「自分も4年後」と活躍に刺激 横浜DeNA徳山壮磨がU-18代表で得た大切な仲間たち
横浜DeNAの徳山壮磨投手は、大阪桐蔭高3年時の2017年にカナダで開催された「第28回 WBSC U-18ベースボールワールドカップ」(以下U-18W杯)に出場した。3試合に登板して2勝を挙げ、最優秀投手のタイトルを獲得。“高卒ドラ1”を多数輩出したチームメートたちに刺激を受け、早稲田大を経た4年後のドラフト2位でのプロ入りに繋がった。
写真提供=Full-Count
大阪桐蔭高3年時に出場したU-18W杯で最優秀投手を受賞
横浜DeNAの徳山壮磨投手は、大阪桐蔭高3年時の2017年にカナダで開催された「第28回 WBSC U-18ベースボールワールドカップ」(以下U-18W杯)に出場した。3試合に登板して2勝を挙げ、最優秀投手のタイトルを獲得。“高卒ドラ1”を多数輩出したチームメートたちに刺激を受け、早稲田大を経た4年後のドラフト2位でのプロ入りに繋がった。
高校3年に春の選抜高等学校野球大会で全国制覇。U-18世代の侍JAPAN入りは、ハッキリとした目標になっていた。夏の全国高等学校野球選手権大会はベスト16で仙台育英高の前に涙を飲んだが、U-18W杯のメンバー選出を知らされたのはその直後。「素直にうれしかったですね。すごいメンバーばかりでしたし、『このメンバーと野球をやれるんだ』と思いました」と振り返った。
オープニングラウンド初戦・メキシコ戦の先発を任された。独特な緊張感、ボールもマウンドも違う。「初めてのことばかりでしたが、楽しかったというのが一番の思い出です」。徳山投手にとって最も印象深いこの試合のマウンドで7回1失点と好投して勝利投手となり、チームを勢いに乗せた。オランダ戦でも5回1失点で白星を手にしたが、スーパーラウンドのカナダ戦は2回1/3を2失点で勝ち負けはつかず、チームも敗れた。
大舞台で掴んだ確かな自信「自分はカーブも使えるんだ」
オープニングラウンドで挙げた2勝で手にしたタイトルには「閉会式で整列していたら急に名前を呼ばれて……。『俺、何かしたっけ!?』と思ったら表彰されて。ラッキーって感じです」と苦笑いするが、大舞台で確かな自信を掴んだことがある。
「外国人打者は速い球に強いなと思いましたが、カーブやフォークなどの縦変化はすごく有効的に使えると思いました。他の投手もそうだし、自分も、縦変化で空振りや三振が取れていたので、有効に使えたなというのはありました。それは自信になりましたね。カーブは(日本の)高校生にはあまり投げていなかったですが、ジャパンではカーブを投げて抑えられたので、(意外と)自分はカーブも使えるんだと思いました」
好投を支えた古賀悠斗の言葉「俺のリード通りに投げてくれれば」
もう1つ、好投に導いたのが、2戦目以降にバッテリーを組んだ古賀悠斗捕手(現埼玉西武)の存在だ。試合前にかけられたのは「俺のリード通り投げてくれれば、絶対に抑えられるから」という言葉。「ホンマに!? じゃあ信じるわ」とミットめがけて腕を振り、本当に結果を残した。「すごく自信になる言葉をくれて、本当にその通りに投げて抑えられた。頼もしかったです」。そこには絶大な信頼関係があった。
「めっちゃ楽しかったですね。1週間ちょっとでしたが、あっという間に終わって、みんなと別れるのが寂しいなと感じました」と述懐したように、メンバー同士の仲はどんどん深まった。オフには買い物や日本食レストランに出掛けた。そこで英語に苦戦した選手らを救ったのが、清宮幸太郎内野手(現北海道日本ハム)だったという。
「清宮は海外経験があって英語もできたので、みんな『キヨ、これどうやって買うの?』と頼っていました。清宮は普通に会話していたし、『こう言っているから、こうしたらいいよ』と教えてくれたんです」
清宮、中村、安田がドラフト1位でプロ入り「活躍を追っていました」
そんな清宮選手をはじめ、中村奨成捕手(現広島東洋)、安田尚憲内野手(現千葉ロッテ)がドラフト1位でプロの道に進んだ。徳山投手はプロ志望届を提出せずに早稲田大に進学したが、「大学の時も彼らの活躍を追っていました。誰かが活躍したら『自分も4年後』という気持ちでずっとやっていたので、みんなの頑張りに刺激をもらっていました」と明かす。
今年のU-18代表は9月2日から「第13回 BFA U18アジア選手権」を戦う。徳山投手は後輩たちへ「野球だけじゃなくて生活も環境もすごく変わるけど、18歳の若いうちにこういう経験ができるのはここだけ。球場や対戦チーム、審判、ボールとか対応するのが国際大会の難しさだと思う。そういうのが経験できるのはありがたいと思いながら、先につながると思ってやれればいいのかなと思います」とエールを送った。
プロ3年目の今季、1軍デビューを果たすと29試合に投げて防御率2.45と飛躍を遂げた右腕。故障のため、7月16日から出場選手登録を外れているが、いつでも目指す先は日の丸のユニホームだ。
「誰しも野球をやっていたら目指すところだと思いますし、自分ももっとキャリアを積んでいって、いずれは背負いたいという気持ちはもちろんあります」
高校3年時に得た思いは、今につながっている。
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