侍ジャパンは11日もメキシコ戦　初戦で精彩欠いた中田と山崎は巻き返し誓う

野球日本代表「侍ジャパン」は11日、メキシコ代表と2試合目の強化試合（東京ドーム）に臨む。10日の試合は3-7で完敗。特に悔しさを味わったのは4番打者と“抑え投手”の2人で、巻き返しを誓っている。

中田は4打数無安打に「情けない」、山崎は9回登板で3失点に「すごく悔しい」

　野球日本代表「侍ジャパン」は11日、メキシコ代表と2試合目の強化試合（東京ドーム）に臨む。10日の試合は3-7で完敗。特に悔しさを味わったのは4番打者と“抑え投手”の2人で、巻き返しを誓っている。

　10日の試合、4番を任された中田翔内野手（北海道日本ハム）は4打数無安打1四球に終わった。中南米系の選手特有の手元で動くボールに苦しめられ、3回1死一、二塁では右飛、5回1死一塁では中飛、さらに7回2死走者なしでは一邪飛とフライアウトに倒れることが多かった。

「情けないです。それだけです。（4番起用で）期待に応えることが出来ずに悔しいです。やっぱり基本的に全ての球がツーシーム系で動いているので、それをちょっと今日は強引にいきすぎてしまったという感じがあります。ツーシームが極端に動くピッチャーは正直、日本にはあまりいないので、もうちょっと冷静になって、考えていけばよかったかなと思います」

　試合後、中田は侍ジャパンの主砲として責任を背負い込んだ。6回には2死一、二塁で千賀滉大投手（福岡ソフトバンク）が一塁後方へのポテンヒットを浴びて勝ち越しを許したが、中田がこの打球を処理。しかし、本塁への送球がそれて失策となり、一塁走者の生還も許した。「あれはただ単に僕のミス」。この日は攻守両面で精彩を欠いた。

　また、1点ビハインドの9回に4番手でマウンドに上がった山崎康晃投手も悔しい結果に終わった。2安打を許して1死一、三塁とされると、ペーニャにはライトへのタイムリーを浴びて1失点目。さらに、続くキロスはピッチャー強襲内野安打で2点目を失い、アマダーには押し出し死球で3点目を献上した。続くサンチェスにはレフト前ヒットを許したところで降板。1イニング投げきることが出来なかった。

中田は2戦目も4番「期待に応えられるように」、山崎も「やり返したい」

「やられてすごく悔しい思い」

　ミックスゾーンに現れ、こう振り返った山崎。ただ、決して下を向くことはなく、報道陣の質問に堂々と答えた。普段より硬いマウンド、滑ると言われるボール。今回の強化試合は、プロ野球とは違う条件の中で戦っているが、「それはみんな平等」と話す。「ボールも練習から使っていますし、滑りやすいというのは練習ではありましたけど、試合では気にならなかった」と言い訳にはしなかった。

　11日には再びメキシコと対戦する。小久保裕紀監督は試合後に打順を組み替える考えを明かしたが、「4番は中田」と言い切った。無安打に終わった主砲を、そのまま中心に据える。中田本人も「全体的にフライが多かった。僕も含めて動く球に強引にいき過ぎたので、どう打っていくか考えていきたい。本当に勝つことだけ。期待に応えられるように」と“リベンジ”を誓った。どのように対応していくか、注目が集まるところだ。

　山崎もこのまま終わるつもりはない。「なんとかやり返して、チームの力になれるように次はしっかり投げたい」。ここで結果を残せば侍ジャパンでも守護神を任される可能性が高いだけに、次回登板では不安を払拭する投球を見せたいところだ。右腕は「僕自身、もっと考え直して（投球を）作っていかないと。なんとか次の登板で結果を出せるようにやっていきたい。まだまだ考えることはたくさんある」と誓った。

　各選手が所属チームの時と同様に自分の役割を全うする。これが勝利をつかむための最短ルートとなる。慣れない環境の中、普段は戦うことのない相手に対して、どれだけ自分の持ち味を出せるのか。勝利と自信をしっかりとつかみ取りたいところだ。

記事提供＝Full-Count
写真提供＝Getty Images