「2018日米野球」が開幕、侍ジャパンが劇的白星発進 柳田が逆転サヨナラ弾「最高です!」
野球日本代表「侍ジャパン」は9日、「2018日米野球」第1戦(東京ドーム)でMLBオールスターチームに7-6で勝利した。2点を追う9回に會澤翼捕手(広島東洋)のタイムリーで1点差とすると、続く柳田悠岐外野手(福岡ソフトバンク)が逆転サヨナラ2ラン。劇的な勝利で白星スタートを切った。
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土壇場9回に柳田がバックスクリーンに豪快弾、MLBオールスターを粉砕
野球日本代表「侍ジャパン」は9日、「2018日米野球」第1戦(東京ドーム)でMLBオールスターチームに7-6で勝利した。2点を追う9回に會澤翼捕手(広島東洋)のタイムリーで1点差とすると、続く柳田悠岐外野手(福岡ソフトバンク)が逆転サヨナラ2ラン。劇的な勝利で白星スタートを切った。
序盤は締まった投手戦となった。侍ジャパンの先発マウンドに上がった岸孝之投手(東北楽天)は3回に先頭アメド・ロサリオ内野手(ニューヨーク・メッツ)に左翼へ先制ソロ弾を運ばれたものの、4回まで2安打1失点と快投。しかし、1-1で迎えた5回に、リース・ホスキンス外野手(フィラデルフィア・フィリーズ)に右前打、ロサリオ内野手に中前打と連打を浴びる。続くホイット・メリフィールド内野手(カンザスシティ・ロイヤルズ)を空振り三振に仕留め、1死一、二塁としたが、大会規定の球数制限(80球)を超える81球(53ストライク)に達して降板した。
ここで稲葉篤紀監督は成田翔投手(千葉ロッテ)を投入したが、最初の打者のカルロス・サンタナ内野手(フィラデルフィア・フィリーズ)に3ラン本塁打を被弾。勝ち越しを許した。
それでも、その裏には甲斐拓也捕手(福岡ソフトバンク)の中前打、山田哲人内野手(東京ヤクルト)の左前打などで1死満塁の絶好機を作ると、3番の秋山翔吾外野手(埼玉西武)が左翼線に走者一掃となるタイムリー二塁打を左翼線に弾き返し同点に。しかし、6回には岡田明丈投手(広島東洋)がフアン・ソト外野手(ワシントン・ナショナルズ)に2ラン本塁打を浴び、3度目の勝ち越しを許した。
そのまま敗れるかと思われた9回、稲葉監督が積極的に動く。1死から2番・菊池涼介内野手(広島東洋)に代打・上林誠知外野手(福岡ソフトバンク)を送ると、4番手のキルビー・イエーツ投手(サンディエゴ・パドレス)からセンター前ヒットを放ち出塁。続く秋山外野手は空振り三振に倒れたが、上林外野手が二盗に成功して2死二塁とする。
稲葉監督の積極采配に選手が応える、柳田は打った瞬間に確信「もうホームランかなと思った」
ここで、稲葉監督は4番の山川穂高内野手(埼玉西武)に代打・會澤捕手を送った。
「山川選手は(ENEOS 侍ジャパンシリーズ2018の)チャイニーズ・タイペイ戦を含めて今日もやはり自分のタイミング、間合いで打てていないという判断をしました。ジャパンとして、とにかく勝つということを目標にしている以上、他のメンバーもいるわけですから、最善の努力をすると。どうしたら勝っていけるのかというところで、4番を代えるというのは非常に苦渋の選択でしたけど、そこは會澤選手にかけたというところです」
この指揮官の期待に會澤捕手が見事に応え、センターへのタイムリーを放つ。そして、続く柳田外野手がイエーツ投手からセンターバックスクリーンに逆転サヨナラ2ラン。あまりにも劇的な幕切れに東京ドームは大興奮に包まれた。
試合後、ヒーローインタビューを受けた柳田外野手は開口一番で「最高です!」と絶叫。会心の逆転勝利に「ミラクルです!」と笑顔を弾けさせた。打った瞬間、確信したように侍ジャパンの選手たちが陣取る一塁ベンチを指さしたが、「もうホームランかなと思ったんで、よかったです」とやはり感触は最高だった様子。「来た球を、当たる球をしっかり当てると。その中で自分のスイングをしようと思いました。シンプル・イズ・ベスト。ありがとうございます!」。柳田外野手らしいユーモアあふれるインタビューで、ファンの笑いを誘った。
シーズンオフに行われている「2018日米野球」。来日したメジャーリーガーたちに「かっこいいっす」と敬意を表した柳田外野手は「たくさんのファンの方に来てていただいて、選手も本当は休みなんですけど、これだけたくさんのファンの方に応援されて、本当に野球をやれてよかったなと思います」と思わず“本音”をこぼしながらも、劇的ホームランの余韻に浸った。
MLBオールスター相手の“腕試し”。稲葉ジャパンが最高のスタートを切った。
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