井端弘和監督が精鋭18選手と目指すアジアの頂点 U-15代表で伝えたいメッセージ
野球日本代表「侍ジャパン」U-15代表は8月17日から7日間の日程で、台湾・台南を舞台に開催される「第12回 BFA U15アジア選手権」(以下、アジア選手権)に出場する。チームを率いるのは、トップチームと兼任する井端弘和監督。デジタルチャレンジ、そして最終トライアウトを経て代表入りした精鋭18選手と、2大会ぶりの優勝を目指す。

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8月17日に台湾で開幕する「第12回 BFA U15アジア選手権」
野球日本代表「侍ジャパン」U-15代表は8月17日から7日間の日程で、台湾・台南を舞台に開催される「第12回 BFA U15アジア選手権」(以下、アジア選手権)に出場する。チームを率いるのは、トップチームと兼任する井端弘和監督。デジタルチャレンジ、そして最終トライアウトを経て代表入りした精鋭18選手と、2大会ぶりの優勝を目指す。
第1回大会が開催されたのは2000年のこと。以来、隔年開催を基本としてアジア各地を舞台に行われ、今回で12回目を迎える。日本はこれまで3度の優勝(2008、2017,2019年)と5度の準優勝を誇り、2008年の第5回大会以降は毎回決勝へと駒を進めている。
2023年の前回大会(中国・威海)は、オープニングラウンドとスーパーラウンドを5戦全勝で通過したが、決勝ではチャイニーズ・タイペイに4-6で逆転負け。惜しくも大会3連覇を果たすことはできなかった。
井端監督“初陣”は「第6回 WBSC U-15ワールドカップ」で初優勝
井端監督は2022年からU-12代表を率いていたが、翌年10月にトップチームの監督に就任。同時にU-12に代わり、U-15代表監督を兼任することが発表された。U-15代表を初めて指揮した2024年の「第6回 WBSC U-15ワールドカップ」では、決勝でプエルトリコに1点差まで追い上げられながらも7-6で逃げ切り、記念すべき初優勝を達成した。
井端監督がU-12代表、U-15代表らアンダー世代に伝え続けているメッセージがある。それが「バントをしない打ち勝つ野球をすること」と「ミスをした後のプレーの大切さ」だ。根底にあるのは、小さくまとまらずに伸び伸びと野球をしてほしいという願いでもある。
まずは、打席でバントなどに頼らず、しっかりバットを振れるようになること。そして、ミスを恐れず、積極的なプレーに取り組むこと。この2つが基本として備われば、高校進学以降も秘める才能が大きく花開く可能性が広がるという。
7月に最終トライアルを実施「選手の実力が拮抗している」
今回のアジア選手権に向けた選手選考は、動画選考(デジタルチャレンジ)を通過した41人が最終トライアウトに参加。7月に2回にわけて開催され、井端監督、吉見一起コーチ、長野信隆コーチ(日向ボーイズ)、加藤礼絃コーチ(熊谷リトルシニア)が見守る中、塁間駆け抜けのタイム測定、キャッチボール、シートノック、捕手の二塁送球タイム測定、実戦形式のシート打撃などが行われた。
シート打撃では井端監督が自ら打席に立って、投手1人1人の球筋を確認。「スピードガンでは同じ球速だったとしても、1人1人球筋が違いますし、むしろ遅くても切れのいいボールというのもあります。それは実際に打席に立ってみないとわかりませんから」と話していた。
選手・保護者との面談も行った指揮官は「候補選手の実力が拮抗していて、甲乙つけ難い。(選考は)非常に悩みます」と頭を悩ませながらも、7月18日に代表選手18人を発表。12日から都内近郊で実施される事前合宿でチームとしての結束を高めていく。
NPBで活躍する大会OBも多数
中学時代に本大会へ出場し、のちにプロの門を叩いた選手は少なくない。最近では、内山壮真捕手(東京ヤクルト)、根本悠楓投手(北海道日本ハム)、寺西成騎投手(オリックス)、浅野翔吾外野手(読売)」らが名を連ねる。いずれもU-15代表での経験を生かし、のちに大きく羽ばたいた。
海外で開催される大会に出場すること、海外の同世代選手と対戦することなど、普段はできない貴重な経験を積むことは、選手にとってかけがえのない宝物となるはずだ。井端監督の下、伸び伸び野球を実践し、2大会ぶりの頂点をつかんでくる。
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