侍ジャパン、逆転勝利でスーパーR白星発進 稲葉監督の「勝負をかけた」采配が結実
野球日本代表「侍ジャパン」は11日、ZOZOマリンスタジアムで「第2回 WBSC プレミア12」スーパーラウンド初戦に臨み、オーストラリアに3-2で逆転勝ちした。2点ビハインドの4回に鈴木誠也外野手(広島東洋)が3戦連発となるソロ本塁打を放つと、7回には代走の周東佑京外野手(福岡ソフトバンク)が決めた2つの盗塁と源田壮亮内野手(埼玉西武)のセーフティバントで同点に。8回に浅村栄斗内野手(東北楽天)の押し出し四球で決勝点を奪った。
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7回に代走起用の周東が二盗→三盗、源田のセーフティバントで同点ホーム
野球日本代表「侍ジャパン」は11日、ZOZOマリンスタジアムで「第2回 WBSC プレミア12」スーパーラウンド初戦に臨み、オーストラリアに3-2で逆転勝ちした。2点ビハインドの4回に鈴木誠也外野手(広島東洋)が3戦連発となるソロ本塁打を放つと、7回には代走の周東佑京外野手(福岡ソフトバンク)が決めた2つの盗塁と源田壮亮内野手(埼玉西武)のセーフティバントで同点に。8回に浅村栄斗内野手(東北楽天)の押し出し四球で決勝点を奪った。
終盤までリードを許す苦しい展開だったが、執念で勝利を掴んだ。スーパーラウンドを白星でスタートさせた稲葉篤紀監督は、試合後「1つ勝つというのは難しいということを感じました。終盤に何かが起こると信じていきました」と、チームで呼び込んだ逆転劇に安堵の表情を浮かべた。
序盤は劣勢を強いられた。先発の山口俊投手(読売)は3回2死三塁から中前適時打で先制点を許す。さらに、4回2死から右前安打と右翼線への適時二塁打で2点目を奪われ、4回4安打2失点で降板。欲しかった先制点を許し、2点を追いかける展開となった。
沈んだ空気を振り払ったのが、4番の鈴木外野手の一発だった。4回2死で迎えた第2打席、バットを豪快に振り抜くと、大きな弧を描いた打球は3戦連発となるソロ本塁打に。そこまで1安打と苦戦を強いられた相手右腕を仕留めた4番打者に、稲葉監督は「誠也の一発というのは早い段階で1点取れて、ベンチも盛り上がりましたし、声も出るようになった。非常に大きな一発だった」と目を細めた。
主砲の一振りで1点差に迫った侍ジャパンは、7回に勝負に出る。先頭の吉田正尚外野手(オリックス)が安打で出塁すると、指揮官は代走として俊足の周東外野手を起用。その“切り札”は続く浅村内野手の打席で二盗すると、2死となってから三盗まで決めた。その直後に源田内野手が意表を突くセーフティバント。これが相手の野選を誘い、周東が同点のホームを踏んだ。
2番手の田口から救援陣が無失点リレー、稲葉監督「追加点を与えなかったのが大きかった」
「周東の三塁盗塁は大きかった。こっちが勝負に出たというところで選手もそれを理解してくれた。2死でセーフティと(源田)壮亮も勝負をかけてくれた」と稲葉監督。覚悟を決めて挑んだ7回の攻撃が狙い通りに同点に繋がり、試合の流れは侍ジャパンへと転じた。
8回を甲斐野央投手(福岡ソフトバンク)が3者凡退に仕留めて流れを繋ぐと、その裏、打線は冷静に状況を判断した。2死から近藤健介外野手(北海道日本ハム)が左前にポトリと落ちる二塁打で出塁すると、続く鈴木外野手は申告敬遠。代打で登場した山田哲人内野手(東京ヤクルト)も四球で満塁となると、浅村内野手は打ち急ぐことなくストレートの四球を選んだ。3連続四球で押し出しとなり、ついに勝ち越しに成功した。
9回は守護神の山崎康晃投手(横浜DeNA)が締めくくり、侍ジャパンは見事な逆転勝ちを決めた。2番手の田口麗斗投手(読売)から岸孝之投手(東北楽天)、甲斐野投手、山崎投手とリリーフ陣が無失点リレーで繋いだことも勝利への大きな呼び水となり、指揮官は「それぞれの投手が追加点を与えなかったというのが逆転に繋がったと思います」と救援陣を称えた。
オーストラリアの投手陣に苦戦を強いられながらも、しぶとく勝利を掴んだ侍ジャパン。オープニングラウンド同グループのチームとは対戦せずに成績が引き継がれるため、チャイニーズ・タイペイ戦の1勝と合わせ、スーパーラウンドは2勝0敗となった。12日は東京ドームでアメリカと対戦する。「アメリカもいい選手が多い。全員で1つになって、みんなで勝ちに行きたいと思います」と稲葉監督。11日に韓国に敗れて0勝2敗となったアメリカは、決勝進出へ1敗も許されない状況となった。侍ジャパンは必勝態勢で臨むアメリカに勝利して、決勝進出へ大きく一歩近づきたい。
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