海道日本ハム）だった。

日本代表で野手として初先発し4出塁、敵将も「スピードには非常に驚かされた」と驚愕

　野球日本代表「侍ジャパン」は11日、メキシコ代表と2試合目の強化試合（東京ドーム）に臨み、11-4で快勝。1勝1敗のタイとした。勝利をもたらしたのは、日本球界を席巻する二刀流・大谷翔平（北海道日本ハム）だった。

　3-3の同点で迎えた5回だった。大谷は先頭で打席に立つと、相手先発ロドリゲスの3球目を打った。右方向へのゴロが、一塁手のグラブに収まる。平凡な一ゴロに見えたが、大谷はグングン加速。ベースカバーが遅れたロドリゲスよりひと足早く一塁ベースを駆け抜けた。

「内野ゴロの投手のベースカバーが遅れて出塁を許してしまった。あれが試合のターニングポイントだった。アウトになっていれば、失点につながらなかった」

　試合後、メキシコのエドガー・ゴンザレス監督はこう振り返っている。大谷は二盗を決めると、内川聖一内野手（福岡ソフトバンク）の一ゴロで三塁へ。そして、筒香嘉智外野手（横浜DeNA）の一ゴロで好スタートを切り、本塁へ滑り込んだ。相手は本塁に投げることもできず、日本に勝ち越し点が入った。

「彼のスピードには非常に驚かされました。いいアスリートだとは知っていましたけど、あそこまでスピードがあるとは、実際に走っている姿を見て驚きました」

　エドガー監督も驚愕した大谷のスピードでもぎ取った1点。4回に先発の野村祐輔投手（広島東洋）がソロ本塁打2本を浴び、同点とされて相手に傾きかけていた流れを再び日本に引き寄せた。小久保裕紀監督も試合後、この試合の勝因について「点を取られた直後の攻撃ですべて点を取り返すことが出来た。日本のペースで試合を運べた」と振り返っており、大谷のアグレッシブなプレーは大きかった。

小久保監督も高評価「打線の中に入るとオーダーの景色が違う」

　日本代表で野手として初めて先発したこの試合で、大谷は初回に左翼線二塁打、3、7回には四球と計4出塁の大暴れ。シーズン中と同じ3番に入り、後ろにはチームでも4番を打つ中田翔内野手（北海道日本ハム）がいた。本人は「いつも通り中田さんの後ろだったので、塁に出てチャンスでつなぎたいと思って打席に入りました」と振り返ったが、まさにシーズン中を彷彿とさせる活躍だった。

　前日の完敗（3-7）とは全く違う内容でメキシコに快勝した日本代表。一番の違いは何だったのか。二刀流が3番に入ったことも、間違いなく勝因の1つだろう。

　小久保監督は「打ってよし、守ってよしの大谷が、走ってもいいなと再確認しました」と高く評価。そして、「これまでは（日本代表では）ずっと投手での起用で、（今回の強化試合で）初めて野手で起用してるのですが、打線の中に入るとオーダーの景色が違うなと感じました」と存在感の大きさを認めた。

　侍ジャパンでも、投手陣のエースとして、そして打線の核として欠かせない存在となってきた22歳。球史を変える男には、日の丸を背負い、投打で躍動する姿もよく似合う。

記事提供＝Full-Count
写真提供＝Getty Images