井端新監督、若き侍ジャパンと白星スタート 5投手が圧巻の完封リレー「粘ってくれた」

2023.11.17

野球日本代表「侍ジャパン」は16日、東京ドームで行われた「カーネクスト アジアプロ野球チャンピオンシップ 2023」チャイニーズ・タイペイ戦に臨み、4-0で完封勝利を飾った。先発の赤星優志投手(読売)が4回2/3を投げて3安打無失点の好投。打っても森下翔太外野手(阪神)が先制ソロでチームに勢いをつけ、井端弘和監督は初陣を白星で飾った。

写真提供=Full-Count

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先発の赤星が4回2/3を無失点と好投「立ち上がりを意識してマウンドに」

 野球日本代表「侍ジャパン」は16日、東京ドームで行われた「カーネクスト アジアプロ野球チャンピオンシップ 2023」チャイニーズ・タイペイ戦に臨み、4-0で完封勝利を飾った。先発の赤星優志投手(読売)が4回2/3を投げて3安打無失点の好投。打っても森下翔太外野手(阪神)が先制ソロでチームに勢いをつけ、井端弘和監督は初陣を白星で飾った。

 先発のマウンドを託された赤星投手は序盤から安定した投球を見せた。初回を3者凡退に仕留める好スタートを切る。2回1死から5番のチェン・ジエシエン外野手に初安打を左前に運ばれるも、チャン・ジェンユィ内野手を中飛、ジャン・シャオホン捕手を遊ゴロに打ち取り、得点を許さない。

 140キロ中盤の伸びのある直球にカーブ、スライダー、フォークを織り交ぜ、的を絞らせない投球術。4回は安打と四球で2死一、二塁のピンチを背負うも、チャン・ジェンユィ内野手を124キロのスライダーで詰まらせて二ゴロ。5回は2死二塁の場面で球数が72球となり、中継ぎ陣に託した。

 4回2/3を3安打1四球無失点の好投で役割を果たした赤星は「相手のピッチャーもすごくいいという情報が入っていた。何とかまずはゼロで抑えてという(心構えでした)。立ち上がりを意識してマウンドに上がりました」と、安堵の表情を見せた。

打線は5回まで相手先発に苦戦も、7回に森下が左中間へ均衡破る先制ソロ

 リリーフ陣も持ち味を発揮して無失点リレー。及川雅貴投手(阪神)、根本悠楓投手(北海道日本ハム)、桐敷拓馬投手(阪神)、田口麗斗投手(東京ヤクルト)の左腕たちが無安打投球。井端監督も「台湾打者もかなり粘っていたけれど、根負けしないように投げくれたというところでは素晴らしかったと思います」と賛辞を贈った。

 打線は最速157キロを誇る先発グーリン・ルェヤン投手に大苦戦。5回まで1人の走者も出せない完全投球を許す中、6回1死から8番・門脇誠内野手(読売)が右中間二塁打を放って好機を作る。だが、続く秋広優人外野手(読売)が一ゴロ、岡林勇希外野手は見逃し三振に倒れ、無得点に終わった。

 待望の得点が生まれたのは7回だった。1死走者なしから森下選手が、真ん中高めに浮いた150キロの直球を強振。打球は一直線で左中間スタンドに突き刺さる先制ソロとなった。阪神を38年ぶりの日本一に導いた大型新人の一発に球場は大いに沸いた。

 さらに9回には1死から森下選手、牧秀悟内野手(横浜DeNA)、佐藤輝明内野手(阪神)の3連打で満塁の好機。続く万波中正外野手(北海道日本ハム)が遊撃併殺に倒れる間に1点を加えると、坂倉将吾捕手(広島東洋)、門脇選手の連続適時打で、この回に3点を奪いリードを広げた。


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初陣を白星で飾った井端監督「なんとか選手たち、ピッチャーたちが粘ってくれた」

 均衡を破る一発を放った森下選手は「相手もいいピッチャーだったので、まずは塁に出ることを意識しました。自分のスイングができてよかったです」と納得の表情。宮崎秋季キャンプで行われた広島東洋との練習試合でも豪快なアーチを放っていた若き大砲に、指揮官も「素晴らしかった。宮崎の合宿でも重い空気を一振りで変えてくれたし、彼はそういうものを持っているのかなと思います」と最敬礼だった。

 苦しいゲーム展開をものにし、初陣を勝利で飾った新生・侍ジャパン。試合後に井端監督は「とてもホッとしています。僕も苦しい空気だったんですけどね、なんとか選手たち、ピッチャーが粘ってくれたかなというところでは、勝利に結びつけることができたのかと思います」とナインを称えた。

 17日の韓国戦では隅田知一郎投手(埼玉西武)が先発する。井端監督は「韓国の方も初戦苦しんで勝った。明日また、今日とは違う形で来るんじゃないかなと思います。それに飲まれないように、日本も最初から攻めていきたいなと思います。いい試合をしたい」と、好ゲームを誓った。

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