侍ジャパン女子代表、アジアカップ初戦は韓国に快勝 初陣飾った橘田新監督「褒めてあげたい」
「第1回 BFA 女子野球アジアカップ」(香港)が2日、開幕した。日本は韓国と対戦し、11-0の5回コールド勝ち。韓国の守備の隙をつき、二盗、三盗と足を絡めて得点を重ねた。投げては、3投手で完封リレー。投打がかみ合った。
写真提供=Getty Images
3選手が体調崩すハプニングも乗り越え「最悪の想定で自分たちの野球ができた」
「第1回 BFA 女子野球アジアカップ」(香港)が2日、開幕した。日本は韓国と対戦し、11-0の5回コールド勝ち。韓国の守備の隙をつき、二盗、三盗と足を絡めて得点を重ねた。投げては、3投手で完封リレー。投打がかみ合った。
初陣でコールド勝ちを収め、今大会から侍ジャパン女子代表を指揮する橘田恵監督は「最悪の想定で自分たちの野球ができたので、そこは褒めてあげたいと思います」と胸をなでおろした。指揮官が言う「最悪の想定」とは、オーダーの大幅変更だ。「実は昨日、病院に選手が3人、行きまして」。今大会は18歳以下の選手で臨んでいるが、環境の変化などで体調を崩した選手がおり、予定していた打順は組めなかった。それでも、初回から得点を重ね、9安打11得点で圧勝した。
日本は初回、2死から先取点を奪った。3番・渡辺那奈(作新学院高)がサード内野安打で出塁。韓国の投手のボールを待ちきれず、バットの先に当たったが、その打球がゆるく転がったために命拾いした。「(打った瞬間は)やっちゃった、と思いましたが、全力で走ってセーフになってよかったです」と渡辺。4番・金満梨々那(開志学園高)への初球ですかさず盗塁を決めると、金満の遊失でホームイン。「かえってこられてよかった」と笑顔が弾けた。
2回には、この回、先頭の6番・小野あゆみ(埼玉栄高)がストレートの四球で出塁。盗塁で無死二塁とすると、7番・遠藤佳菜子(作新学院高)がセンター前へタイムリーを放った。遠藤は二盗に続き、三盗も成功させ、8番・阿部希(福知山成美高)の遊失でホームを踏んだ。韓国はここで投手を交代。阿部はすかさず盗塁を決め、無死二塁とすると、9番・池本歩莉(埼玉栄高)は右飛に倒れたが、1番・北山未来(履正社高)の投前バントで三塁を蹴って一気にホームまで帰った。
投手陣も3投手で無失点、吉井主将は「自分たちの野球ができた」
3回にも、4盗塁のほか、一塁けん制を誘って二塁を陥れるなど、長短打に足を絡めて6点を奪った日本。5回には三塁走者の阿部がキャッチャーファウルフライでホームにタッチアップして追加点を挙げた。
投げては、3投手がゼロでつないだ。先発を任されたのは今井巴菜(神村学園高)。前日の練習に向かうバスの中で告げられ、「びっくりした」としながらも、「小学2年からずっとピッチャーなので緊張はしませんでした」と強心臓ぶりを発揮した。初回は空振り三振、捕邪飛、一飛の3者凡退。2回は先頭打者の一塁後方へのヒットを許したが、続く打者の飛球をライト・渡辺が「普通のフライだと思ったけど、打球が伸びてきてドキドキした」と後ろへ追いかけながらキャッチ。さらに見逃し三振、空振り三振でピシャリと抑えた。
3回は小田嶋真美(横浜隼人高)が1死から四球を与えたものの、牽制で挟んでアウトを奪い、3人で終わらせる。3番手の姫野真由(花咲徳栄高)は4回に四球を出しながら、併殺で切り抜け、5回も3人で締めた。
橘田監督は「投手陣に関してはよくやってくれたと思います。初戦の入り方というのは難しかったと思うんですけど、ストレートが走っていました。ここにきて、全投手がいいコンディションで挑めていますので、そういった部分では申し分ない結果だったと思います」と合格点を与えた。
初代女王を目指す戦いで好スタートを切り、吉井温愛主将(履正社高)は「最初は緊張していたと思うけど、回を追うごとに緊張がほぐれてきて自分たちの野球ができたと思います」と安堵。3日はチャイニーズ・タイペイ戦。台風が近づいているが、初陣を飾った橘田監督は「天気は心配しているが、(試合が)あるという前提で、全力で明日に向けて準備を整えたいと思います」と意気込んだ。
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