侍ジャパン女子代表、1試合残してアジアカップ初代王者に! 開幕4連勝で決めた

2017.9.6

香港で開催されている「第1回 BFA 女子野球アジアカップ」は5日、大会4日目が行われ、侍ジャパン女子代表は地元・香港に2-0で勝利。開幕から無傷の4連勝とし、最終戦を待たずして優勝を決めた。

写真提供=Getty Images

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最終戦を待たずして初優勝、橘田監督「いや~、本当にしんどかった」

 香港で開催されている「第1回 BFA 女子野球アジアカップ」は5日、大会4日目が行われ、侍ジャパン女子代表は地元・香港に2-0で勝利。開幕から無傷の4連勝とし、最終戦を待たずして優勝を決めた。

 7回2死二塁。マウンド上の3番手・姫野真由(花咲徳栄高)は「思いっきり全力で」右腕を振った。糸を引くように伸びていった直球は右打者の外角低めへ。一拍置いて、主審の右手が上がった。2-0で接戦を制し、橘田恵監督は「しんどい戦いになるというのは覚悟していたんですけど、こうもしんどいとは思っていませんでした。いや~、本当にしんどかったですね」と息をついた。

 指揮官が繰り返した通り、「しんどい」戦いになった。初回は1番・蛭田菜月(埼玉栄高)が四球を選び、2番・吉井温愛(履正社高)が犠打を決めると、蛭田は相手の守りのミスを突いて三塁まで到達。3番・渡辺那奈(作新学院高)がライトへきっちりと犠飛を放ち、先制した。しかし、2回はヒットが1本出たものの、3つのアウトが全てフライだった。

 3回、この回、先頭の9番・安達瑠(京都両洋高)がベンチからの指示でセーフティバントを試みると、俊足を飛ばしてセーフ。すかさず盗塁を決めた。1番・蛭田は右飛に倒れ、1死二塁となったが、2番・吉井がバント。スタートを切っていた安達は「吉井がバントをしたら、1本でホームまで帰ってやろうという気持ちがあったので迷わず行けました」と、三塁手が一塁に投げた瞬間に三塁ベースを蹴って一気にホームインした。

 だが、4回以降もフライアウトが多く、走塁でのミスもあり、なかなか思うような展開にできなかった。橘田監督は「日本のバッター陣が大きい当たりを狙っているような打ち方でした。昨日、打っていた子たちを見て、私も、私もというような簡単な考えが容易に出てしまったかなと。高校生の難しさを感じた試合でした」と厳しかった。

香港戦は苦戦も指揮官は選手を称賛「彼女たちなりに考えてやってくれている」

 投手陣も走者を背負う苦しいピッチングになった。日本の先発・小野あゆみ(埼玉栄高)は「緊張して力が入りすぎてしまいました」と、いきなり四球と左前打で無死一、二塁とされた。さらに犠打も決められ、1死二、三塁を作られた。そこから三ゴロとカーブで空振り三振を奪い、ピンチを脱したが、早々にピンチを招き、「いつも通りのピッチングができませんでした。自分のピッチングに納得がいきません」と唇をかんだ。

 2番手・松島瑠菜(履正社高)も4回に四球と安打で無死一、二塁とされ、3番手の姫野は6回に連打を浴びてやはりノーアウトから走者を背負った。こうしたピンチはあったが、日本の堅い守りと投手自身の踏ん張りでホームだけは死守した。この堅守には、厳しい表情だった橘田監督も「特に内野の選手たちがよく踏ん張ってくれました。ランナーがいて、ここでミスをしたらいけないという場面もしっかりと守ってくれた。そこは日本らしさを見せてくれたと思います。合格です」と褒めた。

 日本は韓国、チャイニーズ・タイペイ、パキスタンに3連勝。仮に最終戦でインドに敗れても、この香港戦で勝利すれば直接対決の結果で優勝が決まることになっていた。目指してきたアジアチャンピオンがかかる一戦で、思うような展開は描けなかったが、勝利は取りこぼさなかった。

「苦しい戦いがいくつかありましたけど、初めての国際大会で彼女たちなりに考えて、毎日、やってくれています。日々、成長を感じるなと昨日、発言してしまったのがよくなかったのかも」

 試合後にはこう言って苦笑した指揮官。残るは、5戦全勝をかけた6日のインドとの最終戦。ここまでチームをまとめてきた吉井主将は「疲労はあると思うんですけど、最終戦なので悔いの残らないようにいいプレーをしていきたいと思います」と気を引き締めた。

【了】

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