侍ジャパンが10日から強化試合、初戦は武田が先発 「出来るだけ少ない球数で」

2016.11.10

野球日本代表「侍ジャパン」は、11月10日から13日まで東京ドームで強化試合を行う。10日の初戦はメキシコが相手。9日の前日練習後、公式会見に臨んだ小久保裕紀監督は、武田翔太投手(福岡ソフトバンク)を先発させることを明言した。2014年の日米野球から日の丸を背負い、“小久保ジャパン”の常連となっている右腕は「気合を入れていきたい」と静かに闘志を燃やした。

写真提供=Getty Images

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初戦先発を任され「嬉しい気持ち」、カギは「低めに集めること」

 野球日本代表「侍ジャパン」は、11月10日から13日まで東京ドームで強化試合を行う。10日の初戦はメキシコが相手。9日の前日練習後、公式会見に臨んだ小久保裕紀監督は、武田翔太投手(福岡ソフトバンク)を先発させることを明言した。2014年の日米野球から日の丸を背負い、“小久保ジャパン”の常連となっている右腕は「気合を入れていきたい」と静かに闘志を燃やした。

 昨季、先発ローテーションを守って13勝6敗、防御率3.17と飛躍を遂げた武田。今季は14勝8敗、防御率2.95とさらに数字を伸ばした。4試合の強化試合の初戦の先発に指名され、「嬉しい気持ちもありますし、任せていただいたので、本当にいい試合ができればと思います」。二刀流・大谷翔平(北海道日本ハム)がシーズンの疲労を考慮され、野手に専念するだけに、エース級の投球でチームを勢いに乗せたいところだ。

 メキシコは、チームに帯同するため来日したエイドリアン・ゴンザレス(ドジャース)こそ登録外となるものの、パワーのある打者がそろう。武田は「やっぱりいいチームですし、しっかりコントロールに気をつけて低めに集めていければいいかなと思います」と話す。中南米系の選手は、ボールが高めに浮けば、下位打線でもスタンドインする力を持っている。丁寧な投球を心がけることが必要になってくる。

 また、今回の4試合ではNPB統一球は使わない。滑るとされるメジャー公式球と同じものが用意されており、東京ドームのマウンドも米国の球場のように硬く作られている。ピッチャーにとってはこれも大きなポイントになる。

小久保監督は「この4試合を大事にしたい。勝つためにどうするか」

「(ボールは)感触も良かったですし、心配することはないかなと思っています。(2014年の)日米野球でも一緒でしたけど、変化球の変化量も大きくなるので。マウンドも硬くなっているみたいなので、そこも気にかけながらやろうかなと。だいぶ違いますね。けっこう硬い感じはあります」

 ボールの違いについては、今回が初代表で、武田と同じくメキシコ戦に登板予定の千賀滉大投手(福岡ソフトバンク)も「(まずは)ストライクが入ってくれれば」と話している。現時点では握りなどを変えるつもりはないが、「(試合で)やってみてどうなるかですね」とも語る。また、マウンドについても「投内連携の練習でちょっと見たくらいなんですけど、ちょっと硬いですね」としており、適応能力が鍵となりそうだ。

 小久保監督は「この4試合を大事にしたい。大切な4試合です。勝つためにどうするかという采配をしたい」と勝負にこだわる姿勢を見せている。そのためには、先発投手がしっかりとゲームを作ることが最低条件。「出来るだけ少ない球数で勝負できるように」。武田はスターターとしての役割をまっとうすることを誓った。

 さらに、この先の代表定着へのアピールにしたいかを問われると、「そうですね」と静かに話した。小久保監督が「日本の最大の武器」と語るのが投手力。人材豊富で、“常連”の武田であっても、投球内容が悪ければ代表メンバーとして生き残れるかは分からない。

 常に言葉を選び、淡々と話す右腕は「気合を入れて、気を引き締めて行こうかなと思います」と熱い一言で締めくくった。小久保監督の期待にしっかりと応えたいところだ。

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