侍ジャパン、甲斐野が初登板で初勝利 逆転呼ぶ好救援「流れを持ってこようと」
野球日本代表「侍ジャパン」は5日、台湾・桃園市の桃園国際野球場で「第2回 WBSC プレミア12」オープニングラウンド・グループBの初戦ベネズエラ戦に8-4で勝利した。終盤までリードを奪われる展開の中で逆転勝利への流れを生んだのは、5番手でマウンドに上がった甲斐野央投手(福岡ソフトバンク)だった。8回の1イニングを3者凡退に封じる好救援を見せると、その直後に味方が大逆転。侍ジャパントップチームでの公式戦初登板で勝利投手となった。
写真提供=Getty Images
2点を追う8回に3者凡退の快投劇、直後に味方打線が一挙6点で大逆転
野球日本代表「侍ジャパン」は5日、台湾・桃園市の桃園国際野球場で「第2回 WBSC プレミア12」オープニングラウンド・グループBの初戦ベネズエラ戦に8-4で勝利した。終盤までリードを奪われる展開の中で逆転勝利への流れを生んだのは、5番手でマウンドに上がった甲斐野央投手(福岡ソフトバンク)だった。8回の1イニングを3者凡退に封じる好救援を見せると、その直後に味方が大逆転。侍ジャパントップチームでの公式戦初登板で勝利投手となった。
「試合前に何度もコーチやスタッフの方とミーティングはしていた。初めて対戦する打者ばかり。配球、リードはキャッチャーに任せて、自分の出せる力を出そうと考えてマウンドに上がりました」
2点ビハインドの8回に登板した甲斐野投手は完璧なリリーフを披露した。先頭打者をストレートで右飛に打ち取ると、次打者も1球で中飛に仕留めた。最後の打者に対しては、1ボール2ストライクと追い込み、最後は決め球のフォーク。「狙いに行きました」と、イメージ通りの空振り三振に斬って取った。
嫌な流れを断ち切るかのような快投を見せた甲斐野投手は、試合後の公式会見で「少しでも粘ってなんとか終盤にかけて、と。野手の方も必死でしたし、流れを持ってこようと思って投げた結果がいい方向にいってくれたのかなと思います」と振り返った。甲斐野投手のピッチングから流れを繋いだ打線は、その裏の攻撃で7つの四球を選ぶなど、一気に畳み掛けて6得点。甲斐野投手の完璧なリリーフが、まさに大逆転の流れを引き寄せた。
経験を生かした侍ジャパン初登板、稲葉監督「いい流れをもたらしてくれた」
何もかもレギュラーシーズンとは異なったマウンドだった。試合が行われた桃園国際野球場はブルペンとマウンドで傾斜が異なり、投手はそのアジャストが求められる。まだルーキーの甲斐野だが、今季は福岡ソフトバンクで65試合に登板した経験が生きた。「ブルペンとマウンドは違いましたが、プロでやってきたことの経験が生きてきたんじゃないかなと思います」と、しっかりと対応してみせた。
東洋大学時代の2018年に侍ジャパン大学代表に選ばれ、アメリカで開催された「第42回 日米大学野球選手権大会」に出場した。その時に海外特有の固いマウンドも経験済み。「一度、大学で日本代表に選ばれた際も海外のマウンドは固かったので、あまり驚くこともなく、すんなり入れたかなと思います」と、これまでの経験を生かした登板となった。
まるでトップチームで初登板とは思えない投球だったが、その胸は高鳴っていたという。だが、「緊張はもちろんありました。でも、いい緊張感でマウンドに入りました」と頼もしい。今回の侍ジャパン招集メンバーで唯一のルーキー。その堂々とした投球に稲葉篤紀監督は「3者凡退でいい流れをもたらしてくれた。ルーキーで、初めての代表で、堂々としたピッチングをしてくれた。これで自信をつけてくれたらいい」と目を細めた。
福岡ソフトバンクでも、プロ初登板となった開幕戦でプロ初勝利をマークした甲斐野投手。スーパーラウンド進出を、そして悲願の優勝を目指す侍ジャパンにとって、この若き侍は大きな存在となりそうだ。
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