4番川端&エース里が「中心選手の働き」 5連覇の侍ジャパン女子代表で光った存在感

2016.9.12

侍ジャパン女子代表が、女子野球ワールドカップ5連覇の偉業を達成した。ベストナインにあたる大会最優秀チームには、エースの里綾実(兵庫ディオーネ)、4番の川端友紀(埼玉アストライア)の2人が日本から選出。里は2大会連続のMVPにも輝いた。チームを牽引した投打の軸に、大倉孝一監督は「中心選手の働きをしてくれた」と感謝した。

写真提供=Getty Images

写真提供=Getty Images

ともに大会最優秀チームのメンバーに選出、里は2大会連続のMVPにも輝く

 侍ジャパン女子代表が、女子野球ワールドカップ5連覇の偉業を達成した。10日、「第7回 WBSC 女子野球ワールドカップ」(韓国・釜山)の決勝戦でカナダに10-0で圧勝。2大会連続の全勝優勝で2012年からW杯21連勝と、まさに圧倒的な強さを見せつけた。ベストナインにあたる大会最優秀チームには、エースの里綾実(兵庫ディオーネ)、4番の川端友紀(埼玉アストライア)の2人が日本から選出。里は2大会連続のMVPにも輝いた。チームを牽引した投打の軸に、大倉孝一監督は「中心選手の働きをしてくれた」と感謝した。

 エースと4番が最後まで躍動した。川端は初回、2死三塁の好機で打席に立つも、いい当たりの左飛に倒れた。しかし、2点リードとなって迎えた3回には、無死二、三塁の好機できっちり犠飛。チームトップの打点を「10」として、2桁に乗せた。

 川端は今大会、不動の4番に座り、スーパーラウンドでは2本の先制打をマーク。10日の韓国戦ではチーム初安打から2盗塁と暴投で生還と、1人で先制点を奪う場面もあった。抜群の勝負強さでリズムを作ってきた。

 東京ヤクルトで昨季のセ・リーグ首位打者に輝いた兄・慎吾と同様に打撃センスが光り、打率も.500をマーク。「チャンスで回ってくることが多かったので、その中でしっかり自分のバッティングができたんじゃないかなと思います」。自身も納得の大活躍だった。

 また、里は大会初戦のカナダ戦で7回3安打2失点11奪三振と圧巻の投球を披露。スーパーラウンド初戦のベネズエラ戦も5回2/3を4安打2失点に抑えると、決勝は7回2安打無失点の好投を見せた。いずれも世界ランク上位の国(カナダ4位、ベネズエラ5位)を抑えこんでおり、価値ある大会3勝となった。

大倉監督が絶賛する2人の働き、「持っている力をそのまま発揮してくれた」

 決勝のマウンドを「一番楽しかった」と振り返った里。カナダの先発投手がマウンドの状態に不満を漏らし、グラウンド整備が入る場面もあったが、動揺は「なかったですね」と言う。「その中でベストのプレーを出すというのが課題だったので、相手はどうとかは関係なかったです。(マウンドも)特には気にならなかったですね」。ゲームを作ることだけに集中し、見事に結果を出した。

 2大会連続のMVPは「ものすごく嬉しい」としつつ、「みんながやってくれたので、感謝しかないですね」と話す。「私1人だけの力じゃ絶対に取れるものじゃなかった。みんながいたので、取らせてもらいました。みんなが守ってくれて、みんなが打ってくれて、(他の)ピッチャーもずっと準備をしてくれて、一戦一戦、勝ってくれて、今日の勝ちがあると思う。本当にみんなに感謝しています」。チーム一丸での快挙を強調した。

 川端は20打数10安打の打率.500で10打点、里は3試合登板で3勝0敗、防御率1.33。投打の軸がこれだけの成績を残したからこそ、チームには常に落ち着いた雰囲気が漂い、そして頂点までたどり着くことができた。大倉監督も2人の活躍に最大級の賛辞を送る。

「エースと4番は目立つものです。2人は持っている力をそのまま発揮してくれた。持っている力を出すのは難しいが、きっちり中心選手の働きをしてくれた」

 プレッシャーを感じ、相手からのマークも厳しくなる中で、そこから逃げることなく、見事な結果を残した4番とエース。5連覇を達成した侍ジャパン女子代表の中で、2人の存在感は際立っていた。

記事提供=Full-Count
写真提供=Getty Images

NEWS新着記事