侍ジャパン、山川が復調のタイムリー二塁打 国際大会の難しさに「頭の中で整理して」

2018.11.13

野球日本代表「侍ジャパン」とMLBオールスターチームが対戦する「2018日米野球」は11日、東京ドームで第3戦が行われ、侍ジャパンは3-7で敗れた。MLBオールスター投手陣に8回まで1点に抑えられた打線だったが、9回に2死から3連打で2点を返す粘りを見せる場面も。この時、第4戦以降につながる光を見せたのが、代打出場した山川穂高内野手(埼玉西武)だった。

写真提供=Getty Images

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パ・リーグ本塁打王から快音響かず、第3戦はスタメン外れる

 野球日本代表「侍ジャパン」とMLBオールスターチームが対戦する「2018日米野球」は11日、東京ドームで第3戦が行われ、侍ジャパンは3-7で敗れた。MLBオールスター投手陣に8回まで1点に抑えられた打線だったが、9回に2死から3連打で2点を返す粘りを見せる場面も。この時、第4戦以降につながる光を見せたのが、代打出場した山川穂高内野手(埼玉西武)だった。

 今季47本塁打でパ・リーグ本塁打王となった山川内野手は、開幕前に今回の侍ジャパンにおける中軸として期待されたが、第1戦は3三振を喫するなど無安打。第2戦はラッキーな遊撃内野安打が唯一のヒットで6打数1安打と、普段通りの豪快な打撃ができずにいた。そして、この日の第3戦は先発を外れてベンチスタート。稲葉篤紀監督は「(打撃)状態を含め、精神的にリラックスしてもらうためにも」と理由を明かしていた。

 そして迎えた9回。6点を追う侍ジャパンは2死から上林誠知外野手(福岡ソフトバンク)が右前打で出塁。ここで稲葉監督は、岡本和真内野手(読売)の打席で代打・山川内野手を送った。MLBオールスターチームの4番手、ジョン・ブレビア投手(セントルイス・カージナルス)と対峙するとフルカウントからの6球目を強振。打球は右中間を破るタイムリー二塁打となった。ようやく飛び出した会心の当たりに、山川内野手は二塁ベース上でホッとした笑顔を浮かべた。

「もっとアバウトに放ってくるのかと思ったら、それは先入観」

 今シーズン中は代打出場がなかったが、いつ呼ばれてもいいように5回から入念な準備を進めた。午前中には金子誠打撃コーチと一緒に早出特打で調整。「ちょっと(体の)開きが早いんじゃないかとか、振っているのが全部ボール球だとか、そういう基本的なことを言っていただいた。とにかくスローボールを引きつけて、引っ張らない練習をした。それが動く球を打つ、ミートできる一番の方法かな、と僕も感じた」と手応えを感じると、早速打席で結果を出した。

 東京ドームでの3試合を終え、「難しさとつなぐことの大切さ」を実感すると同時に、「普段チームでやっていることができない自分」に気が付いたという。「難しさという部分では全員が初対戦の投手。ボールも手元でかなり動いている。日本で投げるピッチャーはあまりいない。あとは、もっとアバウトに放ってくるのかと思ったら、それは先入観で、実際はコントロールが良かった。どう打つか頭の中で整理してから打席に入らないと厳しいなと感じました」と、自分らしさを発揮できない打席の中でも、数多くの気付きがあった。

 反省や気付き、修正を経た中で生まれた9回のタイムリー二塁打が、打撃復調へのきっかけとなる可能性は大きい。試合後の会見で山川内野手の顔に戻った自信は、敗戦の中に見えた光明となった。

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