最終盤で侍ジャパンに息を吹き込んだ甲斐の強肩、稲葉監督は感嘆「改めて素晴らしい」

2018.11.8

野球日本代表「侍ジャパン」は7日、ヤフオクドームで「ENEOS 侍ジャパンシリーズ2018」でチャイニーズ・タイペイと戦い、終盤に猛反撃も5-6で敗れた。成田翔投手(千葉ロッテ)や佐藤優投手(中日)、森友哉捕手(埼玉西武)らフレッシュな顔ぶれが、それぞれに役割を果たしてアピールする中、大きく存在感を光らせたのが、途中出場した甲斐拓也捕手(福岡ソフトバンク)だった。

写真提供=Getty Images

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6点を追う9回2死から“盗塁王”の二盗を封じる

 野球日本代表「侍ジャパン」は7日、ヤフオクドームで「ENEOS 侍ジャパンシリーズ2018」でチャイニーズ・タイペイと戦い、終盤に猛反撃も5-6で敗れた。成田翔投手(千葉ロッテ)や佐藤優投手(中日)、森友哉捕手(埼玉西武)らフレッシュな顔ぶれが、それぞれに役割を果たしてアピールする中、大きく存在感を光らせたのが、途中出場した甲斐拓也捕手(福岡ソフトバンク)だった。

 この日の先発マスクは森捕手。ベンチから戦況を見守った甲斐捕手がグラウンドに姿を見せたのは、6点を追う9回だった。この回からマスクを被り、山崎康晃投手(横浜DeNA)とバッテリーを組むと、まずは先頭のワン・シュヨンウェイを見逃し三振で1死。迎えたワン・ウェイチェンには中前打を許す。リン・ヨウラを空振り三振に斬り、2死一塁とした後、ここで見せ場が訪れた。

 一塁走者のワン・ウェイチェンは、今季44盗塁で台湾プロリーグで盗塁王に輝いた韋駄天。グォ・ヨンウェイへの4球目で勢いよくスタートを切ったが相手が悪かった。山崎投手がカウント2-1から投じた低めのボール球を捕球すると、難しい体勢ながら二塁へ矢のような送球を放った。日本シリーズを沸かせた“甲斐キャノン”を炸裂させ、見事アウト。同シリーズMVPに恥じぬ強肩ぶりを国際試合でも見せつけた。

 完敗ムードが漂っていた試合だが、このワンプレーで流れを変えると、侍ジャパン打線は9回に打者一巡、5点と猛反撃。わずか1点及ばなかったが、9日から始まる「2018日米野球」につながる締めくくりとなった。

満を持しての“甲斐キャノン”「走ってくる中で準備はしていました」

 試合後、甲斐捕手は二盗阻止の場面を振り返り、「あの選手が盗塁王だということは聞いていました。走ってくる中で準備はしていました」と、満を持してのプレーだったことを明かした。同時に、同じ26歳、同級生の山崎投手にも感謝。「康晃が間合いを変えてくれた。康晃に感謝したい」と、クイックをはさみながら一塁走者のタイミングを惑わせた山崎投手を称え、バッテリーの共同作業によるアウトだったことを強調した。

 稲葉篤紀監督は「台湾の盗塁王という足のある走者を刺したというのは素晴らしいと思います」と絶賛。「山崎投手のボールも低いボール球だったですけど、それをあのスピード、あの速さで刺したというのは改めて素晴らしいなと思いました」と、侍ジャパンの扇の要を守る若き捕手への信頼を隠さなかった。

 今回は、MLBオールスターチームの一員として、現役最高捕手の呼び声も高いヤディエル・モリーナ捕手(セントルイス・カージナルス)が来日。膝をついたまま二塁へ投げる矢のような送球は驚愕の一言だ。9日から始まる「2018日米野球」では、日米を代表する捕手の競演が見られそうだ。

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