侍ジャパン女子代表が開幕2連勝 6回一挙6得点で逆転、吉井主将「素直に嬉しい」

2017.9.3

香港で開催されている「第1回 BFA 女子野球アジアカップ」は3日、大会2日目が行われ、18歳以下のメンバーで臨んでいる侍ジャパン女子代表はチャイニーズ・タイペイに6-1で勝利した。4回に1点を失ったが、6回に打者一巡の猛攻を見せて逆転勝ち。初日の韓国戦に続き、2連勝となった。

写真提供=Getty Images

写真提供=Getty Images

2戦目の相手はチャイニーズ・タイペイ、最大のヤマ場で劣勢跳ね返し勝利

 香港で開催されている「第1回 BFA 女子野球アジアカップ」は3日、大会2日目が行われ、18歳以下のメンバーで臨んでいる侍ジャパン女子代表はチャイニーズ・タイペイに6-1で勝利した。4回に1点を失ったが、6回に打者一巡の猛攻を見せて逆転勝ち。初日の韓国戦に続き、2連勝となった。

 劣勢を最後に跳ね返し、勝利を掴みとった瞬間、グラウンドいっぱいに高校生らしい笑顔が弾けた。今大会はこのチャイニーズ・タイペイ戦が最大のヤマ場と目されていただけに吉井温愛主将(履正社高)は「素直に嬉しいです」と頬を緩め、「ノックを見た時から、うまいなぁと感じていました。守っていても打球が速かったですし、外野まで簡単に飛ばされていた。点が入るまでは焦りがあって、バタバタしていたんですけど、1点が入ったあたりから自分たちの持ち味の元気を出して足を絡めた攻撃ができたかなと思います」と振り返った。

 前日の夜に先発を告げられ、緊張のマウンドとなった水流麻夏(神戸弘陵学園高)はカーブでストライクを取り、低めを丁寧に突いた投球を見せた。ライト・渡辺那奈(作新学院高)が1回と3回にライトゴロを完成させたり、ショート・吉井主将が強い打球に飛びついてアウトを奪ったりと、守備にも助けられた。

 0-0で試合は進み、味方の援護を待ったが、4回に先制を許した。1死から四球を与えると、バントで二塁に送られ、2死二塁からライト線への適時二塁打を浴びた。2ストライクと追い込んでおり、外角の変化球で1球、外すつもりだったが、抜けた甘いボールを痛打された。水流は「先制点は絶対に取られてはダメだと思っていたので、悔しかったです」と唇を噛んだが、4回を3安打1失点と試合を作った。

 5回には2番手・松島瑠菜(履正社高)が2死から三塁線を破る二塁打を打たれたが、次打者を遊ゴロに打ち取り、ワンバウンドした送球を、一塁を守る蜜浦さくら(履正社高)が好捕。堅い守備力を見せつけた。そして6回、「チャイニーズ・タイペイ戦が事実上の決勝戦だと言われていたので、強い気持ちで臨みました」と話す3番手・大野七海(福知山成美)が空振り三振、レフトライナー、投ゴロと3者凡退に抑えると、日本に流れが傾いた。

橘田監督は反省材料を挙げる「最低のところを想定できる準備ができていたら…」

 その裏の攻撃。1死から9番・安達瑠(京都両洋高)が、相手が警戒する中で三塁方向にセーフティバント。送球エラーを誘って出塁した。1番・蛭田菜月(埼玉栄高)が右中間への安打で続き、1死一、三塁。ここで橘田恵監督はタイムを取った。三塁走者、一塁走者、そして打者がそれぞれ何をすべきかを確認したが、スムーズに作戦は敢行できず、打者の吉井主将は2ストライクと追い込まれた。

「監督が『思い切っていけ』と言ってくださったので、ストライクが来たら行ってやろうと思って、とにかく振りました」と吉井主将。左打席から逆らわずにレフトへ打球をはじき返し、同点に追いついた。3番・渡辺も右前打で続き、1死満塁から途中出場の金満梨々那(開志学園高)の遊ゴロの間に勝ち越し。その後、2つの暴投で2点を加え、なおも2死二、三塁から7番・蜜浦が左中間を破る2点適時二塁打を放った。一挙6点で逆転した日本。7回を大野が締め、2連勝を飾った。

 1、2回とヒットで走者が出たが、いずれも盗塁で失敗。橘田監督は「初回は相手が作戦を練っていたところにまんまとはまってしまった。2回以降もやることやることが全然、いい方向に進まなくて、選手も焦ったと思います」と振り返った。

 高校生年代での代表だけに、経験不足は否めない。言葉でしっかりと伝えること、あらゆる状況を想定することの重要性を再認識した様子だ。「サインプレーで伝えること、日本語で伝えること、いずれもいい想定、成功の想定しかできていませんでした。成功の結果、イーブンの結果、最低の結果とあるので、その最低のところを想定できる準備ができていたら、もうちょっと違ったんじゃないかなと思います」と、この日の反省は次戦以降に生かすつもりだ。

 序盤は我慢の展開が続いたが、3投手が堅守でゲームを作り、最後にチャイニーズ・タイペイの守備を崩して勝利した日本。4日はパキスタン戦。「気持ちを切り替えて、一戦一戦、一生懸命、元気を出して戦っていきたいです」と吉井主将が言えば、6、7回を好投した大野も「全員で1つになって、1戦1戦、気を抜かないで頑張りたいです」と意気込んだ。

【了】

記事提供=Full-Count
写真提供=Getty Images

NEWS新着記事