国際大会の経験を経てMLBの舞台へ… 2025年にMLBでプレーする侍ジャパン戦士たち

2025.3.17

3月18、19日の2日間、東京ドームを舞台に「MLB東京シリーズ」が開催され、2025シーズンが開幕する。2019年以来5年ぶりとなる日本開催は、昨季ワールドシリーズ覇者で大谷翔平選手、山本由伸投手、佐々木朗希投手を擁するロサンゼルス・ドジャースと、鈴木誠也外野手と今永昇太投手を擁するシカゴ・カブスが対決。観戦チケットは入手困難でプラチナチケットと化すなど、大きな盛り上がりを見せている。

写真提供=Getty Images

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MLB東京シリーズには侍戦士5人が出場

 3月18、19日の2日間、東京ドームを舞台に「MLB東京シリーズ」が開催され、2025シーズンが開幕する。2019年以来5年ぶりとなる日本開催は、昨季ワールドシリーズ覇者で大谷翔平選手、山本由伸投手、佐々木朗希投手を擁するロサンゼルス・ドジャースと、鈴木誠也外野手と今永昇太投手を擁するシカゴ・カブスが対決。観戦チケットは入手困難でプラチナチケットと化すなど、大きな盛り上がりを見せている。

 本国での開幕戦は27日(日本時間28日)。今季は15人の日本人選手(マイナー契約を含む)が“世界一”の称号を目指し、チームのために渾身のプレーで勝利を掴みにいくわけだが、15人のうち、実に14人が侍ジャパン経験者であることをご存じだろうか。

2023年のWBC優勝メンバーからは8人がプレー

 日本で開幕を迎える大谷選手、山本投手、佐々木投手、今永投手は「2023 WORLD BASEBALL CLASSIC™」(以下WBC)で劇的な勝利を重ね、3大会ぶりの王座奪還を果たしたチームメートだ。鈴木選手も代表選出されたが、スプリングトレーニングで負傷し、残念ながら出場を辞退。WBCの歓喜は味わえなかったものの、2021年には山本投手とともに東京で金メダルを首に掛けた。

 WBC優勝メンバーを見てみると、ダルビッシュ有投手と松井裕樹投手(ともにサンディエゴ・パドレス)、吉田正尚外野手(ボストン・レッドソックス)も出場。登録30選手のうち7選手、ラーズ・ヌートバー外野手(セントルイス・カージナルス)を加えれば8選手がメジャーの舞台で戦っている。

 鈴木選手とともに、2021年東京で金メダルを掴んだメンバーとしては、千賀滉大投手(ニューヨーク・メッツ)、山本投手、吉田選手、そして青柳晃洋投手(フィラデルフィア・フィリーズ傘下マイナー)の名前が並ぶ。今季から新天地へと移った青柳投手は、メジャーでも数少ないサイドスローでメジャー昇格への道を切り拓く。


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日本のエースとして国際経験を重ねた菅野は今季から移籍

 青柳投手、佐々木投手とともに今年、太平洋を越え、新たな挑戦に臨むのが菅野智之投手(ボルチモア・オリオールズ)と小笠原慎之介投手(ワシントン・ナショナルズ)だ。菅野投手は2015年の「世界野球WBSCプレミア12」でトップチームに初選出されると、2017年には第4回WBCに出場。2018年以降はコンディション不良が重なり、縦縞のユニホームに袖を通してはいないが、日本のエースとして国際舞台での経験を重ねた。

 小笠原投手はトップチームでの選出こそないが、2015年にU-18代表として「第27回 WBSC U-18ベースボールワールドカップ」に出場。2試合に投げて8イニングを無失点に抑える好投を見せるなど、プロ入り前に世界の野球を肌で感じる経験をしている。

 同じくU-18代表経験を持つのが、シアトル・マリナーズとマイナー契約を結んだ藤浪晋太郎投手だ。2012年に「第25回AAA世界野球選手権大会」に出場し、4試合に投げて防御率1.11の好成績でオールスターチームにも選ばれた。中学時代にも「AA世界野球選手権大会」でプレーするなど国際経験豊富で、プロ入り後は2014年の「日米野球」、2017年の第5回WBCに出場している。

意外にも侍ジャパン経験のない菊池は2026年に向けて意欲

 デトロイト・タイガースの前田健太投手も日本代表経験が豊富な1人。2013年の第3回WBCでは日本のエースとして2勝1敗ながら防御率0.60と好投。2015年のプレミア12でも2試合に投げて1勝を挙げた。

 意外にも侍ジャパンの経験を持たないのが、日本人左腕最多となるメジャー41勝を誇る菊池雄星投手(ロサンゼルス・エンゼルス)だ。今季開幕投手を務める左腕は、2月にトップチームの井端弘和監督がスプリングトレーニングへ視察に訪れた際、2026年に開催される第6回WBC出場について「健康であれば前向きに考えたいと思います」と意欲を見せている。

 WBCやプレミア12などの国際大会を経験することで、より強く世界の野球を意識するようになる選手は多い。また、戦いの場をメジャーに移した後も積極的に侍ジャパンに参加し、自身の経験を伝える選手も増えた。「侍ジャパン」はこれまでも、そしてこれからも、選手たちが様々な刺激を受ける貴重な場所となっていく。

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