第1回プレミア12で打率.611の活躍 中村晃が考える侍ジャパンの強みとは

2024.10.21

「ラグザス presents 第3回WBSCプレミア12」が11月9日に開幕する。2019年以来、5年ぶりの開催となる同大会。野球日本代表「侍ジャパン」にとって連覇のかかる戦いだ。「感動や野球の魅力を色んな人に知ってもらえるような大会になればいいなと思っています」。そう話したのは、2015年の第1回大会に出場した福岡ソフトバンクの中村晃外野手だ。

写真提供=Getty Images

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2015年の第1回プレミア12に参加「独特の雰囲気はありました」

「ラグザス presents 第3回WBSCプレミア12」が11月9日に開幕する。2019年以来、5年ぶりの開催となる同大会。野球日本代表「侍ジャパン」にとって連覇のかかる戦いだ。「感動や野球の魅力を色んな人に知ってもらえるような大会になればいいなと思っています」。そう話したのは、2015年の第1回大会に出場した福岡ソフトバンクの中村晃外野手だ。

 2006年に始まった「WORLD BASEBALL CLASSIC™(WBC)」から9年の時を経て、2015年に初開催されたプレミア12。大会規模や盛り上がりなど未知数な状況で代表入りした中村選手は「WBCに向けた国際試合という感覚でしたね。日本のチーム力を高めるいい機会だったのかなと思います」と振り返った。

 侍ジャパンは日本だけでなく、台湾でも試合を行った。「やっぱり独特の雰囲気はありましたね。台湾への移動もありましたし、球場もやっぱり日本みたいにしっかりとした環境ではなかった。練習時間も短いですし、そういう点では国際試合をやっているなという感じでした」。

 代表の指揮を執ったのは、NPBでも監督の経験がなかった小久保裕紀氏(現福岡ソフトバンク監督)だった。日本のトップ選手が集った中で、小久保監督はどのようなメッセージを送ったのか。中村選手はこう回顧する。

「日本の代表として、いろいろな方から見られる立場だった。1つ1つのプレーはもちろんですけど、それ以外の面でもしっかりとした、いい姿を見せられるように。そういう言葉があったと記憶しています」


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18打数11安打の打率.611と大暴れ「プレースタイルがはまった」

 チームの取り決めは細部にわたったという。「グラウンドに唾を吐かないとか、そういう基本的なことはミーティングで言われた気がします」。ふとした瞬間の振る舞いから気を付けるように伝えられた。「プロの中でも一流というか、活躍している選手たちが集まるので、細かいルールを決めるのはやっぱり難しいのかもしれないですけど。最初にある程度、そういったものは決められました」と話す。

 大会で中村選手は強烈なインパクトを与えた。全8試合のうち7試合に出場し、18打数11安打の打率.611をマーク。5戦目のベネズエラとの試合では、同点の9回1死満塁で左前適時打を放ち、チームをサヨナラ勝ちに導いた。

「強引にならないバッティングが一番大事なのかなと。僕はホームランバッターではないですし、まさにそういうプレースタイルだったので。それがうまくはまったというか、いい方向に出たのかなと思います」

 侍ジャパンは準決勝の韓国戦に3-4で敗れ、初代王者の座を逃した。それでも、世界との戦いで自身の持てる力を存分に示してみせた。

「やっぱり自信になりました。最初はスタメンじゃなかったので。大会が進むにつれて怪我人や不調の選手が出て、試合に出ることができた。そういう意味では、一流の選手たちがいる中でもスタメンまでいけたということは自信にはなりましたよね」

 大会で得た手ごたえが、さらなる成長につながったという。

第1回大会をともに戦った大谷を絶賛「努力は桁違いなんじゃないかな」

 秋山翔吾外野手(埼玉西武)、山田哲人内野手(東京ヤクルト)、中田翔内野手(北海道日本ハム)、坂本勇人内野手(読売)、筒香嘉智外野手(横浜DeNA)ら、そうそうたる強打者が集まった侍ジャパンには、大谷翔平投手(北海道日本ハム)も名を連ねた。大会では投手に専念し、打席に立つことはなかったが、中村選手も強い印象を抱いたという。

「選手としてのスケールの大きさはもちろん感じましたよね。本当に野球に対して真摯に向き合い続ける選手だなと。僕なんかは普通の人間なので、やっぱり遊びたい時や、飲みに行きたい時もあります。そういうことを一切やらずに、野球に向き合った結果が、ああいう選手になれた理由なんだと思います」

 その後に大谷選手がたどった軌跡は言うまでもない。ロサンゼルス・ドジャースに移籍した今季は、メジャーの舞台でナ・リーグトップの54本塁打、130打点を記録。59盗塁と合わせた史上初の「50-50」を達成するなど、野球の本場をも驚かせる活躍を見せている。

「当時もすごかったですけど、今はもうとんでもない感じがしますよね。本当に野球を極めていっているというか……。努力は桁違いなんじゃないかなと思います。そういうものがないと、ああいう数字は出せない。それだけ努力したということじゃないですかね」

第3回大会への期待「日本の良さは結束して戦うところ」

 10月9日には第3回プレミア12の代表メンバー28人が発表された。2023年のWBCで数々の激闘を制し、世界一に輝いた感動を再び期待する野球ファンも多い。

「個人個人の力もありますけど、やっぱり日本の良さは結束して戦っていくところにあると思うので。気迫を前面に出した一体感のあるチームで優勝をつかんでくれればいいなと思います」

 今季17年目を迎え、ベテランと呼ばれることも増えた34歳の中村選手。今も鮮明に焼き付いている世界の舞台での戦い。野球ファンを熱狂させるプレーを期待している。

()内の所属球団は当時のもの

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