侍ジャパン女子代表を4連勝に導く六角のタイムリー その裏にあった指揮官のアドバイス
「第7回 WBSC 女子野球ワールドカップ」(韓国・釜山)のスーパーラウンド初戦でベネズエラに7-2で快勝し、開幕4連勝を飾った侍ジャパン女子代表。打線で存在感を見せたのは、不動のリードオフマンを務める六角彩子(侍)だ。
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指揮官の助言で「思い切り引っ張って」2本目のタイムリー、「さすが大倉さん」
「第7回 WBSC 女子野球ワールドカップ」(韓国・釜山)のスーパーラウンド初戦でベネズエラに7-2で快勝し、開幕4連勝を飾った侍ジャパン女子代表。打線で存在感を見せたのは、不動のリードオフマンを務める六角彩子(侍)だ。2回にレフト前にしぶとく落とす先制打を放つと、4回にもチーム3点目のタイムリーと2打点の活躍。2本目のタイムリーは、打席に立つ前の大倉孝一監督からのアドバイスが効き、試合後には「さすが大倉さん」と感謝しきりだった。
チームにとって大きな一打だった。2回。2死一、二塁のチャンスで六角の打球がフラフラとショート後方に上がった。ベネズエラの遊撃手が必死に飛び込むが、届かない。レフト前にポトリと落ちる先制タイムリー。「国際大会は結果が全てなので、その面ではついていたなと思います」。打った瞬間は悔しそうに打球を見上げていた六角だったが、一塁上では笑みがこぼれた。
もっとも、この打席は内容としては決して満足できるものではなかった。しかし、2-0で迎えた4回の好機には、狙い通りの一打で結果を出す。2死三塁で六角が打席に向かう前、大倉監督がネクストバッターズサークルで耳打ちした。
「もし追い込まれてから高めに来たら、思い切って引っ張れ。センターに返す意識じゃなくて、思い切って引っ張り込め」
すると、六角は1ボール2ストライクと追い込まれてから、三遊間をゴロで抜く2打席連続のタイムリー。指揮官のアドバイスを忠実に守り、思い切り引っ張って結果へとつなげた。「やっぱり(高めに)来たか。さすが大倉さん」。チームに3点目をもたらし、一塁上で指揮官のアドバイスに感謝した。
ベンチで指揮官に報告、「思い切り引っ張りました」
大倉監督はなぜ六角に「引っ張れ」と指示を出したのか。試合後にこう説明している。
「ピッチャーがこう来ている。ロク(六角)がこういう考え方でいったら、こういう打球でいくだろう、というのが前の2打席のセンターへの詰まった当たりだった。2打席とも詰まりましたから、同じボールが来るであろう、と。だったら、ランナーがセカンドにいるわけですから、塁に出ることよりも、ヒットが欲しい場面で、引っ張り込ませたほうがヒットになる確率が高いだろうということで」
読みは見事に当たり、ベンチに戻った六角は指揮官に「思い切り引っ張りました」と笑顔で報告したという。
ただ、チームを牽引するリードオフマンは、現在の状態に満足していない。日本はここまで順調に勝ってきたが、打線の一巡目では相手投手に苦しむことが多く、「まだまだだなと思うのが、そういうところですね」と話す。
「今日も結果的に良かったのでいいんですけど、まだまだ調整が必要じゃないかなというのはありますね。バッティング練習でもっと低い打球を打つだとか、右打ちなのか、引っ張りなのかっていうのを、もう少しスイングの調整をして次に臨みたいと思います」
チーム全体の打線の状態も、もっともっと上がる。スキをなくし、頂点まで駆け上がるつもりだ。
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