大学生4人が初選出…プロアマ混成で挑む欧州代表戦 井端監督が見据える世代交代

2024.3.4

3月6、7日の2日間にわたり、京セラドーム大阪で「カーネクスト 侍ジャパンシリーズ2024 日本 vs 欧州代表」が開催される。11月に「ラグザス presents 第3回WBSCプレミア12」(以下、プレミア12)を控える中、野球日本代表「侍ジャパン」の井端弘和監督は大学生4人をトップチームに初選出。「悩みはなかった」と選出した28人は、日本代表常連組と若手が入り混じり、バランスの良いメンバーとなった。

写真提供=Full-Count

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欧州代表戦のメンバー発表…常連組や大学生らのバランスの取れた28人

 3月6、7日の2日間にわたり、京セラドーム大阪で「カーネクスト 侍ジャパンシリーズ2024 日本 vs 欧州代表」が開催される。11月に「ラグザス presents 第3回WBSCプレミア12」(以下、プレミア12)を控える中、野球日本代表「侍ジャパン」の井端弘和監督は大学生4人をトップチームに初選出。「悩みはなかった」と選出した28人は、日本代表常連組と若手が入り混じり、バランスの良いメンバーとなった。

 2月14日に都内で行われた記者会見で、井端監督が掲げたのは長期的に見た世代交代だ。今年のプレミア12だけでなく、2026年には「ワールド・ベースボール・クラシック™」(WBC)が開催され、さらに2028年にはロサンゼルス大会もある。「新たな選手の発掘や、経験者を呼んで伝えることは伝えてほしいなと。非常にバランス良く選ぶことができたかなと思っています」と納得の表情を見せた。

 今回、メンバーには4人の大学生が名を連ねた。2012年に侍ジャパンが常設されて以降、大学生がトップチームに選出されるのは稀なこと。だが、金丸夢斗投手(関西大)、中村優斗投手(愛知工業大)、宗山塁内野手(明治大)、西川史礁外野手(青山学院大)はともに、今秋のドラフト上位指名候補として名前が挙がる実力を持つ。

「(4人は)プロに入ってもすぐに侍ジャパンに入れるだけの力を持っているのかなと思っていますので。先を見据えた中で、学生の間に一度ユニホームを着ておくのも、彼らにとってプラスかなと思って選びました」

 その一方、決して若手主体のチームではない。昨年3月の第5回WBCに出場したメンバーからも6人が代表入り。源田壮亮内野手(埼玉西武)、村上宗隆内野手(東京ヤクルト)、近藤健介外野手(福岡ソフトバンク)ら代表常連のメンバーも。「今回は学生もいますので。プロ野球とはこういうものだ、代表というのはこういうものだ、というのをも若い選手に見せていってもらえれば」と期待した。


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井端監督の“初陣”「カーネクスト アジチャン」で光った根本ら若手の活躍

“井端ジャパン”初陣となった昨年11月の「カーネクスト アジアプロ野球チャンピオンシップ 2023」(以下アジチャン)では、24歳以下または入団3年目以内(29歳以下のオーバーエイジ枠は3人まで)の選手で構成された26人を選出。決勝で韓国を下し、アジアチャンピオンに輝いた。

 同大会では、昨年の1軍出場がわずか5試合だった根本悠楓投手(北海道日本ハム)を選出。発表された当時は驚きの声も上がっていたが、井端監督は「ひと周りなら確実に抑えてくれる」と大事な場面で登板させ、結果的に2試合で打者16人に対し、許した出塁は三塁へのバント安打のみ。防御率0.00で優勝に貢献した。

 アジチャンで活躍した根本投手や隅田知一郎投手(埼玉西武)、森下翔太外野手(阪神)、万波中正外野手(北海道日本ハム)らは今大会でもメンバー入り。加えて、新たに井端監督“らしさ”あふれる選出があった。それが田村俊介外野手(広島東洋)だ。

 田村選手の1軍出場は、ここまでわずか10試合。それでも「一度見てみたいということで今回選びましたけど、レギュラーシーズン次第では日本を代表するバッターになると思います」と、活躍に太鼓判を押している。

 他にも投手では、昨季パ・リーグ新人王の山下舜平大投手(オリックス)を筆頭に、松山晋也投手(中日)、渡辺翔太投手(東北楽天)が初選出。野手でも山本祐大捕手(横浜DeNA)、石川昂弥内野手(中日)らが初めて代表入りした。

欧州代表とは2015年以来…前回は1勝1敗「力をつけてきているのは間違いない」

 対する欧州代表はスペイン、オランダ、イタリア、ドイツ、チェコの5か国から構成される。近年、欧州勢のレベルアップは目覚ましく、昨年のWBCにはイギリス、オランダ、イタリア、チェコの4か国が出場。オランダはすでに11月のプレミア12出場が決まっている。

 侍ジャパンが欧州代表と対戦するのは、2015年3月に東京ドームで行われた「GLOBAL BASEBALL MATCH 2015 侍ジャパン 対 欧州代表」以来となる。小久保裕紀監督が指揮を執った当時は第1戦に4-3で逆転勝ちを収めたが、第2戦は2-6で敗れ、1勝1敗となっている。井端監督も「前回は1勝1敗なので。ヨーロッパが力をつけてきているのは間違いない。必ずそこを打ち破って、2連勝したいなと思います」と意気込む。

 プロアマ混合の野球日本代表は2013年の「BASEBALL CHALLENGE 日本 VS チャイニーズ・タイペイ」で、アマチュアから九州共立大・大瀬良大地投手(現広島東洋)、明治大・岡大海外野手(現千葉ロッテ)、高木伴投手(NTT東日本)、岡崎啓介内野手(日立製作所)の4人が加わって以来となる。井端監督が見据える2年後、4年後の世代交代に向け、欧州代表との2試合は大きな意味をもたらすものになっていくだろう。

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