「第1回 BFA 女子野球アジアカップ」が2日に開幕 18歳以下で臨む日本は初代王者に輝けるか

2017.9.1

初開催となる「第1回 BFA 女子野球アジアカップ」(香港)が、9月2日に開幕する。侍ジャパン女子代表は、全員が18歳以下のメンバー構成で出場。橘田恵新監督のもと、初代王者を目指す。

写真提供=Getty Images

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日本は橘田新監督のもと、全員が18歳以下のメンバー構成で出場へ

 初開催となる「第1回 BFA 女子野球アジアカップ」(香港)が、9月2日に開幕する。侍ジャパン女子代表は、全員が18歳以下のメンバー構成で出場。橘田恵新監督のもと、初代王者を目指す。8月27日からは4日間の直前合宿を神奈川県川崎市内で実施し、最後の準備を整えた。

 侍ジャパン女子代表は、約10年にわたって「世界一」の座を守ってきた。「WBSC 女子ワールドカップ」では、2008年の第3回大会(松山)で初優勝を成し遂げると、昨年9月の第7回大会(釜山)まで5連覇を達成。アメリカという強力なライバルがいながら、ワールドカップでは現在21連勝中となっている。

 ただ、今回のアジアカップは新たなチャレンジとなる。18歳以下の選手のみで大会に臨むのは、女子代表として初めての試み。ワールドカップでは、世界の戦いを知るベテランがチームの中心となり、牽引してきたが、新チームでは若い選手が経験を積み、大会を通じて成長していくことが必要となりそうだ。

 大会には、日本の他に韓国、チャイニーズ・タイペイ、パキスタン、香港、インドが出場。全6か国の総当り戦で、勝者には勝ち点3、引き分けは両者に同1が与えられ、敗者は同0。総勝ち点の最も多いチームが初代王者となる。

 日本の日程は以下の通りだ。

2日(土)16:00 韓国戦
3日(日)13:00 チャイニーズ・タイペイ戦
4日(月)10:00 パキスタン戦
5日(火)13:00 香港戦
6日(水)10:00 インド戦
(時間はすべて日本時間)

 現在、WBSC世界女子ランキングで見てみると、1位の日本の後にはカナダ、アメリカ、オーストラリア、ベネズエラと続き、アジア勢ではチャイニーズ・タイペイが6位、韓国が7位と続いている。さらに、香港は10位、インドは11位、パキスタンは12位。日本にとっては、まずは最初の2試合が大きなヤマ場となりそうだ。

注目される橘田新監督の“カラー”、ライバル、新戦力の台頭

 特に、チャイニーズ・タイペイは近年、確実に力をつけてきている。昨年のワールドカップでは、オープニングラウンドでオーストラリアに12-4で快勝すると、アメリカにも1-2と善戦。1位となり、アメリカのスーパーラウンド進出を阻む番狂わせを起こした。さらに、スーパーラウンドでは日本に0-10で完敗したものの、ベネズエラと0-2、カナダと1-2と強豪に互角に渡り合った。今大会では、日本の最大のライバルとなる可能性が高い。

 また、大きなポイントとなるのが、橘田新監督の采配だ。日本の5連覇のうち、4大会で監督を務めた大倉孝一氏が退任。史上初の女性監督が誕生した。大倉前監督が作り上げ、世界を舞台に圧倒的な強さを見せつけていた「日本の野球」は、橘田新監督の元でどのように変わっていくのか。

 大倉氏は、橘田新監督に「監督というのは自分が思うことをやる。それが選ばれた監督じゃないかなと思います。僕は途中でだんだんそういう感覚になっていったんです。なぜなら、『大倉孝一は大倉孝一だから』と。そのために自分がここにいるんだ、と。それをやって出た結果の責任を負うのが、代表監督の意義ではないのかと」と“アドバイス”を送る。実際に、電話で橘田新監督本人に「自分の野球をするために監督になったんだから、思うようにやれ」と伝えたという。それだけに、橘田新監督の“カラー”に注目が集まる。

 来年には、第8回ワールドカップが開催される予定。大倉氏は、その前年に18歳以下のメンバー構成でアジアカップに臨むことについて「有意義だと思います。経験する、見るということは、ものすごい成長につながると思います」と話す。若い選手たちにとって、国際大会での経験は、かけがえのないものになるという。このアジアカップで結果を残し、橘田新監督へのアピールに成功した選手は、来年は新戦力として世界への扉を開くことになるかもしれない。

 日本女子野球の新たな可能性を見せつける――。世界王者としての力を証明し、なおかつ戦力の底上げを進める有意義な大会にしたいところだ。

【了】

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