侍ジャパン、連覇に一歩及ばず 悔しい準優勝も井端監督「選手に感謝したい」
野球日本代表「侍ジャパン」は24日、東京ドームで行われた「ラグザス presents 第3回WBSCプレミア12」決勝でチャイニーズ・タイペイに0-4で敗れ、惜しくも準優勝に終わった。先発・戸郷翔征投手(読売)が5回に2発を浴びて4失点。リリーフ陣は懸命の投球でそれ以上の失点を許さなかったが、打線も相手投手陣を攻略できなかった。今大会は8勝1敗。圧倒的な強さを見せながら、最後の最後で無念の結果となった。
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国際大会の連勝は27でストップ 指揮官「選手には申し訳ない」
野球日本代表「侍ジャパン」は24日、東京ドームで行われた「ラグザス presents 第3回WBSCプレミア12」決勝でチャイニーズ・タイペイに0-4で敗れ、惜しくも準優勝に終わった。先発・戸郷翔征投手(読売)が5回に2発を浴びて4失点。リリーフ陣は懸命の投球でそれ以上の失点を許さなかったが、打線も相手投手陣を攻略できなかった。今大会は8勝1敗。圧倒的な強さを見せながら、最後の最後で無念の結果となった。
9回1死一塁、栗原陵矢内野手(福岡ソフトバンク)の強烈な打球が一塁ライナーの併殺打でゲームセット。その瞬間に侍ジャパンの国際大会連勝は「27」でストップした。大会初の全勝Vも連覇も成し遂げることはできず。当然、悔しさが募る。井端弘和監督は「選手の頑張りでここまで来られた。最後勝たせられなかったのは私の責任。選手には申し訳ない気持ちでいっぱいです」と語った。
戸郷が5回にまさかの2被弾「戸郷でいける、というのが自分の判断」
魔の5回だった。そこまで走者を出しながらも要所を締めていた戸郷投手が2発を浴びた。この回先頭のリン・ジャーチェン捕手に先制アーチを被弾。さらに1死から安打と四球で一、二塁とされ、打撃好調で岡山県共生高出身のチェン・ジェシェン外野手にフルカウントから内角低めの150キロ直球を右翼席に叩き込まれた。フォークを見極められたのも痛かった。
継投のタイミングも難しかったが、指揮官は「戸郷投手はジャイアンツのエース。あそこで抑えて、というのを期待した。結果、打たれたのは全て私の責任。(継投せずに)戸郷でいける、というのが自分の判断だったのでいかせました」と振り返った。
それでも侍投手陣の失点はその回だけ。2番手・隅田知一郎投手(埼玉西武)は7回1死二、三塁、3番手・藤平尚真投手(東北楽天)は8回無死二塁のピンチを背負いながらも点を許さなかった。相手打線は4点を先行して勢いに乗っていたが、それを上回る気迫満点の投球だった。
打線は散発4安打とチャイニーズ・タイペイ投手陣を攻略できず
侍打線はチャイニーズ・タイペイ先発の左腕リン・ユーミン投手に4回まで1安打。左打者はスライダーに手こずり、右打者はチェンジアップに翻弄されてリズムを崩した。5回以降も、かつてオリックスや埼玉西武に在籍した右腕ジャン・イー(張奕)投手や元横浜DeNA、千葉ロッテの左腕チェン・グァンユウ投手らに抑え込まれ、得点できなかった。
「どのピッチャーも素晴らしかったので、なかなか打つことができなかった」と井端監督。ここまで猛打を誇っていたのが嘘のような、わずか4安打の零封負け。この日ばかりは最後まで流れをつかめなかった。
敗戦も今後の糧 井端監督は「各選手が胸に刻んで頑張ってほしい」
とはいえ、侍ジャパンの今大会の成績は8勝1敗。決勝こそ白星を逃したが、選手それぞれが持ち味も発揮する戦い方で、その強さは際立っていた。指揮官は「これだけ過酷なスケジュールで選手がよくやってくれました。本当に選手に感謝したいなと思います」とナインを称えた。そして「選手は大会を通じて技術も上がったと思いますし、精神的にも肉体的にも強くなった。自信をつけた選手もいると思いますので、さらに成長してくれるとうれしいなと思います」と期待を込めた。
2026年には2連覇を目指すWORLD BASEBALL CLASSIC™も控えている。「今日勝てなかったというのは各選手が胸に刻んでもらって、これからも頑張ってもらえればと思います」と井端監督。悔しい敗戦を今後のバネとし、侍ジャパンは前に向かって歩み続ける。
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