侍ジャパンが世界一へ向け本格始動 トップチームは7月に強化試合2戦を予定

2021.5.3

夏に大一番を迎える2021年、野球日本代表「侍ジャパン」がいよいよ本格始動する。7月24、25日の2日間にわたり、「ENEOS 侍ジャパン強化試合」と銘打って、稲葉篤紀監督率いるトップチームが仙台の地でNPB2球団と対戦することが発表された。

写真提供=Full-Count

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7月24、25日に仙台で「ENEOS 侍ジャパン強化試合」を開催

 夏に大一番を迎える2021年、野球日本代表「侍ジャパン」がいよいよ本格始動する。7月24、25日の2日間にわたり、「ENEOS 侍ジャパン強化試合」と銘打って、稲葉篤紀監督率いるトップチームが仙台の地でNPB2球団と対戦することが発表された。

 2020年は新型コロナウイルス感染症の世界的拡大に伴い、全カテゴリーで主だった活動の休止を余儀なくされた侍ジャパン。トップチームも例外ではなく、稲葉監督の就任以来初めて、一度も招集されることがない我慢の時期を過ごした。

 NPBではオープン戦が中断された後、開幕が約3か月延期されたり、レギュラーシーズンが短縮開催されたり、選手たちも異例のシーズンを経験。例年のように選手の状態をその目で確かめ、状況をアップデートできなかった稲葉監督の心には、時に不安にも似た想いが首をもたげたことだろう。

2019年以来となる大会に向け、2月には稲葉監督らが12球団を視察

 年が明けた今年2月。NPB12球団が一斉にキャンプインすると、稲葉監督は建山義紀投手コーチ、井端弘和内野守備・走塁コーチらと共にキャンプ地の沖縄と宮崎を訪問。2月3~10日まで精力的に各地で視察し、候補選手の動きに目を光らせる姿が印象的だった。これを受け、3月9日には一次ロースター選手となる185人を提出。「出場の可能性がある選手は全てリストに入れました。今後、プロ野球の公式戦の視察やスタッフミーティングを行い、最終ロースターの選手24名を決めていきます」とコメントし、2021年バージョンの稲葉ジャパン結成に向け、具体的に動き始めた。

 そして、今季NPBの開幕から3週間が経った4月14日には、「ENEOS 侍ジャパン強化試合」の実施を発表。東北楽天の本拠地・楽天生命パーク宮城を舞台に、7月24日には東北楽天、翌25日には読売を相手に火花を散らす予定だ。侍ジャパンとして試合を行うのは、2019年11月に開催された「第2回 WBSCプレミア12」以来、1年8か月ぶりのこと。プレミア12では並み居る強敵を破って掴んだ10年ぶりの世界一に、日本中が大きな感動に包まれた。

 動き出した稲葉ジャパンが目指すのは、もちろん世界の頂点だ。強化試合の開催が発表された直後から、指揮官は再び首脳陣を伴ってNPB各球場での視察をスタート。6月上旬にも提出される最終ロースター24人を絞り込む作業が大詰めを迎える。

外崎選手、千賀投手が負傷の痛手も、田中投手が侍ジャパン入りに意欲

 NPBは開幕から1か月あまりが経ち、各チームで様々な動きがあった。侍ジャパンの有力候補と見られている埼玉西武の外崎修汰内野手が左足首に死球を受けて骨折。先発投手の一角として期待の福岡ソフトバンク・千賀滉大投手も試合中に左足首の靱帯を損傷し、長期離脱することとなった。両選手ともに復帰までに2~3か月を要する見込みで、稲葉ジャパンには大きな痛手となる。

 その一方でプラス要素も多い。昨季までMLBでプレーしていた田中将大投手が今季、8年ぶりに古巣・東北楽天に復帰。入団会見では「出るチャンスがあるということなので選ばれるのであれば、断る理由なんてない。出たいと思っています。金メダルを獲りたいなと思っています」と侍ジャパン入りにも意欲を見せた。さらに、エースの活躍が望まれる読売の菅野智之投手は、ポスティングシステムを利用しての米移籍を試みたが、読売でのプレー続行を決断。このままいけば、侍ジャパンで田中投手、菅野投手のWエースが並び立つ可能性も十分だ。

本塁打と打点でトップを争う村上選手ら、活躍著しい若手野手たち

 さらに野手を見ても、東京ヤクルトの若き4番・村上宗隆内野手が大きく成長。昨季に続き、今季も本塁打と打点でリーグトップを争う存在感を見せつけている。また、超大型ルーキーとして球界を沸かせている阪神の佐藤輝明内野手、同じく新人離れした打撃が売りの横浜DeNA・牧秀悟内野手など、若手の活躍が著しい。

 世界の頂点を目指す稲葉監督が、日本を代表する侍ジャパンとして、どのようなメンバーを揃えるのか。ファンは想像を膨らませながら、発表の日を待ちわびている。

 新型コロナウイルスの感染拡大状況によっては今後のスケジュールが変更される可能性はあるが、誰もが少しずつ我慢を強いられ閉塞感が漂う今だからこそ、「結束」をテーマに掲げる稲葉ジャパンの勇姿が求められる時なのかもしれない。

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