井端監督が脱帽「並の大学生じゃない」 青山学院大・西川がデビューで見せた積極性

2024.3.7

野球日本代表「侍ジャパン」は6日、京セラドームで行われた「カーネクスト 侍ジャパンシリーズ2024 日本vs欧州代表」に臨み、5-0で快勝した。大学生ながらトップチームに抜擢された西川史礁(みしょう)外野手(青山学院大)は、途中出場ながら2打数2安打1打点と衝撃の侍デビューを果たした。

写真提供=Full-Count

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攻守に躍動した20歳、途中出場ながら2打数2安打1打点と貢献

 野球日本代表「侍ジャパン」は6日、京セラドームで行われた「カーネクスト 侍ジャパンシリーズ2024 日本vs欧州代表」に臨み、5-0で快勝した。大学生ながらトップチームに抜擢された西川史礁(みしょう)外野手(青山学院大)は、途中出場ながら2打数2安打1打点と衝撃の侍デビューを果たした。

「今まで経験したことのないくらいの拍手をもらえて、嬉しい気持ちでいっぱいです」

 紅林弘太郎内野手、山下舜平大投手(ともにオリックス)に挟まれて上がったお立ち台で、初々しい笑みを浮かべた。京セラドーム大阪のスタンドを埋めた2万7698人を魅了したのは、20歳の大学生だった。

侍ジャパン初打席で初球を適時二塁打「初球からスイングするのが持ち味」

 5回に一塁走者・塩見泰隆外野手(東京ヤクルト)の代走として登場。二進後に近藤健介外野手(福岡ソフトバンク)の右翼線二塁打でチーム3点目となるホームを踏んだ。

 見せ場は6回に訪れた。2死から坂倉将吾捕手(広島東洋)が四球、石川昂弥内野手(中日)が左前打で繋ぎ、一、二塁で迎えた第1打席だった。

 直前にマウンドへ上がった欧州代表の5番手、オランダ出身のフランクリン・ファンフルプ投手の初球142キロのスライダーを迷うことなく強振した。鋭い打球は三塁手の横を通過して左翼線へ。二走を返す適時二塁打とし、二塁ベース上で笑顔を見せた。

 交代したばかりで初見となった外国人投手の初球。しかも、侍ジャパン初打席で物おじしないスイングを披露した。「自分の中ではどんなピッチャーでも初球からスイングするのが持ち味。それは全打席で考えているので、シンプルに初球からいったら、ああいう結果に繋がってよかったです」と強心臓ぶりを発揮。8回2死一塁の第2打席でも144キロを捉えて三遊間を破る左前打を放った。


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骨折判明で欠場の明治大・宗山からは「思い切っていけよ」

 中堅の守備でも大歓声を浴びた。6回1死から相手の2番打者の大きな当たりを背走。スピードを緩めることなくフェンスの手前でキャッチした。「相手のスイングを見て、ちょっといつもより深く守った。その守備位置が良かったです」。大舞台でも冷静に相手を分析していた。

 井端弘和監督の意向により、今大会では西川選手をはじめ、金丸夢斗投手(関西大)、中村優斗投手(愛知工業大)、宗山塁内野手(明治大)の大学生4人がメンバーに大抜擢された。指揮官は「(4人は)プロに入ってもすぐに侍ジャパンに入れるだけの力を持っているのかなと思っていますので。先を見据えた中で、学生の間に1度ユニホームを着ておくのも、彼らにとってプラスかなと思って選びました」と大きな期待を寄せていた。

 この日の試合前には、そのうちの1人、宗山選手の右肩甲骨骨折が判明。井端監督はチームに帯同させるものの、試合は欠場させることを明言した。

「(大学生の)野手が2人ということで一緒に試合に出たいという思いはあったのですが、(宗山)塁の分も頑張っていけたらと思います」と西川選手。その宗山選手からは「思い切っていけよ」と送り出されたグラウンド。仲間の思いを背負ってプレーし、躍動した。

 井端監督も「緊張があった中だとは思いますけど、ファーストスイングがファウルにならずに飛んでいくというところが並の大学生じゃないなと思いますね」と能力を高く評価した。

NPBのスター選手との共闘に「夢か現実か分からないくらい」

 NPBを代表するスター選手と同じユニホームを着て戦うことに、西川選手は「夢か現実か分からないくらい。そういう舞台に立たせていただいて光栄だと思うし、色々な選手とコミュニケーションをとって自分のものにしていきたいと思います」と力強く言い切った。

 一夜にして大注目を浴びることとなったシンデレラボーイ。7日の試合ではどんなプレーを見せてくれるのか、周囲の期待は高まるばかりだ。

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