侍ジャパンを「目指していきたい」 横浜DeNA・牧秀悟が日の丸に寄せる想い

2022.4.4

大卒2年目ながら横浜DeNAの4番打者として君臨する牧秀悟内野手。ルーキーイヤーだった昨季は8月25日の阪神戦(京セラドーム大阪)でサイクル安打を達成し、最終的には打率.314、22本塁打、71打点を記録。栗林良吏投手(広島東洋)らと歴史的な新人王争いを演じ、新人特別賞を受賞した。

写真提供=Full-Count

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プロ1年目にサイクル安打達成、好成績を残して新人特別賞受賞

 大卒2年目ながら横浜DeNAの4番打者として君臨する牧秀悟内野手。ルーキーイヤーだった昨季は8月25日の阪神戦(京セラドーム大阪)でサイクル安打を達成し、最終的には打率.314、22本塁打、71打点を記録。栗林良吏投手(広島東洋)らと歴史的な新人王争いを演じ、新人特別賞を受賞した。

 2019年に開催された「第43回日米大学野球選手権大会」(以下、日米大学野球)でも4番を務めた。当時は中央大学3年生。世代のトップが集まる中での抜擢だった。その後、プロの舞台でも活躍を続ける牧選手にとって、日の丸を背負った経験は一体どんなものになったのだろうか。

3年生ながら大学代表で4番就任「先輩がいようがいまいが、自分の打撃を」

 長野・松本第一高校では3年春に県大会で優勝したものの、夏は初戦敗退。全国的には全く無名の存在だったが、一躍注目を集めたのは中央大学3年の夏に参加した日米大学野球だった。もちろん、日本代表初選出。他には、森下暢仁投手(現広島東洋)、早川隆久投手(現東北楽天)、郡司裕也捕手(現中日)、佐藤都志也捕手(現千葉ロッテ)らドラフト候補に挙がる上級生ばかりが名を連ねたが、決して自分を見失わなかった。

「最初は緊張しましたけど、試合や練習をこなしていくうちにいつも通りできたかなと思います。自分の売りは打撃。そこは先輩がいようがいまいが、自分の打撃をしようと思っていました」

 大会では全5試合に先発出場し、16打数4安打の打率.250、1本塁打、5打点をマークした。4番で先発出場した第4戦ではセンター前に2点タイムリー、中越えソロ弾を放って打線を牽引。3年生ながら任された4番は「プロで生きる経験」だったという。

「あの舞台を経験できたことは自分の自信になりました。思い切ってやれる舞台で自分らしい打撃ができた。そういう経験があるからこそ、プロに入っても堂々といられるのかなと、改めて思います」

大学代表で見た森下投手の姿から学んだ切り替えの大切さ

 上級生から学ぶことも多かった。特に、一足先にプロの門を叩き、ルーキーイヤーに10勝3敗、防御率1.91という圧巻の成績を残し、新人王に輝いた森下投手の姿から、切り替えの大切さを知った。

「日本代表の経験が多い森下さんから、国際舞台の戦い方などについて聞きました。とにかく森下さんはオンとオフの切り替えがうまい方。オフはみんなで盛り上がることもありますが、試合で投げる時は集中する。それは準備の時から伝わってくることがありました。そういう姿勢を見て学びました」

 牧選手は昨季、三浦大輔監督から「とてもルーキーの選手には見えない」と、風格を称えられる機会が多かった。新人らしからぬ落ち着きが身についたのは、大学代表の経験が大きく影響しているのかもしれない。

昨夏の金メダルに刺激、2023年開催予定のWBCへ「打撃を売りに目指していきたい」

 侍ジャパンのトップチームは昨夏、横浜スタジアムで悲願の金メダルを獲得。牧選手は横須賀市内の青星寮からテレビ観戦した。2年前にチームメートだった森下投手らが大活躍する様子に、日の丸への憧れはより強くなった。

「ちょうど見られる時間帯だったので見ていました。凄いな、という感情が一番大きかったです。世代の近い人が出ていたので、自分も出てみたい気持ちが大きくなりました」

 昨年12月に就任したトップチームの栗山英樹監督は先日、コロナ禍の影響により開催中止となった3月の「ENEOS侍ジャパンシリーズ2022 日本vsチャイニーズ・タイペイ」で招集を予定していた“幻”の代表メンバーを発表。その中には牧選手の名前もあった。

「どのプロ野球選手も目指していると思いますが、もし選ばれる機会があるのであれば、打撃を売りに代表入りを目指していきたいと思います」

 2023年には「第5回ワールド・ベースボール・クラシック™(WBC)」の開催が予定されている。再び侍ジャパンのユニホームに袖を通すべく、その日まで研鑽を重ねていく。

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