日本は4勝1敗でスーパーラウンド進出決定 重苦しい空気を振り払った西の力投と石川の一発

2019.9.4

「第29回 WBSC U-18ベースボールワールドカップ」は3日、韓国・機張(きじゃん)で大会5日目が行われた。高校世代での初の世界一を目指す侍ジャパンU-18代表はパナマ代表を5-1、6回途中降雨コールドゲームで下し、4勝1敗でスーパーラウンド進出を決めた。

写真提供=Getty Images

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オープニングラウンド最終戦のパナマ戦は5-1、6回降雨コールドゲームで勝利

「第29回 WBSC U-18ベースボールワールドカップ」は3日、韓国・機張(きじゃん)で大会5日目が行われた。高校世代での初の世界一を目指す侍ジャパンU-18代表はパナマ代表を5-1、6回途中降雨コールドゲームで下し、4勝1敗でスーパーラウンド進出を決めた。

 前日のオープニングラウンド4戦目のチャイニーズ・タイペイ戦は先制しながら追加点が奪えず、5回降雨コールド負けを喫したが、この日は7番の横山陽樹外野手(作新学院)の中犠飛で相手に先制を許した直後に追いつくと、4番の石川昂弥内野手(東邦)の3ランで勝ち越し、8番・水上桂捕手(明石商)のソロでダメ押しと加点し、雨に泣かされた前夜の教訓を生かした。

 降り続く雨の中でも、集中力を切らさなかった。パナマと一進一退の攻防が続いた5回2死一、三塁。石川内野手の打った瞬間に本塁打と分かる放物線が左翼へ飛んで行った。「完璧でした。嫌なムードでしたが、ワンチャンスで、自分のホームランでチームに勢いをつけることができて良かった」と自賛する一打だった。

 永田裕治監督も「石川に任せた、という気持ちでした。本当によく打ってくれた」と値千金の勝ち越し3ランを放った4番の一振りを称賛した。

 4勝1敗と数字だけを見れば、好成績だが、苦しいグループリーグの戦いだった。初戦のスペイン戦は8回までリードを許す展開から逆転勝利。米国戦では一時は10点までリードを広げるも4点差まで迫られて冷や汗をかかされた。チャイニーズ・タイペイ戦は守備の乱れから失点して黒星。パナマ戦にもミスから失点し、嫌な空気が流れていた。

3連投の西が雨の中で6回1失点と好投、永田監督も目を細める「頼もしかった」

 重苦しかった雰囲気を払拭したのが、石川内野手の本塁打であり、この日まで3連投となった西純矢投手(創志学園)の力投だった。6回1失点と好投した右腕は「雨が降っていて自分のボールが投げられませんでしたけど、1点に抑えることができてよかったです」と、スーパーラウンド進出を決める投球に胸をなでおろしていた。

 米国、チャイニーズ・タイペイ戦にはリリーフで登板し、パナマ戦が初先発だった。3連投となった西投手の好投に指揮官は「今日も頼むぞ、と伝えたら『任せてください』と。非常に頼もしかった」と目を細めた。第2戦の南アフリカ戦では2本塁打8打点の大活躍。投打ともに西投手の力が無ければ、ここまで白星を重ねることはできなかっただろう。

 前日の試合後のこと。帰りのバスに乗り込む直前、敗戦したにも関わらず緩んでいた空気を仲井宗基ヘッドコーチから一喝され、ナインは心を入れ替えた。国際大会は何が起きるかわからない。この日も降雨により、試合開始時間が18時から20時へ、そして、19時30分へと2度も変更になった。

 試合は2試合連続の降雨コールドゲーム。格下と思われた相手に苦戦するなど、この5試合だけでも選手たちは未知の体験がたくさんあった。それらを乗り越え、成長を感じさせる若き侍たち。最初の関門を突破し、次はいよいよスーパーラウンド。まだまだ撃破しなくてはならない強豪たちが待ち受ける。永田監督が掲げる「結束力」を高め、悲願の世界一を目指していく。

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