侍ジャパン社会人代表、2大会ぶり王者へ　「第28回 BFA アジア選手権」が10月2日に開幕

侍ジャパン社会人代表が出場する「第28回 BFA アジア選手権」が10月2日から台湾で開催される。目指すは当然、2012年以来2大会ぶり、19度目の優勝。

2大会ぶりの優勝目指す日本、エースはドラ1候補の左腕・田嶋「自分の投球を見せたい」

　侍ジャパン社会人代表が出場する「第28回 BFA アジア選手権」が10月2日から台湾で開催される。目指すは当然、2012年以来2大会ぶり、19度目の優勝。今秋のドラフトで上位指名が予想される左腕・田嶋大樹投手（JR東日本）、プロ野球経験をもつ細山田武史捕手（トヨタ自動車）らを選出し、アジアの頂点を見据える石井章夫監督は、「アジアの中で力を見せないと」と意気込んでいる。

　大会には全8か国が出場。予選ラウンドは、グループAに韓国、チャイニーズ・タイペイ、フィリピン、スリランカが入り、日本はグループBで中国、パキスタン、香港と準決勝進出をかけて争う。

　日本の予選ラウンドの日程は以下の通り（時間は全て日本時間、現地台湾は-1時間）。

10月2日・13時　香港戦（新荘）
10月3日・13時　パキスタン戦（新荘）
10月4日・13時　中国戦（新荘）

　各組の1位と2位が6、7日と決勝進出をかけてスーパーラウンドに挑む。順調に勝ち進むことが出来れば、アジアの頂点をかけた決勝戦は8日となる予定だ。

　日本は2003年の第22回大会から5連覇を達成していたが、2015年の前回大会で途切れた。3位に終わり、優勝は7大会ぶりに頂点に立った韓国に譲っている。そのときにも日本代表に名を連ねていたのが、今大会はエースとして期待される田嶋だ。佐野日大高時代に甲子園を沸かせた最速152キロ左腕は、9月26日に行われた大会前の記者会見でリベンジを固く誓った。

「（社会人）1年目の時に出た侍ジャパンはベテラン選手が多く、精神面で助けられた。マウンドに上がったらおどおどしていた。2年たって堂々と投げられるようになった自分のピッチングを見せたい」

　石井監督も投手陣の鍵を握る一人として田嶋の名前を挙げており、「非常にタフな投手。連投のきく投手。投球術を兼ね備えた投手」と絶賛。さらに「前回悔しい思いもしているので、今回は期待している」と話している。

指揮官は投打のバランス重視「一戦必勝の社会人野球がどこまで通用するか」

　一方、指揮官が打線のポイントになる選手として挙げたのが、田中俊太内野手（日立製作所）。広島東洋の不動のリードオフマン・田中広輔内野手の弟で、こちらも今秋のドラフト候補選手だ。

　石井監督は「田中俊太選手に中軸を打ってもらう」と明言。「外に出ていくと長打力が非常に難しい。長打を打てる選手をしっかりそろえて切れ目のない打順ができればいい」と、その意図を明かした。本人も自覚は十分で「社会人代表に招集してもらったことに誇りを持って、レベルの高いプレー、意識力のある野球をすることに強い気持ちを持って挑みたい」と意気込んでいる。

　また、指揮官は慶応大の後輩でもある佐藤旭（東芝）を主将に選出した。24歳の外野手をリーダーに指名した意図については「若いチーム、24歳、25歳の年代のチームを引っ張れる人間ということでキャプテンを考えた。人間的にも苦労人。縁の下の力持ち。裏方に回ってチームを支える精神は素晴らしいということで選んだ」と説明。佐藤も「技術的なところは高いレベルを持った選手が揃っている。気持ちの部分で引っ張っていきたい」と、自身の役割を十分に理解している。

　「社会人野球の選手は、都市対抗野球大会、社会人日本選手権など一発勝負の戦いに慣れており、短期決戦で力を発揮する術を身につけていることは強みだろう」と、石井監督は言う。

「各地区の推薦、さらに都市対抗の実績を残した選手。それを合わせて選考合宿を行い、最終24名を選んだ。投打のバランス、長打力、投手で言えば内角の速い球。過去の反省を踏まえ今回選考した。まずは投打のバランスがいい形でチーム編成をしたい。パワーとスピードに勝る相手に対してどういった野球ができるか。一戦必勝の社会人野球がどこまで通用するか、ここまで戦ってきた。しっかりと戦えるチームを目指していきたい」

　昨年から、アジア選手権ではU-12代表、U-18代表、女子代表が頂点に輝いてきた。「アジアNO1」を奪還するために、社会人野球の精鋭たちが大会に挑む。

【了】

記事提供＝Full-Count
写真提供＝Getty Images