プレミア12連覇に向けたフレッシュな代表選出 井端弘和監督が見据える2026年WBC

2024.10.28

 11月9日から「ラグザス presents 第3回WBSCプレミア12」(以下プレミア12)が開幕する。参加する12チームは2グループに分かれてオープニングラウンドを戦い、それぞれ上位2チームが21日から東京ドームで行われるスーパーラウンドに進出し、優勝を目指す。

写真提供=Getty Images

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11月9日からメキシコと日本/台湾でオープングラウンド開催

 11月9日から「ラグザス presents 第3回WBSCプレミア12」(以下プレミア12)が開幕する。参加する12チームは2グループに分かれてオープニングラウンドを戦い、それぞれ上位2チームが21日から東京ドームで行われるスーパーラウンドに進出し、優勝を目指す。

 メキシコの2会場が舞台となるグループAには、メキシコ、米国、ベネズエラ、オランダ、パナマ、プエルトリコの6チーム、日本と台湾が舞台となるグループBには、日本、韓国、チャイニーズ・タイペイ、キューバ、ドミニカ共和国、オーストラリアの6チームが組み分けされた。いずれのグループも強豪揃いで、オープニングラウンドから目が離せない試合の数々が期待される。

 井端弘和監督率いる野球日本代表「侍ジャパン」は大会に先駆け、10月29日から「宮崎秋季キャンプ2024」を実施予定。同9日に発表された28選手は連係プレーなどを確認しながらチームとしての結束を高めた後、11月5日には広島東洋との練習試合に臨む。さらに、9日からはバンテリンドーム ナゴヤで「ラグザス 侍ジャパンシリーズ2024 日本vsチェコ」を2戦実施。2大会連続優勝に向けて、最終的なチューニングを行っていく。

WBCへの試金石ともなってきたプレミア12のチーム作り

 3回目を迎えるプレミア12は、これまで「WORLD BASEBALL CLASSIC™」(以下WBC)の2年後に開催され、2年後のWBCに向けたチーム作りの試金石にもなってきた。

 2015年の第1回大会では小久保裕紀監督が陣頭指揮を執り、菅野智之投手(読売)、大谷翔平投手(北海道日本ハム)、坂本勇人内野手(読売)、山田哲人内野手(東京ヤクルト)らが出場。日本はグループBを5勝無敗で1位通過し、決勝トーナメントでは準々決勝でプエルトリコに勝利したものの、準決勝で韓国に3-4と惜敗。最後はメキシコに11-1と圧勝して3位となった。

 その2年後の第4回WBCには、プレミア12を経験した14選手が出場。1次ラウンドから6戦全勝で決勝ラウンドの舞台・ロサンゼルスへ乗り込んだ日本は、準決勝で米国に1-2と一歩及ばず、3位に終わった。


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第2回プレミア12優勝からつながった2023年WBCの感動

 2019年の第2回プレミア12で侍ジャパンを率いたのは稲葉篤紀監督だった。指揮官は2年後のWBCを見据え、新進気鋭の若手を積極的に起用。山本由伸投手(オリックス)、今永昇太投手(横浜DeNA)らに加え、象徴的な存在だったのが周東佑京外野手(福岡ソフトバンク)だった。自慢の俊足でゲームを動かすキーマンとして勝利に貢献。ベテランと若手の働きがうまく噛み合った日本はスーパラウンドで米国に敗れたものの、決勝で韓国に勝利して見事優勝を飾った。

 歓喜の初優勝から半年も経たないうちに、新型コロナウイルス感染症が世界中を襲い、社会活動が一時停止する事態に見舞われた。野球の国際大会も次々と延期または中止が発表され、2021年に予定されていた第5回WBCは2023年まで延期。稲葉監督は2021年の東京で 日本を金メダルへ導いた後に退任し、WBCでは栗山英樹監督が指揮を執ることとなった。

 2023年、栗山ジャパンが決戦の地・マイアミで披露した激戦の数々はご存じの通り。第2回プレミア12に続き、日本はWBCでも世界の頂点に立つ偉業を成し遂げた。

初選出10人というフレッシュな顔ぶれの井端ジャパン

 今回、ディフェンディング王者として臨む第3回プレミア12を前に、井端監督は2026年に開催予定の第6回WBCまで侍ジャパンの指揮を執ることが決まった。2023年に就任して以来、精力的に活動する指揮官は、今年3月の「カーネクスト 侍ジャパンシリーズ2024 日本vs欧州代表」では大学生4選手をトップチームに招集するなど、新戦力の発掘に余念がない。第3回プレミア12を戦う28選手の中にも、北山亘基投手(北海道日本ハム)、横山陸人投手(千葉ロッテ)、五十幡亮汰外野手(北海道日本ハム)ら初選出となる10選手が含まれている。

 井端監督はメンバー発表時に「監督就任の打診を受けた時の『長く日本の野球が強くなり続けるために』『1人でも多くの国際大会(経験者)を』というスタンスに変わりはない」と、未来を見据えたチーム作りについて改めて言及。「失敗を恐れずに思いきってやってほしい」とも話し、初選出組を含むチーム全体の背中を押した。

 2年後のWBC連覇を見据える過程で目指すプレミア12の連覇。井端監督の下に集まる28人の侍戦士たちの活躍に期待したい。

()内の所属球団は当時のもの

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