井上温大が侍ジャパン初勝利「自信になる」 敵将お手上げ「とにかくいい投手」

2024.11.14

井端弘和監督が率いる野球日本代表「侍ジャパン」は13日、「ラグザス presents 第3回WBSCプレミア12」のオープニングラウンド、グループB・オーストラリア戦に9-3で快勝し、初陣を白星で飾った。先発を任された井上温大投手(読売)は6回途中5安打2失点と好投。侍デビュー戦で初勝利を飾った。

写真提供=Getty Images

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6回途中5安打2失点と好投「初戦は大事な試合だと自分でも感じていた」

 井端弘和監督が率いる野球日本代表「侍ジャパン」は13日、「ラグザス presents 第3回WBSCプレミア12」のオープニングラウンド、グループB・オーストラリア戦に9-3で快勝し、初陣を白星で飾った。先発を任された井上温大投手(読売)は6回途中5安打2失点と好投。侍デビュー戦で初勝利を飾った。

 最速149キロの切れのある速球が外角低めに決まる。井上投手が顔を上げると、バットは空を切っていた。2点リードの3回2死。今年のMLBドラフトで、オーストラリア出身選手として初めて全体1位指名を受けたトラビス・バザーナ内野手(クリーブランド・ガーディアンズ傘下マイナー)から空振り三振を奪った。

「初戦は大事な試合だと自分でも感じていた。形は悪くても何とかゼロに抑えて試合を作ろうと思っていた。5回を投げ切って、試合を作れて良かったと思います」

追加招集で侍ジャパン初選出、開幕投手の大役に抜擢

 伊藤大海投手(北海道日本ハム)ら5選手がコンディション不良などにより出場を辞退すると、追加招集で侍ジャパン初選出。いきなり開幕投手に抜擢された。初回2死三塁のピンチを切り抜けると、2、3回と3者凡退に。5回まで毎回の8奪三振に無四球を記録。4回2死一塁では一塁牽制でアウトを奪うなど、日の丸デビューとは思えない落ち着いた投球を見せた。

「ストレートが一番良かったなと感じています。ファウル、空振りが取れていた。自分の持ち味であるストレートで、これからもやっていけると思いました」。初回に帽子が8度飛ぶハプニングにもめげず、6回途中74球と試合を作った。

 オーストラリアにもインパクトを与える投球となった。中日時代に「ディンゴ」の登録名で愛されたデービッド・ニルソン監督は「とにかくいい投手だ。ストレートは効くし、カーブもスライダーも(素晴らしい)。緩急を使える、いい投手だった」とお手上げ。バザーナ選手は「真ん中より浮いてきた球を狙った。確かに素晴らしい投手だった」と賛辞を送るしかなかった。


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プロ5年目で才能開花、井端監督「精神的、技術的に一段上がった」

 井上投手は2019年ドラフト4位で読売に入団。昨季まで通算1勝だったが、高卒5年目の今季は8勝5敗、防御率2.76と才能を開花させた。レギュラーシーズン中から井上投手の投球に注目していたという井端監督は「初回は人生で一番緊張したと思う。そこをゼロで切り抜けて、レギュラーシーズンと変わらずにいい投球をしてくれた。(読売での)クライマックスシリーズのオープニングゲームで投げたことで、間違いなく、精神的、技術的に一段上がったんじゃないかと思います」と称えた。

 井端監督が現役時代を過ごした中日の本拠地・バンテリンドーム ナゴヤで白星を飾った侍ジャパンは、15日の韓国戦から舞台を台湾へ移す。井上投手は「普通だったら味わえない経験をしているので。こうやって1勝できたのも自信になると思います」と胸を張った。売り出し中の23歳と共に、井端ジャパンが2連覇へ好スタートを切った。

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